美術検定4級 過去問/Q.80~84(近世美術2/江戸時代中期・後期)

Q.80
浮世絵《見返り美人図》の作者は?

① 歌川広重
② 喜多川歌麿
③ 菱川師宣
④ 葛飾北斎
出典:美術検定実行委員会・編『知る、わかる、みえる 美術検定4級問題 入門編』 (株)美術出版社 2021  p.94
菱川師宣 見返り美人

江戸時代 絹本著色 
63x31.2㎝ 東京国立博物館

答え ③ 菱川師宣
菱川師宣(ひしかわもろのぶ)は、江戸時代の浮世絵師
菱川師宣 自画像

師宣自画像(『鹿野武左衛門口伝咄』より) 

それまで絵入本の挿絵でしかなかった浮世絵版画を、鑑賞する絵画作品へと高めました!
 
この《見返り美人図》肉筆画
戦後の記念切手の第一号として、5円切手の図柄となり有名となった作品です♪
 
 歩みの途中で
 ふと足を止めて振り返る…
 紅色に菊と桜の刺繍の着物…
 
当時流行の「吉弥結び(きちやむすび)」という帯の結び方です。

印象的ですね~✨

 
師宣井原西鶴の処女作『好色一代男』の挿絵でも知られ、生涯において100種以上の絵本や、50種以上の好色本に筆をとっています。
 
 
他の答えの作家、歌川広重  喜多川歌麿  葛飾北斎については、今後の問題の時に ^^
Q.81
現在宮内庁に所蔵されている《動植綵絵》の作者は?

① 長沢芦雪
② 曾我蕭白
③ 円山応挙
④ 伊藤若冲
出典:美術検定実行委員会・編『知る、わかる、みえる 美術検定4級問題 入門編』 (株)美術出版社 2021  p.94
伊藤若冲 南天雄鶏図 動植綵絵
《南天雄鶏図》(動植綵絵)
1757-66年頃 
絹本著色 金 全30幅
各141.8~141.9×79~79.8㎝ 
宮内庁三の丸尚蔵館
答え ➃ 伊藤若冲
伊藤若冲(いとうじゃくちゅう)は、江戸時代中期に活躍した絵師。
「奇想の画家」と言われます。
 
この作品は動植綵絵(どうしょくさいえ)のひとつ《南天雄鶏図》(なんてんゆうけいず)です。
赤い実のなる南天を背に、威容を誇る黒い軍鶏!
伊藤若冲 若冲居士像

若冲居士像 相国寺蔵

京都の青物問屋の主人だった若冲
画業に専念するために、弟にその立場を譲ったのが40歳のとき。
 
その後10年近くをかけて《動植綵絵》を描き、京都の相国寺(しょうこくじ)に寄進します✨
 
後に皇室に納められることにより、困窮の相国寺を救いました。
書画掛け軸などを数えるときは、幅(ふく)をつかいます。
1幅(いっぷく) 2幅(にふく)と読みます♪
 
絹本著色(けんぽんちゃくしょく)はに描かれたもので、
に描かれたものが紙本著色(しほんちゃくしょく)です。
 
著色(ちゃくしょく)は着色とも書かれます。

他の答えの作家もざっくりと ^^

① 長沢芦雪(ながさわろせつ)
江戸時代の絵師
円山応挙の弟子
大胆な構図に斬新なクローズアップ
伊藤若冲と並ぶ「奇想の画家」の一人
長沢芦雪 虎図

《虎図》 錦江山無量寺障壁画(和歌山) 重要文化財

② 曽我蕭白(そがしょうはく)
江戸時代中期の水墨画の絵師
強烈な画風で「奇想の画家」のもう一人
曽我蕭白 蝦蟇・鉄拐仙人図

《蝦蟇・鉄拐仙人図》 メトロポリタン美術館

③ 円山応挙(まるやまおうきょ)
江戸時代中期~後期の絵師
円山派の祖
写生を重視した親しみやすい画風
 
こちらはまた今後の問題の時に♪
Q.82
この禅画を描いた禅僧は?
① 白隠
② 仙崖
③ 南天棒
④ 月僊
出典:美術検定実行委員会・編『知る、わかる、みえる 美術検定4級問題 入門編』 (株)美術出版社 2021  p.96

こちらで作品の確認を👇

 《達磨図》(だるまず)
 江戸時代 紙本着色 119x112㎝ 萬壽寺(大分)
答え ➃ 白隠
臨済宗の禅僧である白隠慧鶴(はくいん えかく)の禅画です。
白隠 自画像

自画像 1767年

白隠は禅修行で諸国を行脚して、32歳で故郷の駿河国原宿(現 静岡県沼津市)に帰ります。
 
84歳で亡くなるまで、松陰寺(しょういんじ)の住職を務めました。
 
残っている書画の多くは60歳以降のもの!
禅の教えを広める手段として、絵を数多く描きました。
 

「達磨」
(だるま)は、禅宗の開祖である「菩提達磨」(ぼだいだるま)のこと✨
 
壁に向かって9年の座禅を続けたことで、手足が腐ったという伝説にちなみ…手足のないだるまが作られるようになりました!(そうだったんですね~)

