美術検定4級 過去問/Q.21~25(北方ルネサンス)

Q.21
ファン・エイク兄弟作の《ヘントの祭壇画》の一部である、この場面の題名は?
① 《神秘の仔羊の礼拝》
② 《天井のエルサレム》
③ 《イサクの犠牲》
④ 《神殿奉献》
出典:美術検定実行委員会・編『知る、わかる、みえる 美術検定4級問題 入門編 』 (株)美術出版社 2021  p.62
ヘントの祭壇画 神秘の仔羊の礼拝

1432年 油彩・板
375260㎝ 聖ハーブ大聖堂(ベルギー)

答え ① 《神秘の仔羊の礼拝》

《ヘントの祭壇画》は、初期ネーデルラント絵画の最高傑作のひとつです。(ネーデルラントは現在のベルギー、オランダ、ルクセンブル、フランス北部やドイツ西部あたり)

『ヨハネによる福音書』にある「神秘の仔羊の礼拝」が描かれています。

中央の仔羊の胸から血があふれ、金の杯に流れ込んでいます。仔羊はキリストです。

ヘントの祭壇画 神秘の仔羊の礼拝

この場面は、12枚のパネルで構成された大規模な多翼祭壇画の下段の中心

ヘントの祭壇画

ここ👆

閉じると…

ヘントの祭壇画 閉じた状態

この画像ではわかりにくいですが、本当に緻密で壮大です。
それぞれの絵の意味するところを理解するには、時間がかかりそうです。

描いたのはファン・エイク兄弟

制作途中で亡くなった兄フーベルトを引き継ぎ、弟のヤンが完成させました。
ヤンは「神の手」と称えられるほどの超絶技巧の持ち主でした。

そしてもう一つ重要なのが、現在の主流である油絵を発明したのが、この兄弟であること!(基礎をつくったのはロベルト・カンピンと言われています。)

さらにほどなく発明されるキャンヴァス(画布)との組み合わせにより、絵画表現に革新がもたらされました。

作品に見られる光の描写はまさに当時最新技法でした。

Q.22
思議な形状の動植物や怪物、幻想的な世界を描いたことで知られる15世紀ネーデルラントの画家、ヒエロニムス・ボスの代表的な作品は
① 《アレクサンドロス大王の戦い》
② 《ラザロの復活》
③ 《快楽の園》
④ 《イカロスの墜落》
出典:美術検定実行委員会・編『知る、わかる、みえる 美術検定4級問題 入門編 』 (株)美術出版社 2021  p.64
快楽の園 ボス

ヒエロニムス・ボス
1503-1504年 油彩 
220x289㎝ プラド美術館(マドリード)

答え ③ 《快楽の園》

ボス(1450頃~1516)はオランダの地方都市スヘルトーヘンで生涯を過ごし、同時代の主流の影響を強く受けることなく、独自の画風を創り上げたといわれます。

《快楽の園》について、詳しくはこちらを👇

他の答えの作品も参考に♪

《アレクサンドロス大王の戦い》
アレクサンダー大王の戦い アルブレヒト・アルトドルファー

アルブレヒト・アルトドルファー
1529年 油彩
158.4×120.3㎝ アルテ・ピナコテーク(ミュンヘン)

《ラザロの復活》

このテーマはいろんな作家が描いています。

ラザロの復活 セバスティアーノ・デル・ピオンボ

セバスティアーノ・デル・ピオンボ
1517-19年 油彩・キャンヴァス
138×299㎝ ナショナルギャラリー(ロンドン)

ファン・デ・フランデス ラザロの復活

ファン・デ・フランデス
1510-1518年 油彩
110×84㎝ プラド美術館(マドリード)

《イカロスの墜落》
ブリューゲル イカロスの墜落

ピーテル・ブリューゲルの模写
1560年代 油彩・キャンヴァス
73.5×112㎝ ベルギー王立美術館(ブリュッセル)

Q.23
下図の作者は
① デューラー
② ホルバイン
③ ブリューゲル
④ ボス
出典:美術検定実行委員会・編『知る、わかる、みえる 美術検定4級問題 入門編 』 (株)美術出版社 2021  p.64
ブリューゲル 雪中の狩人

《雪中の狩人》
1565年 油彩
・板
116.5x162㎝ ウィーン美術史美術館

答え ③ ピーテル・ブリューゲル

16世紀のネーデルラントを代表する画家。
一つ前の問題に出てきた《イカロスの墜落》と同じ作家ですね!

