1912(明治45)年 油彩・キャンバス
162x97㎝ 東京国立近代美術館 重要文化財
萬 鐵五郎(1885-1927)は、岩手県の現在の花巻市出身。
この《裸体美人》は、東京美術学校(現 東京藝術大学)西洋学科の卒業制作として描いた作品です!
フォービスムの先駆的作品として、大きな話題となった作品です。
色彩の対比や、ごつごつした線の表現、形態のデフォルメ、草の表現など…ゴッホやマティスの影響が見られます。
学校側の評価はよくなかったようですが、在校生や当時の青年画家に、大きな影響を与えました。
フォービスムは、野獣派とも呼ばれ、印象派の後20世紀の初めに、フランスで起こった絵画運動でした。
イメージから湧き上がる強烈な色彩や、大胆なタッチが特徴でしたね。
マティスやブラックなど。(参考4級Q.55)
マティスやブラックなど。(参考4級Q.55)
他の作家も確認を!
Q.94に出てきました!
千葉の漁村の風景《海の幸》を描いた作家です。
東京美術学校研究科在学中に、2点の作品を東京府観業博覧会に出品。
《里の水車》
1897(明治30)年 油彩・キャンヴァス 69×84.7㎝
東京国立博物館(黒田記念館) 重要文化財
もう1点《なさけの庭》という作品は1等賞!明治天皇の皇后陛下がお気に召されて、当時の宮内省に買上げされています。
その後、大原孫三郎(神戸の大原財閥を築いた実業家)からの援助でヨーロッパへ留学。
後に大原美術館設立のための名画収集活動へと繋がります。
後に大原美術館設立のための名画収集活動へと繋がります。
京都生まれの洋画家。
昭和洋画の巨匠。文化勲章受章作家です。
フランス留学中は、ルノワールの指導も受けています。
桃山美術や琳派などを融合させて、裸婦画に風景画、静物画と、豪快なタッチで豊かな色彩の作品を多く残してます。
4級 過去問/Q.97
1925(大正14)年 絹本彩色
120.3x53.8㎝ 山種美術館(東京) 重要文化財
120.3x53.8㎝ 山種美術館(東京) 重要文化財
速水御舟(1894-1935)は、松本楓湖※(まつもとふうこ)の「安雅堂画塾」に学んだ日本画家。
③の今村紫紅(いまむらしこう)は兄弟子です。
《炎舞》(えんぶ)は御舟の最高傑作✨
燃え上がる焚火に、蛾が魅せられているかのように舞っています。緻密な写実と幻想が融合した作品です。
何だか儚い感じで見入ってしまいますね…
炎の描写には不動明王などの、仏画からの影響が指摘されています。
炎の描写には不動明王などの、仏画からの影響が指摘されています。
もうひとつ代表作を!
《名樹散椿》(めいじゅちりつばき)
1929(昭和4)年 167.9x169.6㎝
二曲一双 山種美術館 重要文化財
二曲一双 山種美術館 重要文化財
当時は樹齢400年程の老木だったそう。
こちらは昭和期の美術品として、最初に重要文化財に指定されています。
他の作家も確認を!
「詩情の画家」と呼ばれます。
青樹も松本楓湖の「安雅堂画塾」に入門。同じ日に終生ライバルとなる④の速水御舟と入門しています!
《朝露》 1932年 足立美術館
大正7年国画創作協会の結成に参加。
西洋美術と東洋美術の融合による、新たな絵画の創造を目指しました。
《裸婦図》
1920年 絹本彩色 163.6x109.1㎝
山種美術館 重要文化財
大和絵の技法を基本としながら、琳派や印象派など織り交ぜ、斬新な画風を展開した画家です。
《熱国の巻》(部分)
1914年 東京国立博物館 重要文化財
4級 過去問/Q.98
1921(大正10)年 油彩・キャンパス
44.2x36.4㎝ 東京国立博物館 重要文化財
44.2x36.4㎝ 東京国立博物館 重要文化財
岸田劉生(きしだりゅうせい)の愛娘「麗子」です✨
自由な表現を重視した劉生は、大正美術の中でも突出して強い個性を発揮した画家です!
