美術検定4級 過去問/Q.72~74(中世美術/鎌倉~室町時代)

Q.72
これはいつの時代の作品?
① 奈良時代
② 平安時代
③ 鎌倉時代
④ 江戸時代
出典:美術検定実行委員会・編『知る、わかる、みえる 美術検定4級問題 入門編』 (株)美術出版社 2021  p.90 
東大寺 金剛力士立像
Chris 73 / Wikimedia Commons
https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Nio_guardians_by_Unkei_in_Nara.jpg

運慶等慶派仏師
1203(建仁3)年 檜寄木造・彩色
H840㎝ 東大寺(南大門)奈良 国宝

答え ③ 鎌倉時代
奈良、東大寺南大門(国宝)の《金剛力士立像・阿形》(国宝)です。
 
鎌倉時代を代表する仏師の運慶(うんけい)や、快慶(かいけい)を中心に、総勢20名で制作されました。
 

わずか69日で造り上げられています。
寄木造(各部を別々に彫って組み合わせた技法)による分業で、短期制作が可能だったんですね。
(Q.70に出てきましたね。鳳凰堂の本尊《阿弥陀如来坐像》寄木造でした!)

使用された部材は3000個にも及ぶと!
画像は阿形像(あぎょうぞう)で、向かいに対の吽形像(うんぎょうぞう)があります。
 
阿形吽形像は、仏敵を退散させる武器・金剛杵(こんごうしょ)を持って仏法を守護する役目です。
 
 
 
「阿吽」(あうん)というのは、仏教の伝来とともに中国から日本に伝わった、インドのサンスクリット語。
 
その文字の配列が、口を開いた a(阿)から始まり、完全に閉じた m(吽)で終わることから、万物(宇宙)の始まりと終わりを意味しています♪
 
口元を見るとどっちかわかります!
 

以心伝心的に「阿吽の呼吸」と使われますが、神秘的な言葉だったんですね✨


確認はこちらで。👇

東大寺聖武天皇が建立した大寺院。
華厳宗(けごんしゅう)の総本山です。
 
東大寺の本尊は《廬舎那仏座像》(奈良の大仏)
東大寺 奈良の大仏 廬舎那仏坐像
Jakub Hałun, CC BY-SA 4.0 , via Wikimedia Commons
https://commons.wikimedia.org/wiki/File:20100716_Nara_Todaiji_Daibutsu_2292.jpg
「廬舎那仏」(るしゃなぶつ)は、宇宙の真理を知る仏様でしたね☆
Q.73
Q.72の像がある東大寺の建築様式は?
① 大仏様
② 寝殿造
③ 校倉造
④ 書院造
出典:美術検定実行委員会・編『知る、わかる、みえる 美術検定4級問題 入門編』 (株)美術出版社 2021  p.90
663highland, CC BY-SA 3.0 , via Wikimedia Commons
https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/c/c5/Todaiji06s3200.jpg

 東大寺南大門

答え ① 大仏様(だいぶつよう)
1180年、平重衡(たいらのしげひら)の焼き討ちによって、東大寺はほとんどの建物を焼失します。
 
再建したのは重源(ちょうげん)!
 
