美術検定4級 過去問/Q.48~54(近代美術 3/新印象主義・ポスト印象主義・世紀末美術・象徴主義)

Q.48
この作品のタイトルは?
①《ムーラン・ド・ラ・ギャレット》
②《グランド・ジャット島の日曜日の午後》
③《シテール島への巡礼》
④《草上の昼食》
出典:美術検定実行委員会・編『知る、わかる、みえる 美術検定4級問題 入門編 』 (株)美術出版社 2021  p.76
スーラ グランド・ジャット島の日曜日の午後

1884-86年 油彩・キャンヴァス
207.5x308㎝ シカゴ美術館(アメリカ)

答え ②《グランド・ジャット島の日曜日の午後》

ジョルジュ・スーラ(1859-1891)の作品ですね。

19世紀のパリの人々の行楽地のひとつ、セーヌ川の中州に浮かぶグランド・ジャット島で、余暇を楽しむ人々を描いています♪

 1888年 撮影(29歳頃)

スーラは新印象主義の創始者的存在です!

印象主義の色彩理論を、科学的に発展させた絵画運動を新印象主義といいます。

この作品の画面は、小さなドット(点)の集合体。

スーラ「点描画」という新技術を生み出しました✨

を徹底的に分析し、人間の脳の中で色が混ざるよう仕掛けを施しています!
パレットの上で絵具を混ぜずに、チューブから出した色をそのまま点で並べていき、離れて見たときに、色が混ざり合って見えるようにしています!

すごいですよね~♪

この作品の制作に2年かけています。

Q.49
この絵の背景に描かれているのは、ある国の文物です。その国はどこ?
① 中国
② アフリカ
③ タヒチ
④ 日本
出典:美術検定実行委員会・編『美術検定4級問題集-アートを楽しむ』 (株)美術出版社 2019  p.76
ゴッホ タンギー爺さん

フィンセント・ファン・ゴッホ
《タンギー爺さん》

1887年頃 油彩・キャンヴァス
92×75㎝ ロダン美術館(パリ)

答え ④ 日本

このタンギー爺さん、モンマルトルで画材店を営んでいました。

画材代金の代わりに絵を受け取ることで、貧しい画家を支援

ゴッホもお世話になったその一人です。

フィンセント・ファン・ゴッホ

ゴッホ 自画像 1855年

この絵の背景にあるのは、歌川広重歌川国貞渓斎英泉(けいさい えいせん)などの、実在した6点の浮世絵です。

 歌川広重《富士三十六景 相模川》

 歌川広重《五十三次名所図会 石楽師》

 歌川国貞《三世岩井粂三郎の三浦屋高尾》

 渓斎英泉《雲龍打掛の花魁》

 作者不詳《東京名所 いり屋》

 あと1点は未判明

当時のヨーロッパは、「ジャポニズム」と呼ばれる空前の日本ブーム✨
絵画においても、浮世絵工芸品がモチーフとして登場していました。

きっかけは日本の開国です。
欧米諸国と始まった貿易で、輸入品の包装紙として使われていた葛飾北斎『北斎漫画』が話題となり、ブームの下地になります♪

さらに日本のパリ万博への参加により、日本の文化や美術品への関心は、ますます高まっていきました。

ゴッホも、その大胆な構図の浮世絵に魅せられ、作品を集めて研究。
そのコレクションは400点もあったとか!

また、西洋絵画で人物を正面から描くというのは、宗教画で主に用いられる向きです。

おそらくゴッホは、とてもお世話になったタンギー爺さんを、聖人のように描こうとしたのだろうと考えられています✨

Q.50
これらのうちゴーギャンの作品は?

ポール・セザンヌ サント=ヴィクトワール山

ゴーガン タヒチの女たち

ゴッホ アルルのゴッホの寝室

ルソー 夢
出典:美術検定実行委員会・編『知る、わかる、みえる 美術検定4級問題 入門編 』 (株)美術出版社 2021  p.78
答え ②《タヒチの女たち》
ゴーガン タヒチの女たち

35歳で画家となったポール・ゴーガン(1848-1903)。
それまでは株の仲買人でした!

