4級 過去問/Q.33
《シテール島の巡礼》
1717年 油彩・キャンヴァス
129×194㎝ ルーブル美術館(パリ)
この作品はアントワーヌ・ヴァトー(1684-1721)の中期の代表作。
エリート芸術家が集まるアカデミーへの、入会が認められた作品です。
ロザルバ・カリエラ
《アントワーヌ・ヴァトーの肖像》1921年
「雅宴画(がえんが)」という新たなジャンルも創設され、ヴァトーは「雅な宴の画家」と呼ばれます。
18世紀のヨーロッパはロココの時代。曲線的で装飾的、甘美な色彩で、男女の愛や官能をテーマにした作品が目立つようになります。
シテール島とは地中海のキティラ島のことで、フランス語でシテールと呼ばれます。
どこかというと……
ミロのヴィーナスが発見された、ミロス島の近くでした!
シテール島は、愛の女神ヴィーナスが流れ着いた場所とされ、女神と愛の聖地です♡ この島を独身者が巡礼すると、よい伴侶に出会えるといわれました。
この絵は、若い男女が巡礼を終えて、帰路につくまでの様子が描かれています。
甘美な色彩で描かれたヴァトーの夢幻的な世界は、ロココ絵画の基調を決定づけるものとなりました。
4級 過去問/Q.34
ヴェルサイユ宮殿は、1661年から20年以上かけて造られました。政治から文化まで、ルイ14世の権力の象徴です。
主要部分の設計は、マンサール(フランス後期バロック建築の第一人者)と、ル・ブラン。(ルイ14世の第一画家として内装を担当)
庭園はアンドレ・ル・ノートルが設計。
フランス式庭園を完成させた造園家です。
数学と幾何学を庭づくりに取り入れ、美しく整備された庭を創っています。噴水庭園には宮殿建設以上の労力が費やされています。
このヴェルサイユ宮殿は、ヨーロッパ中の宮殿建築に大きな影響を与えました。
壮大ですね~
4級 過去問/Q.35
フランシスコ・デ・ゴヤ
1797-1800年頃 油彩・キャンヴァス
98×191㎝ プラド美術館(マドリード)
描いたのは、フランシスコ・デ・ゴヤ(1746-1828)
《フランシスコ・ゴヤの肖像画》
ヴィセンテ・ロペス・ゴ・ポルタ―ニャ画
1826年 油彩
93×75㎝ プラド美術館
43歳で新王カルロス4世の宮廷画家となり、ようやくスペイン最高の画家として地位を得ます。
しかし46歳の時、不治の病で聴力を失い……
ゴヤの代表作と言われる作品は、聴力を失った後の、後半生に描かれたものです!
そしてこの《裸のマハ》は、厳格なカトリック教国であったスペインでは、大問題の作品となり、プラド美術館の地下に100年もしまわれていた作品です。
《裸のマハ》についてはこちらでも👇
他の作品を古い順に!
ディエゴ・ベラスケス
1647-51年頃 油彩
122×177㎝ ナショナルギャラリー(ロンドン)
ドミニク・アングル
1814年 油彩
91×162㎝ ルーブル美術館(パリ)
エドゥアール・マネ
1863年 油彩・キャンヴァス
130×190㎝ オルセー美術館(パリ)
【参考図書】
知る、わかる、みえる 美術検定4級問題[入門編 introduction] 美術検定実行委員会編 株式会社美術出版社
改訂版 西洋・日本美術史の基本 美術検定1・2・3級公式テキスト 美術検定実行委員会編 株式会社美術出版社 2019
続 西洋・日本美術史の基本 美術検定実行委員会編 株式会社美術出版社 2018
増補新装 カラー版 西洋美術史 高階秀爾監修 株式会社美術出版社 2021
この絵、誰の絵? 100の名作で西洋・日本美術入門 佐藤晃子著 株式会社美術出版社 2019
芸術教養シリーズ6 盛期ルネサンスから十九世紀末まで 西洋の芸術史 造形篇II 水野千依編 株式会社幻冬舎 2013