美術検定4級 過去問/Q.41~47(近代美術 2/写実主義・印象主義)

19世紀のフランスで農民たちの生活や姿をテーマに《晩鐘》や《落穂拾い》を描いたのはの絵を描いたのは?
① ミレー
② テオドール・ルソー
③ コロ―
④ クールベ
出典:美術検定実行委員会・編『知る、わかる、みえる 美術検定4級問題 入門編 』 (株)美術出版社 2021  p.72
ミレー 晩秋

《晩鐘》
1857年 油彩・キャンヴァス
55.5x66㎝ オルセー美術館(パリ)

答え ① ミレー
ジャン=フランソワ・ミレー 写真 ナダール撮影

ナダールによる肖像写真
1856-58年頃

ジャン=フランソワ・ミレー(1814-1875)は、バルビゾン派の一人。

バルビゾン派とは、フランスのバルビゾン村やその周辺に住み、自然主義的な風景画農民画を描いた芸術家グループです。

それまでの美術では、テーマとならなかった労働者階級の人々の姿を描きました。

《晩鐘》は、幼いころに畑で祖母たちとともに捧げた「祈り」を思い出して描いたそう。

この作品はミレーの死後、何度も競売にかけられ、フランスとアメリカが争奪戦を展開します。アメリカが手に入れるも、フランスの資産家が買い戻しています。

こちらは《落穂拾い》ですね。
ミレー 落穂拾い

1859年 油彩・キャンヴァス
83.5x110㎝ オルセー美術館(パリ)

刈り入れ後の残された落穂を拾い集めて、生活の糧とする農夫たちを描いています。
遠くには、積み藁と地主たちの豊かな収穫が見えます……

4級 過去問/Q.42

この絵はシェークスピアのある戯曲を題材に描かれましたが、その戯曲とは?
① 『リア王』
② 『ハムレット』
③ 『真夏の夜の夢』
④ 『ヴェニスの商人』
出典:美術検定実行委員会・編『知る、わかる、みえる 美術検定4級問題 入門編 』 (株)美術出版社 2021  p.74
ミレイ オフィーリア

《オフィーリア》
1851-52年 油彩・キャンパス
76.2x111.8㎝ テート・ブリテン(ロンドン)

答え ②『ハムレット』

こちらを描いたのはジョン・エヴァレット・ミレイ(1829-1896)。

先ほどのミレーとは違いますよ!

イギリスの画家で、ラファエロ以前の西洋美術に回帰しようとした「ラファエル前派」の一人です。

ミレイ 自画像

自画像
1799年 油彩・キャンヴァス
テート・ブリテン(ロンドン)

この作品は、シェイクスピア『ハムレット』を題材に描かれたもの。
ハムレットの恋人、オフィーリアが、父親を殺されて溺死する直前、歌いながら川に浮かんでいる姿です。

背景や自然の細密描写は、ヤン・ファン・エイクの作品を手本にしています。

実際にモデルを水風呂にいれてポーズをとらせたそうで、肺炎になりかけたモデルの父親からミレイは訴えられています。

ミレイが20代前半で描いた作品です。

4級 過去問/Q.43

この作品はある理由で、当時のフランス美術界のスキャンダルとなりましたが、その最も大きな理由は?
① 女神ではない女性のヌードを描いたものだった
② 裸婦のモデルが娼婦だった
③ 当時のフランスでは裸婦像は厳禁だった
④ 裸婦の身体のバランスが当時の理想とは違った
出典:美術検定実行委員会・編『知る、わかる、みえる 美術検定4級問題 入門編 』 (株)美術出版社 2021  p.72
マネ 草上の昼食

マネ 《草上の昼食》
1863年 油彩・キャンヴァス
208
x265㎝ オルセー美術館(パリ)

答え ① 女神ではない女性のヌードを描いたものだった

描いたのは、エドゥアール・マネ(1832-1883)。
写実主義から印象主義への架け橋となるフランスの画家です。

エドゥアール・マネ ナダール撮影

1856-58年頃 ナダール撮影

フランスの唯一の作品発表の場であったサロンに出品したところ、女神ではない裸婦と、正装の男性が同じ画面上にいるということで、一大スキャンダルを巻き起こした作品です!

当時、聖書や神話の世界として描かれていた裸婦でしたが、マネは生身の女性のヌードを描きました。

2年後には《オランピア》を!
こちらもまたバッシングにさらされます。

olympia-manet

《オランピア》
1863年 油彩・キャンヴァス
130x190㎝ オルセー美術館(パリ)

2つの作品の詳細はこちらを👇

4級 過去問/Q.44

「印象主義」という名称のもととなった、《印象(日の出)》を描いた画家は?
① マネ
② ルノワール
③ ドガ
④ モネ
出典:美術検定実行委員会・編『知る、わかる、みえる 美術検定4級問題 入門編 』 (株)美術出版社 2021  p.74
モネ 印象 日の出

《印象、日の出》
1872年 油彩・キャンヴァス
48x63㎝ マルモッタン・モネ美術館(パリ)

答え ④ モネ
クロード・モネ ナダール撮影

1899年 ナダール撮影

この作品はクロード・モネ(1840-1926)の美術史上、重要な意味を持つ作品です!