アルルでゴッホと共同生活をしますが、やがて西洋文明から離れた原始の世界を求めて、南太平洋のタヒチへ。
そこで優れた作品を生み出しています✨

1891年

この《タヒチの女たち》も、1891年にタヒチで描かれたもの。

平らな画面に、輪郭線と大きな色の面、紫、赤、緑などの鮮やかな色彩が特徴です。

西洋文化とは違う異文化を融合した独特のスタイルです。

他の作品も確認しておきます。^^

ポール・セザンヌ サント=ヴィクトワール山
①《サント=ヴィクトワール山》
1887年頃 油彩・キャンヴァス 67x92㎝
コート―ルド・インスティテュート・ギャラリー(ロンドン)

👆 次の問題で♪

ゴッホ アルルのゴッホの寝室
③ ゴッホ《アルルのゴッホの寝室》
1889年 油彩・キャンヴァス
73.6x92.3㎝ シカゴ美術館

ルソー 夢
④ ルソー《夢》
1910年頃 油彩・キャンヴァス
204.5x298.5㎝ ニューヨーク近代美術館 

Q.51
Q50の①を描いたのは
① ゴーガン
② ゴッホ
③ セザンヌ
④ モネ
出典:美術検定実行委員会・編『知る、わかる、みえる 美術検定4級問題 入門編 』 (株)美術出版社 2021  p.78
ポール・セザンヌ サント=ヴィクトワール山

①《サント=ヴィクトワール山》
1887年頃 油彩・キャンヴァス 67×92㎝
コート―ルド・インスティテュード・ギャラリー(ロンドン)

答え ③ セザンヌ

ポール・セザンヌ(1839-1906)は、伝統的な遠近法や写実性から脱却した、ポスト印象の画家です。

対象物を幾何学的に分解し、さまざまな角度から見て、再構築して描く方法を確立します。

故郷にある山を描いたという、この作品もよく見ると…
山のふもとが、単純化された形の組み合わせです!

セザンヌ サント=ヴィクトワール山 部分

この方法は、ピカソらのキュビスムへと展開し、さらに抽象絵画へと発展していくことになります✨

つまりセザンヌ抜きにして、現代美術はありえないといわれ、それゆえ「現代美術の父」と呼ばれています!

ポスト印象派とは、印象派の終わりの方とか、その後を継ぐという意味ではなく、印象派の影響をうけつつも、それを超えようと、新しいスタイルを確立していった画家たちを指します!

セザンヌゴーギャンゴッホがその代表です♪

スポンサーリンク
Q.52
この作品は何のために作られましたか?
①本の表紙
②店のポスター
③展覧会用の展示作品
④雑誌の挿絵
出典:美術検定実行委員会・編『知る、わかる、みえる 美術検定4級問題 入門編 』 (株)美術出版社 2021  p.78
lautrec-moulin-rouge-la-goulue

ロートレック《ムーラン・ルージュ》
1891年頃 リトグラフ
170x130㎝ トゥールーズ=ロートレック美術館他

答え ② 店のポスター

アンリ・ド・トゥルーズ=ロートレック(1864-1901)は、フランスの画家。

ロートレック

1894年撮影(30歳頃)

この作品は「ムーラン・ルージュ」というモンマルトルのダンスホールの、宣伝ポスターとして制作したものです!

ロートレックが27歳の時の、はじめてのポスターであり、出世作となった作品です✨

彼もまた浮世絵版画の愛好家でした!
大胆でシンプルな構図に、という限られた配色や、はっきりとした輪郭線も、その影響によるものです。

当時、カラー印刷のポスターが普及し始めた頃でしたが、ロートレックの、その絵画性の強さが人気となりました。

ポスター芸術とを、初めて結びつけたのがロートレックです♪

「ムーラン」とは、風車のこと。
「ルージュ」は、ですね。

つまり「赤い風車」✨

ムーラン・ルージュ 1900年

1900年

観客の楽しみは、毎晩10時に始まる「カンカン踊り」でした。
1889年に開店して以来、現在も営業中のキャバレーです♪

moulin-rouge-2008

2008年

ルノワールの作品に《ムーラン・ド・ラ・ギャレット》がありましたが、「ギャレットの風車」という名のダンスホール。別の風車ですよ。^^

Q.53
この作品の作者は
① クリムト
② ミュシャ
③ モロー
④ ビアズリー
出典:美術検定実行委員会・編『知る、わかる、みえる 美術検定4級問題 入門編 』 (株)美術出版社 2021  p.78
モロー 出現