背中を丸めて歩く狩人と猟犬…
雪と氷に覆われた村の家々…
氷上でスケートやカーリングを楽しむ人々…

宗教画が主流の時代に、ブリューゲルは庶民の暮らし自然を描きました。

他、代表作としては

ブリューゲル 農民の婚宴

《農民の婚宴》
1568年頃 油彩・板
114×164㎝ ウィーン美術史美術館

ブリューゲル 農民の踊り

《農民の踊り》
1568年頃 油彩・板
114×164㎝ ウィーン美術史美術館

聖書を主題とした作品といえば、こちらが有名ですね!

ブリューゲル バベルの塔 1563年

《バベルの塔》
1563年頃 油彩・板
114×155㎝ ウィーン美術史美術館

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Q.24
ルネサンス期に活躍したデューラーはどこの国の人
① オランダ
② フランス
③ スペイン
④ ドイツ
出典:美術検定実行委員会・編『知る、わかる、みえる 美術検定4級問題 入門編 』 (株)美術出版社 2021  p.64
デューラー 自画像

デューラー《自画像》
1500年 油彩・板 
67x49㎝ アルテ・ピナコテーク(ミュンヘン)

答え ④ ドイツ

ドイツにルネサンスをもたらしたアルブレヒト・デューラー

北方絵画の写実描写と、イタリア旅行で学んだルネサンスの芸術理論とを融合し、ヨーロッパ中で高く評価された作家です。

油絵に合わせて版画も多数制作。その版画の技術もかなりだったようです。

人気が高かったため贋作も数多く出回り、それもあって、サインとしてモノグラム(2つ以上の文字を組み合わせた記号)を、初めて使った作家でした!

デューラー サイン

アルブレヒト・デューラーの「A」「D」
おしゃれなサインですね♪

当時、肖像画横か斜めから描くものでした。
真正面というのは、のような聖なる存在か、君主くらいです。

自らをキリストになぞらえ、正面を見据えた28歳のデューラー。
画家としての自信と、強い決意のようなものを感じますね!

Q.25
下図のうちデューラーの作品はどれ

グリューネヴァルト キリストの磔刑

快楽の園 ボス

エラスムス ホルバイン

デューラー 四人の使徒
出典:美術検定実行委員会・編『知る、わかる、みえる 美術検定4級問題 入門編 』 (株)美術出版社 2021  p.64
答え ④ 《四人の使徒》

アルブレヒト・デューラー(1471-1528)、晩年の代表作です。

デューラー 四人の使徒

1526年 油彩・板
左212.8×76.2㎝ 右212.4×76.3㎝ アルテ・ピナコテーク(ミュンヘン)

この4人の聖人は左から、ヨハネペトロマルコパウロ

当時 人間は4つの気質(四体液質)に分類されるという考えがあり、

 ヨハネは 活発で外交的な多血質  
 ペトロは 落ち着いた粘液質  
 マルコは 情熱的な胆汁質 
 パウロは まじめな憂鬱質  

というように描き分けています。
「四気質」も調べると面白そうですね♪

他の作品は

マティアス・グリューネヴァルト
《キリストの磔刑》
グリューネヴァルト キリストの磔刑

1512~1516年頃 油彩・板
全図376×688㎝ ウンターレインデン美術館(コルマール)

② ヒエロニムス・ボス
《快楽の園》
快楽の園 ボス

1490-1500年 油彩・板
205.5×385㎝(額縁含む) プラド美術館(マドリード)

③ハンス・ホルバイン(子)
《エラスムス》
エラスムス ホルバイン

1523年頃 油彩・板
43×33㎝ ルーブル美術館(パリ)

ホルバインは、アナモルフォーシス(角度を変えることで正常に見える技法)を使う画家として知られています。

この作品みたことありますよね!

ホルバイン 大使たち

《大使たち》
1523年頃 油彩・板
43×33㎝ ルーブル美術館(パリ)

足元の斜めのもの…… 

右へ移動しながら鋭角にみると……ドクロ 💀

ホルバイン 大使たち 頭蓋骨

凄いですよねー
何の問題を解いていたのか忘れましたねー💦

【参考図書】
知る、わかる、みえる 美術検定4級問題[入門編 introduction]  美術検定実行委員会編  株式会社美術出版社
改訂版 西洋・日本美術史の基本 美術検定1・2・3級公式テキスト 美術検定実行委員会編  株式会社美術出版社  2019
続 西洋・日本美術史の基本  美術検定実行委員会編 株式会社美術出版社  2018
増補新装 カラー版 西洋美術史  高階秀爾監修 株式会社美術出版社  2021
この絵、誰の絵? 100の名作で西洋・日本美術入門  佐藤晃子著 株式会社美術出版社  2019
366日の西洋美術 (366日の教養シリーズ)  瀧澤秀保監修  株式会社三才ブックス  2019

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