美術検定3級 過去問/Q.68-70(ロココ美術1)

ロココ美術の特徴を説明しているのは?
① ヴェルサイユ宮殿に代表される壮大で調和の取れた構成
② 金工、服飾、陶磁器など華麗な工芸装飾
③ 知性と理性、秩序を重んじる絵画が規範
④ 庶民的で親しみやすく感覚的な要素を重んじた
出典:美術検定実行委員会・編『美術検定3級問題集-知る、わかる、みえる』 (株)美術出版社 2021  p.44
楕円形の間 パリ国立古文書館
https://es.m.wikipedia.org/wiki/Archivo:Parigi,_H%C3%B4tel_de_Soubise_(23).JPG

 楕円形の間 パリ国立古文書館  

答え ② 金工、服飾、陶磁器など華麗な工芸装飾

18世紀、ルイ15世統治下のフランスを中心に、欧州各地を席巻したロココ美術。窮屈で威圧的だったルイ14世の絶対王政に対する反動で、軽妙で甘く優美な装飾が流行しました。

「ロココ」とは、変わった形の岩や貝殻をかたどった装飾を指すフランス語「ロカイユ」に由来します。

建築や絵画、彫刻とともに金工、服飾、陶磁器など、華麗な工芸装飾が発達。

建築では、白地に金の曲線の室内装飾。上の「楕円形の間」のように、愛の物語を描いた絵画や、キューピッドの浮彫などが特徴です。

家具では、小型で曲線 曲面が多用されます。
象嵌寄せ木細工など、意匠を凝らした華やかな家具がつくられました。

箪笥 シャルル・クレッサン
Charles Cressent, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons
https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Charles_Cressent,_Chest_of_drawers,_c._1730_at_Waddesdon_Manor.jpg

シャルル・クレッサン
箪笥 
1730年

磁器では、セーヴルがドイツのマイセンと並んで、その質と量を高めています。

セーヴル ルイ16世のためにつくられた花瓶

ルイ16世のためにつくられた花瓶 1740年

庭園では、古代風のテイストとも融合。
こちらはマリー・アントワネットが、ヴェルサイユ宮殿内に造らせた「愛の神殿」。

愛の神殿 1778年
Starus, CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Temple_de_l%27Amour_(1).jpg

 愛の神殿 1778年

貴族だけでなく、市民階級がパトロンとして芸術を支えました。
女性的で親しみやすく、気ままで甘美、感覚的なものを重んじたロココ期。フランス革命のすぐ手前の時代です。

3級 過去問/Q.69

《食前の祈り》をはじめ、庶民の生活や静物を主要なテーマとしたロココ期の画家は?
① ヴァトー
② モーリス=カンタン・ド・ラ・トゥール
③ フラゴナール
④ シャルダン
出典:美術検定実行委員会・編『美術検定3級問題集-知る、わかる、みえる』 (株)美術出版社 2021  p.44
シャルダン 食前の祈り

《食前の祈り》
1740年 油彩・キャンヴァス
49.5×38.5㎝ ルーブル美術館(パリ)   

答え ➃ シャルダン
ジャン・シオメン・シャルダン(1699-1779)
シャルダン 自画像

《眼鏡を掛けた自画像》
1771年 パステル
46×37.5㎝ 
ルーブル美術館(パリ)

シャルダンは、ロココ期のフランスの画家ですが、宮廷や貴族たちの甘美な世界ではなく、市民の日常生活の1場面や、静物画を主なテーマとしました。

《食前の祈り》は、食事の前に神へ感謝の祈りを捧げるよう、母親が娘を躾けている場面。18世紀のフランスの中流市民の暮らしが描かれています。

代表作

シャルダン シャボン玉

《シャボン玉》
1734年 油彩・キャンヴァス
93×74.6㎝ ナショナル・ギャラリー(ワシントン)

奥から少年がのぞいています♪

シャルダン ラケット(羽根)を持つ少々

《ラケット(羽根)を持つ少女》
1737年 油彩・キャンヴァス
81×65㎝ 個人蔵

羽根もオシャレ♪

シャルダン キッチンメイド

《キッチンメイド》
1738年 油彩・キャンヴァス
46.2×27.5㎝ ナショナル・ギャラリー(ワシントン)

