Ocdp, CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons
https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Jigoku_no_mon.jpg
カルポー
《フローラの勝利》
1866年 ルーヴル宮のパヴィオン・ド・フロール南ファザードの装飾彫刻(パリ)
https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Paris_-_Palais_du_Louvre_-_PA00085992_-_2015_-_014.jpg
ロココ美術の優雅さに、カルポー独自の生き生きとした動きが融合した作品です。あまりに自然主義的な肉付けだったため、モデルから直接型をとったという中傷を受けたそう。
https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Jean-baptiste_carpeaux,_la_danse,_1869,_01.JPG
《舞踏(ダンス)》(La Dance)
1869年 オペラ座正面装飾(パリ)
https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Detall3_%C3%B2pera_de_par%C3%ADs.jpg
《舞踏(ダンス)》は、パリ・オペラ座(ガルニエ宮)の正面装飾として制作されました。歓喜に満ちた人物群が躍動し、生命感あふれる表現です。
《ウゴリーノと息子たち》
1860-62年頃 オルセー美術館(パリ)
ダンテ『神曲』に登場するウゴリーノ伯爵と息子たちを題材にした作品です。飢えと絶望の中で苦悩する人間の姿を、激しく繊細に表現。のちにロダンにも大きな影響を与えました。
バルトルディ
フレデリック・オーギュスト・バルトルディ
Frédéric Auguste Bartholdi
1834年8月2日 – 1904年10月4日
フランス
記念碑的造形を得意とした。象徴性と構築的デザインを融合させた monumental sculpture(記念彫刻)の代表的存在。
《自由の女神像》
1886年 ニューヨーク
https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Statue_de_la_Libert%C3%A9_2008.jpg
https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Liberty_Island_-_NYC_-_Usa2011.jpg
アメリカ・ニューヨークに建てられたこの巨大彫像は、自由と希望の象徴として世界に知られていますね。芸術と建築技術を融合させた、近代記念彫刻の代表作です。
ロダン
オーギュスト・ロダン
Auguste Rodin
1840年11月12日 – 1917年11月17日
フランス
19世紀後半を代表する彫刻家。近代彫刻の父と呼ばれる。人間の感情や肉体の動きを写実的、劇的に表現。次世代の作家たちに大きな影響を与えた。
https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Statue_bourgeois_calais_rodin.jpg
《カレーの市民》 1884-88年
https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Les_Bourgeois_de_Calais_-_4_-_detail.jpg
https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Les_Bourgeois_de_Calais_-_5_-_detail.jpg
《カレーの市民》は、フランスの百年戦争で町を救った英雄たちの群像です。誇張を排して、苦悩と誇りに満ちた人間の感情をリアルに表現しています。1889年のパリ万国博覧会で発表され、近代彫刻を象徴する傑作となりました。
https://commons.wikimedia.org/wiki/File:National_museum_of_western_art02_1024.jpg
《地獄の門》
1880-1917年 国立西洋美術館(上野)
《地獄の門》は、ダンテ『神曲』の地獄篇に着想を得た巨大な扉の彫刻です。無数の人々が苦悩の中でうごめく構図は、人間の絶望と情熱を象徴しています。《考える人》もこの門から生まれました。
クリンガー
マックス・クリンガー
Max Klinger
1857年2月18日 – 1920年7月5日
ドイツ
彫刻家・版画家。象徴主義の流れの中で、人間の夢や幻想、運命をテーマに多様な表現を試みた。彫刻・絵画・版画を横断する独自の世界観で知られる。
《ベートーヴェン》
1902年 大理石
ライプツィヒ美術館
楽聖ベートーヴェンを神話の英雄のように表現した作品です。クリンガーは複数の素材を使って、彫刻だけでなく展示空間や装飾までを意識した造形に挑みました。象徴主義を代表する作品のひとつです。
ロッソ
メダルド・ロッソ
Medardo Rosso
1858年6月21日 – 1928年3月31日
イタリア
光と影による印象を重視して、形を溶かすような柔らかな表現で近代彫刻の先駆けとなる。ロダンにも影響を与えた存在。
https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Medardo_rosso,_ecce_puer,_1905.jpg
《この子を見よ》
1906年
幼い子どもの顔をやわらかくとらえ、光と影の中に一瞬の感情を映し出した作品です。形が溶けるような表現が印象的です。
ブールデル
アントワーヌ・ブールデル
Antoine Bourdelle
1861年10月30日 – 1929年10月1日
フランス
ロダンの弟子として学びながら、より構築的で力強い造形を追求。古代神話や英雄を題材に、内面的な緊張感を表す作品を多く残す。
https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Stockholm._Waldemarsudde._Herakles_(3).JPG
《弓をひくヘラクレス》 1909年
https://commons.wikimedia.org/wiki/File:T%C3%AAte_d%27H%C3%A9rackl%C3%A8s_archer_Mus%C3%A9e_Antoine_Bourdelle_%C3%A0_Paris.JPG
神話の英雄ヘラクレスを題材に、極限まで緊張した肉体と精神の力を表現した、力強い作品です。
マイヨール
アリスティード・マイヨール
Aristide Maillol
1861年12月8日 – 1944年9月27日
フランス
女性像を中心に、簡潔で安定感のあるフォルムを追求。量感と静けさに満ちた造形は、後の彫刻表現に大きな影響を与えた。
《地中海》1902-05年
静けさと均整の美を象徴する女性像です。動きのない安定したフォルムが、マイヨールの理想とする「内なる調和」を体現しています。
この像は、後に故郷バニュルス=シュル=メールにあるマイヨールの墓碑にも用いられました。
【参考図書】
改訂版 西洋・日本美術史の基本 美術検定1・2・3級公式テキスト 美術検定実行委員会編 株式会社美術出版社 2019
続 西洋・日本美術史の基本 美術検定実行委員会編 株式会社美術出版社 2018
増補新装 カラー版 西洋美術史 高階秀爾監修 株式会社美術出版社 2021
カラー版 1時間でわかる西洋美術史 (宝島社新書) 宮下規久朗著 宝島社 2018
366日の西洋美術 (366日の教養シリーズ) 瀧澤秀保監修 株式会社三才ブックス 2019
芸術教養シリーズ6 盛期ルネサンスから十九世紀末まで 西洋の芸術史 造形篇II 水野千依編 株式会社幻冬舎 2013
