3級 過去問/Q.121
![mondrian-composition-1921 モンドリアン コンポジション](https://sxsxs.blog/wp-content/uploads/elementor/thumbs/mondrian-composition-1921-q5tmtw6p80bkj43qgtpr4dpt2hajmtvw4evknme1zg.jpg)
1921年 油彩・キャンヴァス
59.5×59.5㎝ デンハーグ美術館(オランダ)
![モンドリアン](https://sxsxs.blog/wp-content/uploads/2023/05/piet-mondrian-224x300.jpg)
オランダ出身の抽象画家。
キュビスムを経て「新造形主義」に至ります。
それは自然を、その最も根源的な原理まで遡ることによって行きつく、垂直線と水平線の構図に、3原色である青・赤・黄と、白と黒を組み合わせるという美学です。
それはモンドリアンにとって、宇宙の調和を表現する構成原理でした。
![デ・ステイル 創刊](https://sxsxs.blog/wp-content/uploads/2023/05/de-stijl-vol.-1-194x300.jpg)
第1号(表紙デザイン ヴィルモス・ハスザー)
自らの芸術理論を「新造形主義」と名付けて、デ・ステイルというグループも結成します。
「ステイル」とはオランダ語で「様式」で、英語では 「Style」、 スタイルですね。
抽象美術が単純で癖のない形態であることや、自由な線と原色などを、従来の具象美術と対比させて、その優位性を示そうとしました。
![piet-mondrian-broadway-boogie-woogie モンドリアン《ブロード・ウェイ・ブギウギ》](https://sxsxs.blog/wp-content/uploads/elementor/thumbs/piet-mondrian-broadway-boogie-woogie-q5tn2wh0punhsl0ov7w1ilvu0ew6eenaczy38318dc.jpg)
《ブロード・ウェイ・ブギウギ円卓》
1942-43年 油彩・キャンヴァス
127×127㎝ ニューヨーク近代美術館
![mondriaan-mode mondriaan-mode](https://sxsxs.blog/wp-content/uploads/elementor/thumbs/mondriaan-mode-q5tn7ohhgj6yt82tys8rowh6pxccj0m60nby1py6qo.jpg)
1966年
モンドリアンの考えは、絵画、デザイン、建築など、幅広い分野で取り入れられ、現在のデザインの基礎となっています。
イヴ・サン=ローランの「モンドリアン・ルック」も、影響をうけた一つです。
3級 過去問/Q.122
![malevich-suprematism マレーヴィッチ《シュプレマティスム絵画》](https://sxsxs.blog/wp-content/uploads/elementor/thumbs/malevich-suprematism-q5vcl4091spylm6vsuaix031egjgciucaij9jattds.jpg)
1915年 油彩・キャンヴァス
101.5×62㎝ アムステルダム市立近代美術館
![カジミール・マレーヴィチ](https://sxsxs.blog/wp-content/uploads/2023/05/kazimir-malevich-232x300.jpg)
ウクライナに生れ、ロシアで活躍した抽象画家。
この作品のタイトルは、《シュプレマティスム絵画》です。
未来派やキュビスムの影響を受けて、ロシアでも1910年代の半ばから芸術運動が活発になります。
1915年、ペトログラード(サンクトペテルブルグ)で開催されたグループ展「最後の未来派展、0-10」に、マレーヴィチは自ら《シュプレマティスム》(絶対主義)と呼ぶ39点の絵画を出品します。
「シュプレマティスム」(絶対主義)とは、形態を徹底的に単純化して生まれたもので、その最も単純で 純粋な幾何学図形に、すべてを表現しようとした運動です。
ものや現実に束縛されない、次元を超えた絶対的な世界を目指しました。
マレーヴィチは、印象派や象徴主義、未来派にキュビスムなど、次々とスタイルをかえています。
![マレーヴィッチ《花売り》](https://sxsxs.blog/wp-content/uploads/2023/05/kazimir-malevich-flower-girl.jpg)
《花売り》
1903年 ロシア美術館
![](https://sxsxs.blog/wp-content/uploads/2023/05/kazimir-malevich-winter-landscape.jpg)
《冬》
1909年 ルートヴィヒ美術館(ケルン)
そしてヨーロッパとロシアの伝統とを融合させて、「シュプレマティスム」を生み出しました。
![kazimir-malevich-black-square マレーヴィッチ《黒の正方形》](https://sxsxs.blog/wp-content/uploads/elementor/thumbs/kazimir-malevich-black-square-q5vb0vc102qy88g6uigoejvij8jiyimqpy7k69e5d6.jpg)
《黒の正方形》
1915年 トレチャコフ美術館(モスクワ)
![kazimir-malevich-white-on-white マレーヴィッチ《白の上に白》](https://sxsxs.blog/wp-content/uploads/elementor/thumbs/kazimir-malevich-white-on-white-q5vb0x7pdqtivgdgjj9xjjefq0a9dwu7e7ij4tbd06.jpg)
《白の上に白》
1918年 ニューヨーク近代美術館
まさに究極の作品ですね!
