
《陽気な酒飲み》
1628-30年頃 油彩・キャンヴァス
81×66.5㎝ アムステルダム国立美術館

オランダの肖像画で、モデルの心理描写に傑出したのは、レンブラントとハルス(1581-1666)です。
ハルスはハーレムを拠点に活動し、貧しくも屈託なく生きる庶民から、都市の裕福な市民まで、幅広く作品の対象としました。
大胆な筆触を生かして、人の瞬間的表情をとらえるのが特徴的です。
様々な肖像画・集団肖像画・風俗画を描いています。
その他の代表作

《ハールレムの聖ゲオルギウス市民隊幹部の宴会》
1616年 油彩・キャンヴァス
フランス・ハルス美術館(オランダ)

《若い女性(ジプシーガール)》
1628-30年頃 油彩・板
58×52㎝ ルーブル美術館(パリ)

《笑う少年》
1625年頃 油彩・板
30.4×30.4㎝ マウリッツハイス美術館(オランダ)
ハルスは、笑っている人物像を多く描いたことから、「笑いの画家」と呼ばれました。
何だかホッと癒されますね♪
3級 過去問/Q.64

《手紙を読む女》
1663年頃 油彩・キャンヴァス
46.5×39㎝ アムステルダム国立美術館

自画像と思われる人物
17世紀のオランダで活躍。
現存する作品は約35点ほどで、その大半が風俗画です。
1人か2人の日常のひとコマを、簡潔な構図で描いています。
繊細な柔らかい光の中、知的な室内画ですね。
その他の代表作

《地理学者》
1668-69年 油彩・キャンヴァス
52×45.5㎝ シュテーデル美術館(フランクフルト)

《音楽の稽古》
1662-65年頃 油彩・キャンヴァス
74.5×64㎝ ロイヤル・コレクション(セント・ジェームズ宮殿/ロンドン)
3級 過去問/Q.65
16世紀、スペイン領となったネーデルラントは、16世紀末に北部で独立運動が起き、ネーデルラント連邦共和国(オランダ)として独立します。
貿易産業で裕福になった市民が、宮廷や教会に代わって芸術の支援者、パトロンとなります。
市民の多くは、聖像を否定するプロテスタント。宗教画よりも、風景画・風俗画・静物画 が好まれました。
そこへこれまでの伝統である、緻密な写実描写が加わっています。
風景画で活躍したのが


《ワイク・バイ・ドゥールステーデの風車》
1668-70年頃 油彩・キャンヴァス
83×101㎝ アムステルダム国立美術館
静物画では


《中国陶器と杯のある静物》
1662年 油彩・キャンヴァス
79×67㎝ ティッセン・ボルネミッサ美術館(マドリード)
日常的な静物画は、この時代に生れたジャンルです!
3級 過去問/Q.66

《大工聖ヨセフ》
1640年頃 油彩・キャンヴァス
137×102㎝ ルーブル美術館(パリ)
ラ・トゥール(1593-1652)は、国王ルイ13世付きの宮廷画家で「夜の画家」と呼ばれました。
光の効果を巧みに使い、明暗の対比を強調しています。
この作品《大工聖ヨセフ》は、ラ・トゥール没後、作者不詳のままフランス各地で保管されていたもの。確認されたのは20世紀に入ってからのことです。
もう少し詳しくはこちらを👇
3級 過去問/Q.67

《アルカディアの牧人たち》
1638-40年 油彩・キャンヴァス
85×121㎝ ルーブル美術館(パリ)
二コラ・プッサン(1594-1665)

17世紀のフランス絵画を代表する画家の一人。
バロック全盛期に活躍しましたが、激しい感情や劇的な明暗表現をおさえて、厳格な古典主義様式を採り入れています。
古代ローマの美術を理想とする、洗練された優雅さを追求しました。
王立アカデミーにおいては、古代やラファエロと並んで、芸術の規範とされました。
「アルカディア」とは、古代ギリシアにあったとされる理想郷のこと。
石棺にラテン語で刻まれた文字を並べ替えると、違う意味になるようで、秘密が隠された暗号ではないかとも言われています!
この時代、ニコラ・プッサンと共に活躍したのが、

フランス・ロレーヌ地方の出身で「ロラン」と呼ばれました。
生涯の大半はローマで過ごしています。

《シバ女王の乗船(海港 シバの女王の上陸)》
1648年 油彩・キャンヴァス
149×196㎝ ナショナル・ギャラリー(ロンドン)
太陽の光を受けて輝く海面や建物……
空を描くことにこだわり、理想風景を追求しました。
後にイギリスロマン主義のターナーが、超えようと目指したのが、このロランでした!
【参考図書】
知る、わかる、みえる 美術検定3級問題[基本編 basic] 美術検定実行委員会編 株式会社美術出版社 2021
改訂版 西洋・日本美術史の基本 美術検定1・2・3級公式テキスト 美術検定実行委員会編 株式会社美術出版社 2019
この絵、誰の絵? 100の名作で西洋・日本美術入門 佐藤晃子著 株式会社美術出版社 2019