《出現》
1875年頃 油彩・キャンヴァス
142×103㎝ ギュスターヴ・モロー美術館(パリ)

答え ③ モロー

ギュスターヴ・モロー(1826-1898)は、19世紀末フランスの画家。

「目に見えないものしか信じない」として、感情や精神を象徴的に描く「象徴主義」の先駆者です。

象徴主義印象派と並行して進展)

聖書や神話を題材に、抽象的な概念や、魅惑的で邪悪な女性像を描きました✨

自画像 1850年

当時、美しさで男を破滅へと導く悪女「ファム・ファタル(運命の女)」が、西洋の絵画や小説の題材として人気がありました♪

この作品は新約聖書で、父であるヘロデ王の誕生日に、踊りを披露した褒美として、洗礼者ヨハネのを望んだ王女サロメ…… この話をベースに描かれています。

この頃フランスでは、首を切り落とす「ギロチン」が普及しつつあったようで…… 生首が登場する絵を残しているのは、その影響ではないかと考えられています。

モローって、マティスルオーの先生でもありましたよ!

Q.54
この作品の作家と題名の組み合わせは?

① ムンク《叫び》
② ベックリーン《死の島》
③ デ・キリコ《街の神秘と憂鬱》
④ デルヴォー《とらわれの女》
出典:美術検定実行委員会・編『知る、わかる、みえる 美術検定4級問題 入門編 』 (株)美術出版社 2021  p.80
ムンク 叫び

1893年 油彩・テンペラ・パステル・厚紙
91.773.5㎝ オスロ国立美術館

答え ① ムンク《叫び》

エドヴァルド・ムンク(1863-1944)は、19世紀末のノルウェーの画家。

早くに身内を次々と失ったムンク。
不幸な体験が影をおとし、孤独不安をテーマに作品を描き続けました。

暗い色調うねるようなタッチが特徴ですね。

ムンク

1894年撮影

耳をふさいでいるのは(叫んではいません)ムンク自身。

日没前に赤く染まった雲を見て「自然を貫く果てしない叫び」を恐れ、それを聞くまいと耳をふさいでいます。

この《叫び》「生命のフリーズ」という連作のひとつです。

この絵のエネルギ―って、すごいですよね! 恐怖の感情がストレートに伝わります。

大胆な色彩とデフォルメされた形態、人の激しい感情や内面を、ストレートに強調した芸術運動を「表現主義」といいますが、ムンクはその生みの親と言われています。

負の感情に着目した点が独特です。

他の答えの作品も確認を ^^

ベックリーン《死の島》


ムンクと同時期に活躍したドイツの画家で、死の静寂を漂わせる作品を描いています。

ベックリーン 死の島

1900年

デ・キリコ《街の神秘と憂鬱》

ギリシア生まれのイタリア人画家。
シュルレアリスムの先駆者として、大きな影響を与えました。

デルヴォー《とらわれの女》

ごめんなさい。画像探せず。夜の宮殿を裸の女性が歩いている絵です。

似た作品がこちら👇

デ・キリコデルヴォーは、共に20世紀の画家で、日常とは違う奇妙な風景を描いています。

【参考図書】
知る、わかる、みえる 美術検定4級問題[入門編 introduction]  美術検定実行委員会編  株式会社美術出版社
改訂版 西洋・日本美術史の基本 美術検定1・2・3級公式テキスト 美術検定実行委員会編  株式会社美術出版社  2019
続 西洋・日本美術史の基本  美術検定実行委員会編 株式会社美術出版社  2018
増補新装 カラー版 西洋美術史  高階秀爾監修 株式会社美術出版社  2021
この絵、誰の絵? 100の名作で西洋・日本美術入門  佐藤晃子著 株式会社美術出版社  2019
芸術教養シリーズ6 盛期ルネサンスから十九世紀末まで 西洋の芸術史 造形篇II  水野千依編  株式会社幻冬舎  2013

error:このコンテンツのコピーは禁止されています。