復元模型(内藤昌監修)
1576年 織田信長が琵琶湖のほとりに築いた安土城。
斬新な設計の内装を担当したのは、狩野永徳(かのうえいとく)。狩野派(室町から江戸時代まで日本画壇の中心だった画派)の代表的な画人です。
1582年の本能寺の変で焼失し、豪華な障壁画も失われています。
障壁画(しょうへきが)は、襖や衝立などに描かれた日本画のこと。
のちに狩野派一門の障壁画は、桃山時代を代表する絵画様式となります。
のちに狩野派一門の障壁画は、桃山時代を代表する絵画様式となります。
狩野永徳の参考代表作
《唐獅子図屏風》(からじしずびょうぶ) 右隻
16世紀後半 東京国立博物館 国宝
《花鳥図》
1566年 大徳寺聚光院(京都)
他のお城もざっくりと確認を!
兵庫県姫路市
築城 1346年 赤松貞範
改築・増築を経て 1617年今の姿に完成
5層7重の大天守を中心に3つの小天守
別名 白鷺城(しらさぎじょう)
《洛中洛外図》の徳川時代の伏見城
京都市伏見区
1592年築城
豊臣秀吉の邸宅式の城郭
秀吉の死後は徳川家康が住んで
3代将軍家光のときに廃城
1583年築城
築城主 豊臣秀吉
秀吉が伏見城へ移ってからは子・秀頼の城
1615年大阪夏の陣で焼失
江戸幕府が修築
4級 過去問/Q.76
《洛中洛外図屏風》右隻(部分)
桃山時代 紙本金地着色 六曲一双
各160.4x365.2㎝ 米沢市上杉博物館(山形)国宝
桃山時代 紙本金地着色 六曲一双
各160.4x365.2㎝ 米沢市上杉博物館(山形)国宝
こちらも狩野永徳(かのうえいとく)の代表作品。
狩野永徳は安土城や大阪城、聚楽第(じゅらくだい・秀吉の城郭風の邸宅)などの、障壁画に筆をふるった桃山時代の絵師でしたね。
華麗でダイナミックな表現で、狩野派の黄金期をもたらしました。
この《洛中洛外図屏風》(らくちゅうらくがいずびょうぶ)は、織田信長が上杉謙信に贈ったものと伝えられています。
右隻
左隻
京都の市街(洛中)と、郊外(洛外)の名所や風俗を、一望のもと細密に描いています!
4級 過去問/Q.77
《松林屏風図》(右隻)
16世紀(桃山時代)紙本金地着色 六曲一双
各156.8x356㎝ 東京国立博物館 国宝
16世紀(桃山時代)紙本金地着色 六曲一双
各156.8x356㎝ 東京国立博物館 国宝
長谷川等伯(はせがわとうはく)は、狩野永徳と並ぶ桃山時代を代表する絵師。
豊臣家に重用され、雪舟(せっしゅう)の後継者と名乗り、狩野派に対抗しました!
この作品は、等伯50歳代の作品と推定されています。
左隻
初冬の朝霧がかかる松林…
その湿潤で大気的な詩情ある風景…
水墨による黒の濃淡のみで表現…
余計なものがないシンプルな構図に、奥行きや広がりを感じさせる余白です。
当時日本の水墨画に大きな影響を与えた中国の画家・牧谿(もっけい)の様式に倣っており、狩野派にもない独特の空間表現です。
他の作品もみごとです!
雪舟(せっしゅう)が号で
等楊(とうよう)は諱(いみな・本名)
室町時代に活躍した水墨画家・禅僧
中国画から日本独自の水墨画風を確立
《秋冬山水図》(冬景図)
東京国立博物館 国宝
東京国立博物館 国宝
永徳の孫
探幽(たんゆう)は号
江戸時代初期に活躍
雪舟を深く学び明るく穏やかな画風
《四季花鳥図(雪中紅梅鳥図)》
名古屋城障壁画(上洛殿三之間)
名古屋城障壁画(上洛殿三之間)
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4級 過去問/Q.78
二曲一双 各154.5x169.8㎝
建仁寺(京都国立博物館寄託) 国宝
俵屋宗達(たわらやそうたつ)は、琳派の創始者として知られます!
この《風神雷神図屏風》は、有名な作品ですね。
風神は風を司り、雷神は雷を司る神。
それぞれが両端ぎりぎりの緊張感…
金箔の無限の奥行…
墨に銀泥を混ぜて使うことで、墨と金という異質な素材の違和感も中和しています!
この作品には落款も印章もありませんが、宗達の真筆であることは確実視されています。
さらに宗達は、江戸時代初期に活躍した絵師ということのみで、生没年もはっきりしません。
さらに宗達は、江戸時代初期に活躍した絵師ということのみで、生没年もはっきりしません。
この絵は琳派の後継者である、尾形光琳(おがたこうりん)や、酒井抱一(さかいほういつ)などによっても模写されています。
他の答えの作家は、
俵屋宗達と並ぶ江戸時代初期を代表する絵師。
江戸時代初期の書家、陶芸家、芸術家。
《舟橋蒔絵硯箱》
4級 過去問/Q.79
《(夕顔棚)納涼図屏風》(部分)
17世紀(江戸時代) 紙本墨画淡彩 二曲一隻
149.1x165㎝ 東京国立博物館 国宝
久隅守景(くすみもりかげ)は、江戸時代前期の狩野派の絵師。
生没年不詳ですが、狩野探幽の弟子です!
この作品は江戸時代初期の歌人・木下長嘯子(きのしたちょうしょうし)の
「夕顔の 咲ける軒端の 下すゝみ 男はてゝれ 女はふたのもの」
の和歌を絵画化した作品です。
おぼろな月の光の下、農夫の家族が涼をとっています。
「てゝれ」は襦袢やふんどし
「ふたの物」は腰巻
守景はこのような田園風俗画を得意としました。
他の答えの作家は、
江戸時代中期の画家。
古典の軽妙さを加えた都市風俗画。
《雷神》(落雷図)
狩野探幽の弟の子。
江戸幕府に仕えた絵師。
《徳川光圀像》 水戸徳川博物館
江戸時代の画家で浮世絵の確立者。
この作家については次の問題で!
【参考図書】
知る、わかる、みえる 美術検定4級問題[入門編 introduction] 美術検定実行委員会編 株式会社美術出版社
改訂版 西洋・日本美術史の基本 美術検定1・2・3級公式テキスト 美術検定実行委員会編 株式会社美術出版社 2019
続 西洋・日本美術史の基本 美術検定実行委員会編 株式会社美術出版社 2018
増補新装 カラー版日本美術史 辻惟雄監修 株式会社美術出版社 2020