1432年 油彩・板
375x260㎝ 聖ハーブ大聖堂(ベルギー)
《ヘントの祭壇画》は、初期ネーデルラント絵画の最高傑作のひとつです。(ネーデルラントは現在のベルギー、オランダ、ルクセンブル、フランス北部やドイツ西部あたり)
『ヨハネによる福音書』にある「神秘の仔羊の礼拝」が描かれています。
中央の仔羊の胸から血があふれ、金の杯に流れ込んでいます。仔羊はキリストです。
この場面は、12枚のパネルで構成された大規模な多翼祭壇画の下段の中心。
ここ👆
閉じると…
この画像ではわかりにくいですが、本当に緻密で壮大です。
それぞれの絵の意味するところを理解するには、時間がかかりそうです。
描いたのはファン・エイク兄弟。
制作途中で亡くなった兄フーベルトを引き継ぎ、弟のヤンが完成させました。
ヤンは「神の手」と称えられるほどの超絶技巧の持ち主でした。
そしてもう一つ重要なのが、現在の主流である油絵を発明したのが、この兄弟であること!(基礎をつくったのはロベルト・カンピンと言われています。)
さらにほどなく発明されるキャンヴァス(画布)との組み合わせにより、絵画表現に革新がもたらされました。
作品に見られる光の描写はまさに当時最新技法でした。
4級 過去問/Q.22
ヒエロニムス・ボス
1503-1504年 油彩
220x289㎝ プラド美術館(マドリード)
ボス(1450頃~1516)はオランダの地方都市スヘルトーヘンで生涯を過ごし、同時代の主流の影響を強く受けることなく、独自の画風を創り上げたといわれます。
《快楽の園》について、詳しくはこちらを👇
他の答えの作品も参考に♪
アルブレヒト・アルトドルファー
1529年 油彩
158.4×120.3㎝ アルテ・ピナコテーク(ミュンヘン)
セバスティアーノ・デル・ピオンボ
1517-19年 油彩・キャンヴァス
138×299㎝ ナショナルギャラリー(ロンドン)
ファン・デ・フランデス
1510-1518年 油彩
110×84㎝ プラド美術館(マドリード)
ピーテル・ブリューゲルの模写
1560年代 油彩・キャンヴァス
73.5×112㎝ ベルギー王立美術館(ブリュッセル)
4級 過去問/Q.23
《雪中の狩人》
1565年 油彩・板
116.5x162㎝ ウィーン美術史美術館
16世紀のネーデルラントを代表する画家。
一つ前の問題に出てきた《イカロスの墜落》と同じ作家ですね!
背中を丸めて歩く狩人と猟犬…
雪と氷に覆われた村の家々…
氷上でスケートやカーリングを楽しむ人々…
宗教画が主流の時代に、ブリューゲルは庶民の暮らしや自然を描きました。
他、代表作としては
《農民の婚宴》
1568年頃 油彩・板
114×164㎝ ウィーン美術史美術館
《農民の踊り》
1568年頃 油彩・板
114×164㎝ ウィーン美術史美術館
聖書を主題とした作品といえば、こちらが有名ですね!
《バベルの塔》
1563年頃 油彩・板
114×155㎝ ウィーン美術史美術館
4級 過去問/Q.24
デューラー《自画像》
1500年 油彩・板
67x49㎝ アルテ・ピナコテーク(ミュンヘン)
ドイツにルネサンスをもたらしたアルブレヒト・デューラー。
北方絵画の写実描写と、イタリア旅行で学んだルネサンスの芸術理論とを融合し、ヨーロッパ中で高く評価された作家です。
油絵に合わせて版画も多数制作。その版画の技術もかなりだったようです。
人気が高かったため贋作も数多く出回り、それもあって、サインとしてモノグラム(2つ以上の文字を組み合わせた記号)を、初めて使った作家でした!
アルブレヒト・デューラーの「A」と「D」
おしゃれなサインですね♪
当時、肖像画は横か斜めから描くものでした。
真正面というのは、神のような聖なる存在か、君主くらいです。
自らをキリストになぞらえ、正面を見据えた28歳のデューラー。
画家としての自信と、強い決意のようなものを感じますね!
4級 過去問/Q.25
①
②
③
④
1526年 油彩・板
左212.8×76.2㎝ 右212.4×76.3㎝ アルテ・ピナコテーク(ミュンヘン)
この4人の聖人は左から、ヨハネ・ペトロ・マルコ・パウロ。
当時 人間は4つの気質(四体液質)に分類されるという考えがあり、
ヨハネは 活発で外交的な多血質 赤
ペトロは 落ち着いた粘液質 青
マルコは 情熱的な胆汁質 黒
パウロは まじめな憂鬱質 白
というように描き分けています。
「四気質」も調べると面白そうですね。
他の作品は
1512~1516年頃 油彩・板
全図376×688㎝ ウンターレインデン美術館(コルマール)
1490-1500年 油彩・板
205.5×385㎝(額縁含む) プラド美術館(マドリード)
1523年頃 油彩・板
43×33㎝ ルーブル美術館(パリ)
ホルバインは、アナモルフォーシス(角度を変えることで正常に見える技法)を使う画家として知られています。
この作品みたことありますよね!
《大使たち》
1523年頃 油彩・板
43×33㎝ ルーブル美術館(パリ)
足元の斜めのもの……
右へ移動しながら鋭角にみると……ドクロ 💀!
凄いですね。何の問題を解いていたのか忘れましたね。
【参考図書】
知る、わかる、みえる 美術検定4級問題[入門編 introduction] 美術検定実行委員会編 株式会社美術出版社
改訂版 西洋・日本美術史の基本 美術検定1・2・3級公式テキスト 美術検定実行委員会編 株式会社美術出版社 2019
続 西洋・日本美術史の基本 美術検定実行委員会編 株式会社美術出版社 2018
増補新装 カラー版 西洋美術史 高階秀爾監修 株式会社美術出版社 2021
この絵、誰の絵? 100の名作で西洋・日本美術入門 佐藤晃子著 株式会社美術出版社 2019
366日の西洋美術 (366日の教養シリーズ) 瀧澤秀保監修 株式会社三才ブックス 2019