シャルダン 赤えい

《赤エイ》
1728年 油彩・キャンヴァス
114×146㎝ ルーブル美術館(パリ)

シャルダン 銀のゴブレットとりんご

《銀のゴブレットとりんご》
1768年頃 油彩・キャンヴァス
33×41㎝ ルーブル美術館(パリ)

経済力を高めた市民階級が、芸術に目覚めた時期でもあり、静物画風俗画の需要が高まります。
シャルダンの優雅さと、写実性をそなえた静かな作品は評価が高く、この時代 希有な存在でした。

ついにはルーブル宮殿に、アトリエ兼住居を授かります!
風俗画家として異例のことでした。

3級 過去問/Q.70

18世紀フランスで「雅宴画」(がえんが)を確立し、ロココ絵画の代表画家とされるのは誰?
① ヴァトー
② フラゴナール
③ コロー
④ ブーシェ
出典:美術検定実行委員会・編『美術検定3級問題集-知る、わかる、みえる』 (株)美術出版社 2021  p.46
ヴァトー シテール島への巡礼

《シテール島への巡礼》
1717年 油彩・キャンヴァス
129×194㎝
 ルーブル美術館(パリ)   

答え ① ヴァトー

アントワーヌ・ヴァトー(1684-1721)

アントワーヌ・ヴァトー

《アントワーヌ・ヴァトーの肖像》
1721年 ロサルバ・カリエラ画

幻想的で豊かな色彩。
上流階級の男女の恋の戯れをテーマとしたヴァトーの絵は、「雅宴画」(フェート・ギャラント)という新しいジャンルを生みました。

《シテール島の巡礼》の詳細は、4級Q.33を!

ヴァトーのその他の代表作は

ヴァトー ピエロ

《ピエロ》
1718年 油彩・キャンヴァス
184.5×149.5㎝ ルーブル美術館(パリ)

antoine-watteau-the-love-song

《愛の賛歌》
1717年 油彩・キャンヴァス
129×194㎝ ナショナル・ギャラリー(ロンドン)

他の答えの作家も確認しておきます♪

フランソワ・ブーシェ(1703-1770)
ブーシェ

《フランソワ・ブーシェの肖像》
1741年 グスタフ・ルンドベリ画

ヴァトーの死後、ルイ15世の時代を代表するのがブーシェです。

ポンパドゥール夫人(ルイ15世の寵姫)に庇護されて、様々な分野で才能を発揮。開放的で明るい官能性です。

ブーシェ ヴィーナスの勝利

《ヴィーナスの勝利》
1740年 油彩・キャンヴァス
130×162㎝ スウェーデン国立美術館(ストックホルム)

ブーシェ ポンパドゥール夫人

《ポンパドゥール夫人》
1756年 油彩・キャンヴァス
317.5×244㎝ アルテ・ピナコーテク(ミュンヘン)

ジャン・オノレ・フラゴナール(1732-1806)
フラゴナール
自画像 1760~70年頃

ロココ盛期~末期にかけて活躍。
甘美で官能的。時には挑発的ともいえる風俗画を描いています。

フラゴナール ぶらんこ

《ぶらんこ》
1767-69年 油彩・キャンヴァス
81×64㎝ ウォレス・コレクション(ロンドン) 

フラゴナール 逢引き

《逢引き》
1771-72年 油彩・キャンヴァス
317.5×244㎝ フリック・コレクション(NY)

ジャン=バティスト・カミーユ・コロー(1796-1875)
コロー

ナダール撮影

19世紀に活躍したバルビゾン派で、近代風景画を切り開いた写実主義の画家です。

コロー モルトフォンテーヌの思い出

《モルトフォンテーヌの思い出》
1864年 油彩・キャンヴァス
65×89㎝ ルーブル美術館(パリ)

美しい絵ばかりでしたね~✨

【参考図書】
知る、わかる、みえる 美術検定3級問題[基本編 basic] 美術検定実行委員会編  株式会社美術出版社  2021
改訂版 西洋・日本美術史の基本 美術検定1・2・3級公式テキスト 美術検定実行委員会編  株式会社美術出版社  2019
この絵、誰の絵? 100の名作で西洋・日本美術入門  佐藤晃子著  株式会社美術出版社  2019

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