美術検定4級 過去問/Q.33~35(ロココ美術)

下の作品を描いたのは
① フラゴナール
② ヴァトー
③ プーシェ
④ シャルダン
出典:美術検定実行委員会・編『知る、わかる、みえる 美術検定4級問題 入門編 』 (株)美術出版社 2021  p.68
ヴァトー シテール島の巡礼

《シテール島の巡礼》
1717年 油彩・キャンヴァス
129×194㎝ ルーブル美術館(パリ)

答え ② ヴァトー

この作品はアントワーヌ・ヴァトー(1684-1721)の中期の代表作。
エリート芸術家が集まるアカデミーへの、入会が認められた作品です。

ロザルバ・カリエラ
《アントワーヌ・ヴァトーの肖像》
1921年

「雅宴画(がえんが)」という新たなジャンルも創設され、ヴァトーは「雅な宴の画家」と呼ばれます。

18世紀のヨーロッパはロココの時代。曲線的で装飾的、甘美な色彩で、男女の官能をテーマにした作品が目立つようになります。

シテール島とは地中海のキティラ島のことで、フランス語でシテールと呼ばれます。

どこかというと……

シテール島 キティラ島 地図

ミロのヴィーナスが発見された、ミロス島の近くでした!

シテール島は、愛の女神ヴィーナスが流れ着いた場所とされ、女神と愛の聖地です♡ この島を独身者が巡礼すると、よい伴侶に出会えるといわれました。

この絵は、若い男女が巡礼を終えて、帰路につくまでの様子が描かれています。

甘美な色彩で描かれたヴァトーの夢幻的な世界は、ロココ絵画の基調を決定づけるものとなりました。

4級 過去問/Q.34

ベルサイユ宮殿がある国はどこ
① フランス
② スイス
③ オーストリア
④ ベルギー
出典:美術検定実行委員会・編『知る、わかる、みえる 美術検定4級問題 入門編 』 (株)美術出版社 2021  p.70
ベルサイユ宮殿
ToucanWings, CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons
https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/1/17/Vue_a%C3%A9rienne_du_domaine_de_Versailles_le_20_ao%C3%BBt_2014_par_ToucanWings_-_Creative_Commons_By_Sa_3.0_-_29.jpg
答え ① フランス

ヴェルサイユ宮殿は、1661年から20年以上かけて造られました。政治から文化まで、ルイ14世の権力の象徴です。

主要部分の設計は、マンサール(フランス後期バロック建築の第一人者)と、ル・ブラン(ルイ14世の第一画家として内装を担当)

ベルサイユ宮殿
ToucanWings, CC BY-SA 3.0 , via Wikimedia Commons
https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/e/e7/Vue_a%C3%A9rienne_du_domaine_de_Versailles_par_ToucanWings_-_Creative_Commons_By_Sa_3.0_-_018.jpg

庭園はアンドレ・ル・ノートルが設計。
フランス式庭園を完成させた造園家です。

数学幾何学を庭づくりに取り入れ、美しく整備された庭を創っています。噴水庭園には宮殿建設以上の労力が費やされています。

ベルサイユ宮殿 庭園
Urban at French Wikipedia, CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons
https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/a/a1/Orangerie.jpg
ベルサイユ宮殿 噴水 庭園
Goldmund100, CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons
https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/a/a4/Park_of_Versailles_main_view.jpg

このヴェルサイユ宮殿は、ヨーロッパ中の宮殿建築に大きな影響を与えました。

壮大ですね~

4級 過去問/Q.35

スペインの画家ゴヤが描いた裸婦画の作品名は?
①《オランピア》
②《鏡を見るヴィーナス》
③《グランド・オダリスク》
④《裸のマハ》
出典:美術検定実行委員会・編『知る、わかる、みえる 美術検定4級問題 入門編 』 (株)美術出版社 2021  p.70
裸のマハ ゴヤ

フランシスコ・デ・ゴヤ
1797-1800年頃 油彩・キャンヴァス
98×191㎝ プラド美術館(マドリード)

答え ④《裸のマハ》

描いたのは、フランシスコ・デ・ゴヤ(1746-1828)

ゴヤ

《フランシスコ・ゴヤの肖像画》
ヴィセンテ・ロペス・ゴ・ポルタ―ニャ画
1826年 油彩
93×75㎝ プラド美術館

43歳で新王カルロス4世の宮廷画家となり、ようやくスペイン最高の画家として地位を得ます。

しかし46歳の時、不治の病で聴力を失い……

ゴヤの代表作と言われる作品は、聴力を失った後の、後半生に描かれたものです!

そしてこの《裸のマハ》は、厳格なカトリック教国であったスペインでは、大問題の作品となり、プラド美術館の地下に100年もしまわれていた作品です。

《裸のマハ》についてはこちらでも👇

他の作品を古い順に!

《鏡を見るヴィーナス》
ベラスケス 鏡を見るヴィーナス

ディエゴ・ベラスケス
1647-51年頃 油彩
122×177㎝ ナショナルギャラリー(ロンドン)

《グランド・オダリスク》
アングル グランド・オダリスク

ドミニク・アングル
1814年 油彩
91×162㎝ 
ルーブル美術館(パリ)

《オランピア》
edouard-manet-olympia

エドゥアール・マネ
1863年 油彩・キャンヴァス
130×190㎝ オルセー美術館(パリ)

【参考図書】
知る、わかる、みえる 美術検定4級問題[入門編 introduction]  美術検定実行委員会編  株式会社美術出版社
改訂版 西洋・日本美術史の基本 美術検定1・2・3級公式テキスト 美術検定実行委員会編  株式会社美術出版社  2019
続 西洋・日本美術史の基本  美術検定実行委員会編 株式会社美術出版社  2018
増補新装 カラー版 西洋美術史  高階秀爾監修 株式会社美術出版社  2021
この絵、誰の絵? 100の名作で西洋・日本美術入門  佐藤晃子著 株式会社美術出版社  2019
芸術教養シリーズ6 盛期ルネサンスから十九世紀末まで 西洋の芸術史 造形篇II  水野千依編  株式会社幻冬舎  2013

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