同時代の作家たちと同様、ポスト印象主義やフォーヴィスムの影響を受け、さらに北方ルネサンスの影響も受けながら、独自の写実表現を追求していきました。
モデルとして、じっとしてもらうために、近所の女の子とどちらが長くじっとしていられるか競争させたそう。
実際の麗子ちゃんを、デフォルメして描いていた父のようです。
大人の麗子さんはとても美人で、もう亡くなられていますが、同じ画家でした。さらに孫の岸田夏子さんも画家。素敵な桜を描かれています。
4級 過去問/Q.99
1936(昭和11)年 絹本着色 231.3x140.4㎝
東京藝術大学大学美術館 重要文化財
上村松園(1875-1949)は、鏑木清方※(かぶらき きよかた)と並んで、近代の美人画の大家です✨
1948年、女性として初めて文化勲章を受章。
京都生まれの松園は、美しい外見だけでなく、内に秘めた意志や気品を添えた女性の姿を描きました。
東京生まれ。こちらは男性です。
清方の美人画も美しく、松園の明るい色彩に比べると、清方は渋い色彩で粋な感じです。
「西の松園 東の清方」といわれます。
清方はまだ著作権保護期間中のため、こちらでご確認を👇
他の答えの作品は…
こちらは土田麦僊(つちだばくせん)の作品
1924(大正13)年 絹本彩色 217.7x102㎝
こちらは竹内栖鳳(たけうちせいほう)
1909年 絹本着色 高島屋資料館
Q.95参照
こちらも上村松園の作品。
謡曲『花筐』を題材に描かれていて、気品あふれる作品群の中で、少し特異な絵です。
1915(大正5)年 208x127㎝
4級 過去問/Q.100
約H70m 底部約φ20m
岡本太郎(1911-1996)ですね。
大阪万博テーマ館の一部として建てられた《太陽の塔》は、人間の尊厳と無限の進歩・発展を表現したもの!
正面中心にある「太陽の顔」は現在を
頂部の「黄金の顔」は未来を
背面にの「黒い太陽」は過去を
そして地下には、人間の精神世界を象徴する「地底の太陽」が!
と、4つの顔を持っています。
そして、このモニュメントと対をなす代表作《明日の神話》が、同時期に渋谷駅の壁面に制作されています。
これは日本の漁船 第五福竜丸が、アメリカの水爆実験で被爆した事件をモチーフに、原爆がもたらす悲劇と、その悲惨な体験を乗り越えて再生する、人々のたくましさを描いたとされています。
詳しくはこちらを。👇
岡本太郎は東京美術学校を中退し、パリの大学で哲学と民俗学を学んでいます。
70年程前までは日本美術史に「縄文」は存在しませんでした。
縄文時代の美を再発見して、工芸品から美術品へと日本美術史を書き換えたのが、岡本太郎といわれています✨
縄文時代の美を再発見して、工芸品から美術品へと日本美術史を書き換えたのが、岡本太郎といわれています✨
他の答えの作家は…
尼崎生まれの抽象画家。
天井から吊るしたロープにぶら下がって、床に広げたキャンバスに足で描く「フット・ペインティング」で、豪快な抽象画を描きます。
東京生まれの現代美術家。
実態のない影だけが描かれた「影」シリーズが有名です。
実在って何?と考えさせられる作品です。
ニューヨークで活動する現代美術家。
グローブに絵具をつけキャンバスを殴りつける「ボクシングペインティング」で有名です。
10年以上前になると思いますが。ポカリのCMで、福山雅治さんと共演しています。^^
【参考図書】
知る、わかる、みえる 美術検定4級問題[入門編 introduction] 美術検定実行委員会編 株式会社美術出版社
改訂版 西洋・日本美術史の基本 美術検定1・2・3級公式テキスト 美術検定実行委員会編 株式会社美術出版社 2019
続 西洋・日本美術史の基本 美術検定実行委員会編 株式会社美術出版社 2018
増補新装 カラー版日本美術史 辻惟雄監修 株式会社美術出版社 2020
この絵、誰の絵? 100の名作で西洋・日本美術入門 佐藤晃子著 株式会社美術出版社 2019