1874年、サロンの審査に対抗して、「画家・彫刻家・版画家たちの匿名芸術家協会展」が開催されます。(開催場所はナダールの写真館)

それに出品したものの、完璧な仕上げが主流の当時の美術界には受け入れられず、批評家はモネのこの作品の名前を、展覧会の名前として、皮肉を込めて記事に取り上げました。

それがきっかけで「印象派」という言葉が生まれています!

長い名前だった展覧会名も、後に「第1回印象派展」と呼び改められています。

この朝もやに浮かぶ日の出の情景ですが……

テキサス州立大学の天文学者らの測定により、この絵が描かれた光景の日時は、1872年11月13日午前7時35分頃の可能性が高いと特定されています!

すごいですねー
マネモネ。今回も名前が似ていましたね。

4級 過去問/Q.45

この絵のモチーフは、モネが晩年まで繰り返し描き続けた対象のひとつです。その対象は?
① 川
② 雲
③ 陽光
④ 睡蓮
出典:美術検定実行委員会・編『知る、わかる、みえる 美術検定4級問題 入門編 』 (株)美術出版社 2021  p.74
モネ 雲

(部分)

答え ④ 睡蓮

こちらもモネの作品。《睡蓮、雲》の一部です。
作品全体は 200x1275㎝ もあります!

睡蓮、雲 モネ

《睡蓮、雲》
1915‐26年頃 油彩・キャンヴァス
オランジュリー美術館(パリ)

「水と光の画家」と呼ばれるモネ
さまざまに変化する一瞬の光を表現するため、特定の対象を繰り返し描いています。

この絵は自宅に造った睡蓮の池が、変化する風景を描いた《睡蓮》シリーズの1枚!
初期の頃は、岸や橋も描かれていましたが、後期は水面だけを主題とした抽象画のようになっていきました。

この作品は最晩年の連作です。

4級 過去問/Q.46

この絵を描いたのは?
① フラゴナール
② マイヨール
③ ボナール
④ ルノワール
出典:美術検定実行委員会・編『知る、わかる、みえる 美術検定4級問題 入門編 』 (株)美術出版社 2021  p.76
ルノワール ムーラン・ド・ラ・ギャレット

《ムーラン・ド・ラ・ギャレット》
1876年 油彩・キャンヴァス
131.5x176.5㎝ オルセー美術館(パリ)

答え ④ ルノワール
ピエール=オーギュスト・ルノワール

 1875年頃

この作品は、フランス印象派の画家、ピエール=オーギュスト・ルノワール(1841-1919)の傑作のひとつ!

35歳の時、1877年の第3回印象派展に出品された作品です。

パリのモンマルトルにあるダンスホール「ム-ラン・ド・ラ・ギャレット」での、舞踏会の様子です。

たくさんのモデルを雇うお金がなく、当時流行していた帽子をプレゼントすると宣伝して、モデルを集めています。

こちらはゴッホによる《ムーラン・ド・ラ・ギャレット》

ゴッホ ムーラン・ド・ラ・ギャレット

1886年 ベルリン新美術館(ドイツ)

現在はレストランなんですねー

ムーラン・ド・ラ・ギャレット

4級 過去問/Q.47

この絵は印象派の中でも、踊り子や都市生活を好んで描いた画家の作品です。その画家は?
① モネ
② スーラ
③ ドガ
④ マネ
出典:美術検定実行委員会・編『知る、わかる、みえる 美術検定4級問題 入門編 』 (株)美術出版社 2021  p.76
エドガー・ドガ エトワール

《エトワール》
1876年頃 パステル・紙
58.4×42㎝ オルセー
美術館(パリ)

答え ③ ドガ
描いたのは、フランス印象派のエドガー・ドガ(1834-1917)。

自画像 1855年

この作品《エトワール》は、パステル画です。

「エトワール」とは、踊り子の中でも最高位に立つ者に与えられる称号!
この踊り子はバレエ団の花形スターです。

都会人だったドガは、都市生活者の姿を、写真のように切り取って描きました。
そして印象派の特徴である外光よりも、ステージカフェなど、室内の人工的な光の空間を好みました。

構図の取り方に特徴があり、上から見下ろす構図は、日本の浮世絵の影響によるもの!

舞台のそでに黒服の男がいますね… パトロンなんだそう。

【参考図書】
知る、わかる、みえる 美術検定4級問題[入門編 introduction]  美術検定実行委員会編  株式会社美術出版社
改訂版 西洋・日本美術史の基本 美術検定1・2・3級公式テキスト 美術検定実行委員会編  株式会社美術出版社  2019
続 西洋・日本美術史の基本  美術検定実行委員会編 株式会社美術出版社  2018
増補新装 カラー版 西洋美術史  高階秀爾監修 株式会社美術出版社  2021
この絵、誰の絵? 100の名作で西洋・日本美術入門  佐藤晃子著 株式会社美術出版社  2019
芸術教養シリーズ6 盛期ルネサンスから十九世紀末まで 西洋の芸術史 造形篇II  水野千依編  株式会社幻冬舎  2013
366日の西洋美術 (366日の教養シリーズ) 瀧澤秀保監修  株式会社三才ブックス  2019