の建築様式の1つ「大仏様」が使用されました。
「だいぶつさま」ではないですよ。笑
「だいぶつよう」という様式です。
 
円柱や貫(ぬき)と呼ばれる柱が張り巡らされ、内部は天井がなく吹抜のようにすっきりとした構造です。
 
優美ではないものの、単純で合理的な構造を持つ、当時最新の技法でした✨

金剛力士像が納められている南大門も、この様式で建てられています。

他の様式も簡単に確認を ^^

② 寝殿造
平安時代に完成された貴族の住宅様式
寝殿を中心に東・西・北の対屋、釣殿、泉殿などの建物を配し、渡廊でつながれた柱だけで壁はほとんどない建物
厳島神社がそうでしたね♪
③ 校倉造(あぜくらづくり)
柱を用いずに木材を組み上げて壁とした構造。
断面が三角形の木材を平らな面を内側にして積み上げています。
弥生時代頃から倉庫などに用いられてきました。
東大寺正倉院がそうです♪
校倉造
ignis, CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons
https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/9/9b/Azekura-dukuri_JPN.JPG
③ 書院造
室町時代から近世初頭にかけて成立した住宅様式。
寝殿を中心とした寝殿造に対して、書斎を兼ねた居間を建物の中心にした武家住宅
現在の和風住宅の源流です。
Q.74
この庭のある寺はどこ?
① 清水寺
② 龍安寺
③ 法隆寺
④ 金閣寺
出典:美術検定実行委員会・編『知る、わかる、みえる 美術検定4級問題 入門編』 (株)美術出版社 2021  p.92 
龍安寺
Cquest, CC BY-SA 2.5 , via Wikimedia Commons
https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/f/fc/Kyoto-Ryoan-Ji_MG_4512.jpg
答え ② 龍安寺

京都の龍安寺(りょうあんじ)の石庭は「枯山水」の代表例です!

「枯山水」(かれさんすい)とは、水のない庭で山水の風景を表現する庭園様式。白砂や小石を水面に見立て、模様で水の流れを表現したりしています。

25x10mのこの空間には、白砂と15の大小の石が配置されています。どの位置から眺めても、必ずどこかの1つの石が見えないようになっているそう!?  すべて見える位置があるとか!?

本来日本庭園は、水を得られる場所に築くものでしたが、この枯山水様式が登場して、応仁の乱の後の復興期、京都で盛んに造られています。


龍安寺
は、細川勝元によって1450年に創建。

応仁の乱(1467-1477)によって焼失後、勝元の子、細川政元(まさもと)と、僧の特芳禅傑(とくほうぜんけつ)によって、1499年に再興されています♪

他の答えもチェックを♪

①清水寺

京都 創建778年
開基 延鎮(えんちん)
懸造り(かけづくり)日本古来の伝統工法
(格子状に組まれた木材同士が支えあって、崖などでも耐震性の高い構造が可能)

清水寺
Martin Falbisoner, CC BY-SA 4.0 , via Wikimedia Commons
https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/a/ae/Kiyomizu-dera%2C_Kyoto%2C_November_2016_-02.jpg
清水寺 懸造り
そらみみ, CC BY-SA 3.0 , via Wikimedia Commons
https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/8/80/Stage_of_Kiyomizudera_Temple_20131217-2.JPG
③ 法隆寺

奈良 創建607年
開基 推古天皇・聖徳太子
670年火災で焼失 
708~715年に再建
現存する世界最古の木造建築物群キラキラ

法隆寺
663highland, CC BY-SA 3.0 , via Wikimedia Commons
https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/1/17/Horyu-ji11s3200.jpg
④ 金閣寺

京都 創建1397年
開基 足利義満(室町幕府第3代将軍・尊氏の孫)
1950年 放火により焼失
1955(昭和30)年 再建

金閣寺
AllyUnion, CC BY-SA 3.0 , via Wikimedia Commons
https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/2/26/Golden_Pavillion_2010_03_29_41.jpg

金箔を貼った三層の楼閣建築(ろうかくけんちく/2階建て以上の建物)

一層は寝殿造 ここは金箔なし
二層は 書院造
三層が 禅宗様式(ぜんしゅうようしき)

禅宗様式とは大仏様(だいぶつよう)が装飾的になったもので、「花頭窓(花灯窓)」(かとうまど)や、屋根の反りが特徴です。

花灯窓 花頭窓
花頭窓(花灯窓)
金閣寺 花灯窓 花頭窓
Markus Leupold-Löwenthal, CC BY-SA 3.0 , via Wikimedia Commons
https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/e/ed/KinkakuJiDetail.jpg




【参考図書】
知る、わかる、みえる 美術検定4級問題[入門編 introduction]  美術検定実行委員会編  株式会社美術出版社
改訂版 西洋・日本美術史の基本 美術検定1・2・3級公式テキスト 美術検定実行委員会編  株式会社美術出版社  2019
続 西洋・日本美術史の基本  美術検定実行委員会編 株式会社美術出版社  2018
増補新装 カラー版日本美術史 辻惟雄監修 株式会社美術出版社 2020

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