1891年 油彩・キャンヴァス
75×94㎝ ボストン美術館(アメリカ・ボストン)
印象派を代表する画家ですね。
この作品は、1890年代に取り組んだ連作「積みわら」のうちの1枚です。当時、モネが住んでいたジヴェルニーの田園風景に見られる積みわらを描いています。
モネは、時間や季節とともに移り変わる光をとらえようと、特定の対象を繰り返し描きました。
この作品の他では、《睡蓮》や《ポプラ並木》《ルーアン大聖堂》の連作も知られています。
忘れてはいけないのが、「第1回印象派展」に出品した《印象、日の出》。
《印象、日の出》
1872年 油彩・キャンヴァス
48×63㎝ マルモッタン美術館(パリ)
風景ではなく、印象しか描いていないと酷評され、まさに「印象派」という言葉のもととなった作品です。
《印象、日の出》については、こちらを👇
アカデミー主導のフランス美術界に反発した画家たちは、写実性よりも風景や対象から受けた印象を重視します。
屋外にイーゼルを立てて、光による色の変化を表現しました。
3級 過去問/Q.91
クロード・モネ
1873年 油彩・キャンヴァス
61×80㎝ プーシキン美術館(モスクワ)
この作品も、1874年の「第1回印象派展」へ出品されたものです。
その印象派展が開催されたのが、このカピュシーヌ大通りにある、写真家・ナダールのスタジオでした。
モネは、スタジオのバルコニーから、この作品を描いています。
高所からの、にぎわう大通りの眺めです。
カピュシーヌ大通り 1910年
ナダールのスタジオ 1899年
19世紀後半、ナポレオン3世のパリ大改造計画で、都市がどんどん整備され、現在のパリの姿が造り出されていきます。
暮らしも豊かになり、人々は娯楽と消費を求め、ボート遊びやピクニック、劇場やカフェへと出かけます。
高所からの眺望も新しい娯楽のひとつで、印象派の都市風景画では、それが反映されています。
展覧会では酷評されますが、観客は会場の窓から見える光景と、作品とを見比べることができたそう。
写実主義の画家たちは、労働者や暗い側面を描きましたが、印象派の画家たちは、明るくおしゃれな都市生活へと目を向けました。
モネはもう1点、同じタイトルで描いています。
《カピュシーヌ大通り》
1873年 油彩・キャンヴァス
50.8×78.2㎝ ネルソン・アトキンス美術館(カンザスシティ/アメリカ)
3級 過去問/Q.92
《オペラ座の黒衣の女(桟敷席にて)》
1878年 油彩・キャンヴァス
81×66㎝ ボストン美術館
自画像
1878年 ガッシュ・紙
60×41㎝ メトロポリタン美術館(NY)
メアリー・カサット(1844-1926)は、アメリカ銀行家の娘で、印象主義の画家たちを経済的にも援助しています。
子供や母子の姿を多く描いていますが、この作品では手前にオペラを熱心に見る女性と、ずっと奥の席から舞台ではなく、彼女を
オペラグラスで覗いている男性客が対比されています。
知的な目的を持って「観る」女性を主体としながら、鑑賞の場での男性への皮肉を含ませたようです。
もう一人、印象主義の女性画家として活躍したのが、
《すみれの花束をつけたベルト・モリゾ》
1872年 油彩・キャンヴァス
55×38㎝ オルセー美術館(パリ)
これはマネが描いたモリゾ。
マネの弟と結婚しています。
モリゾは母と幼い子など、家庭的な情景を描きました。
《かくれんぼ》
1873年 油彩・キャンヴァス 個人蔵
3級 過去問/Q.93
《浴槽の裸婦》
1883年頃 パステル・モノタイプ・紙
31×28㎝ 姫路市立美術館(国富奎コレクション)
自画像
1854/55年 油彩・キャンヴァス
81×64.5㎝ オルセー美術館(パリ)
ドガはフランスの印象派の画家。
身体を洗い、髪を梳く女性たちを描いた「入浴」図は、1880年代からのシリーズです。
伝統的な裸婦像は、女性の性的魅力を引き立てるように描かれてきましたが、ドガは自然体の裸婦像を描きました。ただ身繕いする女性の姿です。
《エトワール》
1878年頃 パステル
58×42㎝ オルセー美術館(パリ)
選択に出てきた他の作家も確認を!
印象派のグループ展に出品を続けながら、その運営にも携わっていました。同時に仲間の作品を購入し、彼らの生活を支えるパトロンでもありました。
《パリの通り、雨》
1877年 油彩・キャンヴァス
シカゴ美術館
《陽光の中の裸婦》
1876年頃 油彩・キャンヴァス
オルセー美術館(パリ)
この作品は、当時の批評家には「まるで腐った死体のようだ」などと言われましたが、体に揺らめく木漏れ日に、風のそよぎまで感じられますね。
政治や社会を風刺した写実主義の挿絵画家でした。
油絵では庶民の日常生活を、熱く共感を持って描いています。
《三等車》
1862-64年頃 油彩・キャンヴァス
メトロポリタン美術館(NY)
3級 過去問/Q.94
《エラニーの牛を追う娘》
1884年 油彩・キャンヴァス
60×73.5㎝ 埼玉県立近代美術館
フランス印象派の画家ですが、生まれはカリブ海のセント・トーマス島(当時デンマーク領)です。
25歳の時に画家を志しパリへ!
農家で働く若い女性や、農村の美しい風景画を、現実の観察に基づいて描きました。
全体が一定の緻密さで、その規則正しい筆触は、点描表現へと変化していきます。
選択に出てきた他の作家も確認を!
ルノワールによるアルフレッド・シスレーの肖像
1868年 油彩・キャンヴァス
81×65㎝ ビュールレ・コレクション(チューリッヒ)
フランス生まれのイギリス人画家。
シスレーも印象派の画家です。
技法を変えることなく、自然そのままを描き続けました。
《洪水と小舟》
1876年 油彩・キャンヴァス
61×50㎝ オルセー美術館(パリ)
シスレーについてはこちらも👇
もうひとり、スーラ については、次のポスト印象主義の問題で!
【参考図書】
知る、わかる、みえる 美術検定3級問題[基本編 basic] 美術検定実行委員会編 株式会社美術出版社 2021
改訂版 西洋・日本美術史の基本 美術検定1・2・3級公式テキスト 美術検定実行委員会編 株式会社美術出版社 2019
この絵、誰の絵? 100の名作で西洋・日本美術入門 佐藤晃子著 株式会社美術出版社 2019
ルネサンスから十九世紀末まで 西洋の芸術史 造形篇II 水野千依編 株式会社幻冬舎 2013