ちなみに👇こちらの作品は、リーマンショック直後の2008年11月に、59億円で落札されています!
![kazimir-malevich-composition-1916 kazimir-malevich-composition-1916](https://sxsxs.blog/wp-content/uploads/elementor/thumbs/kazimir-malevich-composition-1916-q5vct2p5ton19d6sxrka7ulz9q33q8ip7qej9o72z8.jpg)
《シュプレマティストの構成》
1916年
3級 過去問/Q.123
ドゥースブルフ以外は皆、ロシア・アヴァンギャルドの作家です。
ロシア・アヴァンギャルドは、1910年代に端を発し、1930年代初めまでロシアで展開された芸術運動の総称です。建築、文学、絵画、デザイン、写真、映画など、多岐にわたります。
1917年のロシア革命によって、社会主義国となったロシアでは、あらゆるものが目的にかなうよう、生産性や実用性が求められるようになり、構成主義が生まれます。
その発端は、
![ウラジミール・タトリン](https://sxsxs.blog/wp-content/uploads/2023/05/vladimir-tatlin-218x300.jpg)
キュビスムの世界を、実際に彫刻に応用しようとして、鉄板や木片で造ったレリーフを「構成(コンストラクション)」と呼んだことに始まります。
![タトリン レリーフ](https://sxsxs.blog/wp-content/uploads/2023/05/vladimir-tatlin-counter-relief.jpg)
![タリトン 第三インターナショナル記念塔](https://sxsxs.blog/wp-content/uploads/2023/05/vladimir-tatlin-tatlins-tower.jpg)
《第三インターナショナル記念塔(模型)》
1919-20年(現存せず)
エッフェル塔に匹敵する高さの鉄塔の構想です。
実現はされなかったものの、鉄とガラスという新しい素材で、高度な科学技術が詰め込まれたものでした。
![アレクサンドル・ロトチェンコ](https://sxsxs.blog/wp-content/uploads/2023/05/alexander-rodchenko-photo-300x254.jpg)
絵画やデザイン、舞台美術や写真など幅広く活躍。
強い斜線や写真のアップなど、インパクトのある画面を構成しています。
![エル・リシツキー](https://sxsxs.blog/wp-content/uploads/2023/05/el-lissitzky-portrait-214x300.jpg)
![エル・リツシキー《プロウン》](https://sxsxs.blog/wp-content/uploads/2023/05/el-lissitzky-proun.jpg)
《プロウン》
1922年 ニューヨーク近代美術館
プロウン(新しいものを確立するためのプロジェクト)を提唱して、シュプレマティスムの幾何学の形態と、建築を結びつけようとしました。
1920年代、ロシア革命の成功とともに隆盛を極め、世界中に影響を与えた構成主義ですが、スターリンの独裁が始まると、1932年にすべての芸術団体は解散させられ、ロシア・アヴァンギャルドは終わりを迎えます。
ひとり違ったのが、
![テオ・ファン・ドゥースブルフ](https://sxsxs.blog/wp-content/uploads/2023/05/theo-van-doesburg-photo-217x300.jpg)
ドゥースブルフは、オランダの画家・建築家で、モンドリアンらと「デ・ステイル」を展開した中心人物です。
後にドゥースブルフは、「デ・ステイル」の理念を、絵画だけでなく建築や日用品にまで適用するため、「垂直線と水平線」に「斜線」を取り入れ、モンドリアンと決別しています。(モンドリアンがグループを脱退)
![ドゥースブルフ コンポジション7](https://sxsxs.blog/wp-content/uploads/2023/05/theo-van-doesburg-composition-vii.jpg)
《コンポジション7(三美神)》
1917年
【参考図書】
知る、わかる、みえる 美術検定3級問題[基本編 basic] 美術検定実行委員会編 株式会社美術出版社 2021
改訂版 西洋・日本美術史の基本 美術検定1・2・3級公式テキスト 美術検定実行委員会編 株式会社美術出版社 2019
続 西洋・日本美術史の基本 美術検定実行委員会編 株式会社美術出版社 2018
芸術教養シリーズ7 欧米のモダニズムとその後の運動 近現代の芸術史 造形篇I 林洋子編 株式会社幻冬舎 2013