《着衣のマハ》
油彩・キャンヴァス 97x190㎝
1978-1803年頃 プラド美術館
この作品は、スペインのカルロス4世の宰相を務めたゴドイの邸宅に飾られていたもの。1808年ナポレオンがスペインに侵攻してゴドイが失脚した際、財産没収がきっかけで世に知られた作品です。
滑車式の吊下げ機械で、この後ろに隠していたのが……
《裸のマハ》
油彩・キャンヴァス 97x190㎝
1797-1800年頃 プラド美術館
《着衣のマハ》は、カモフラージュだったよう…
描いたのはゴヤ。
フランシスコ・デ・ゴヤ
Francisco Goya
スペイン ロマン主義
1746年3月30日-1828年4月16日
ベラスケスと並ぶスペイン最大の画家。ロマン主義美術の先駆者。
40歳代になって、宮廷画家となり地位を得ますが、1792年(46歳)不治の病に侵され聴力を失います。
この作品を含め、ゴヤの代表作といわれるものは、どれも聴力を失った後に描かれた作品です。
この2作1対となった作品は当時類を見ないもので、さらに西洋美術で初めての実在する女性のヘアヌード絵画。
厳格なカトリック教国だったスペインでは、ヌード表現への規制が厳しく大問題に発展。しかし取り調べを受けたゴヤは、けして何も語らなかったそう…
一般公開されたのは1901年。発見から100年近くも経ってからです。
「マハ」とはスペイン語で「小粋な女(マドリード娘)」という意味。
世界初のヌード付き切手 1930
対だからこその官能性ですね✨
【参考図書】
高階秀爾監修『西洋美術史』株式会社美術出版社 2021年
春燈社編集『ヌードの絵画史』 辰巳出版株式会社 2019年
瀧澤秀保監修『366日の西洋美術』株式会社三才ブックス 2019年
水野千依り編『盛期ルネサンスから十九世紀末まで』株式会社幻冬舎 2013年