他の答えの作家は ^^

② 仙厓義梵(せんがいぎぼん)
江戸時代後期の禅僧、画家
白隠が60歳の半ば頃に生れています
博多聖福寺(しょうふくじ)を拠点に活躍
禅味あふれる絵画で知られます
仙厓 義梵 〇△□

《○△□》 出光美術館

③ 南天棒(なんてんぼう)
中原鄧州(なかはらとうしゅう)のこと
明治から大正にかけて活動した臨済宗の僧侶
南天棒
《南天棒を象った鄧州の所》
カウンティ美術館(ロサンゼルス)
➃ 月僊(げっせん)
江戸時代中期~後期にかけて活躍した画僧
浄土宗の僧となり、10代で江戸増上寺で月僊の号を与えられます
円山応挙や蕪村の影響を受けながら独自の画風を確立
山水・人物を得意とします
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Q.83
《鳶鴉図》を描いた与謝蕪村は画家の他に何として高名だったか?
① 儒学者
② 読本作家
③ 俳諧師
④ 博物学者
出典:美術検定実行委員会・編『知る、わかる、みえる 美術検定4級問題 入門編』 (株)美術出版社 2021  p.96 
与謝蕪村  鳶鴉図

18世紀後半 紙本墨画淡彩
北村美術館(京都) 重要文化財

答え ③ 俳諧師
与謝蕪村(よさぶそん)は、松尾芭蕉小林一茶と並んで称される、江戸時代中期の俳人・画家
与謝蕪村

与謝蕪村(呉春作)

絵画はほぼ独学で、中国のさまざまな画風や日本の伝統を学ぶなどして、独自の世界を創り上げています!
 
《鳶鴉図》(とびからすず)は、厳しい自然の中にたたずむ一羽の鳶(とび)と、寄り添う二羽の鴉(からす)の姿です。
Q.84
《虎図襖絵》を描いた長沢芦雪は誰の弟子?
① 狩野典信
② 伊藤若冲
③ 曾我蕭白
④ 円山応挙
出典:美術検定実行委員会・編『知る、わかる、みえる 美術検定4級問題 入門編』 (株)美術出版社 2021  p.96 
長沢芦雪 虎図
長沢芦雪 《虎図》
1786年 紙本墨画 全6面のうちの2面
無量寺・串本応挙芦雪館(和歌山) 重要文化財
答え ➃ 円山応挙
長沢芦雪(ながさわろせつ)は、円山応挙(まるやまおうきょ)に学びました。
 
芦雪は、応挙に倣った穏やかな画風の一方、大胆で奇想に富んだ作品を展開した「奇想の絵師」です♪
 

この「虎」の向いには、対峙するように「龍」の襖絵があります!
 
そして「虎」の裏側には、この虎と同じ姿勢をした「猫」が水中の魚を狙っている様子が描かれています✨
 
大きな「虎」はまさに、「水中の魚目線で見た猫の姿」だとも言われています。
 
当時まだ日本に虎はいませんでした。
中国画や毛皮、猫を参考に描いたそう!
そんな芦雪が師と仰いだのが
円山応挙(まるやまおうきょ)!
円山応挙
日本の画家のなかでも際立って「写生」を重視した画家です。
 
20代の修行期には、京都で「眼鏡絵」の制作に携わります。
 
「眼鏡絵」とは、西洋の遠近法を応用して描いたもので、これを「覗き眼鏡」という凸レンズ嵌めた箱を通して見ると、立体的にみえるというもの♪
 
その経験や技術をベースに描く、装飾性豊かで親しみやすい作品は、大衆に絶大な人気でした✨
 
応挙は「円山四条派」の祖とされます。
円山応挙 雪松図屏風 左隻
《雪松図屏風》左隻
三井記念美術館(東京) 国宝
円山応挙 雪松図屏風 右隻
右隻

美しいですね~✨

無量寺のサイトでは、精密なデジタル再製画で、芦雪や応挙の作品を含む襖絵・壁画55面を詳しく見ることができます!すばらしいですよ 👇 ^^



【参考図書】
知る、わかる、みえる 美術検定4級問題[入門編 introduction]  美術検定実行委員会編  株式会社美術出版社
改訂版 西洋・日本美術史の基本 美術検定1・2・3級公式テキスト 美術検定実行委員会編  株式会社美術出版社  2019
続 西洋・日本美術史の基本  美術検定実行委員会編 株式会社美術出版社  2018
増補新装 カラー版日本美術史 辻惟雄監修 株式会社美術出版社 2020
この絵、誰の絵? 100の名作で西洋・日本美術入門  佐藤晃子著 株式会社美術出版社  2019

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