美術検定3級 過去問/Q.112・116(フォーヴィスム)

3級 過去問/Q.112

フォーヴィスムという言葉はフランス語の「フォーヴ」に由来しますが、その意味はなんでしょうか?
① 野獣
② 四人
③ 四角
④ 無作法
出典:美術検定実行委員会・編『美術検定3級問題集-知る、わかる、みえる』 (株)美術出版社 2021  p.64
サロン・ドートンヌ展

1905年 サロン・ドートンヌでの展覧会の記事

答え ① 野獣

20世紀の美術の幕開けはフォーヴ「野獣」を意味します。

その由来となったのは、1905年パリで開催された第2回サロン・ドートンヌ展の一室。強烈な色彩荒々しいタッチの絵画と、ルネサンス風の彫刻とが、ともに展示されているのを見た評論家が、「まるで野獣(フォーヴ)に囲まれたドナテッロのようだ」と非難したことによると言われています。

ポスト印象主義を乗り越えようとしていた画家たちは、「色彩」というものを、感情を表す手段として用いました。

3年ほどの短い期間の運動です。

このフォーヴィスムを率いたのが、

アンリ・マティス(1869-1954)

パリの国立美術学校、エコール・デ・ボザールでモローに学んでいます。(妖艶なサロメを描いたモローですね!)

その他、代表する作家たちは

ジョルジュ・ルオー(1871-1958)

モローに学び、マティスと同期。
重厚な色彩黒い輪郭線が特徴。

アルベール・マルケ(1875-1947)

モローに学び、マティスやルオーと同期。
グレーや薄い青を基調とした風景画。

アルベール・マルケ
マルケ フェカンの浜辺

《フェカンの浜辺》1906年

モーリス・ド・ヴラマンク(1876-1958)

抑制の利いた色彩と、スピード感のある風景画。

ラウル・デュフィ(1877-1953)

明るい色彩軽快な線描。音楽や海辺の風景画。

アンドレ・ドラン(1880-1954)

後にキュビスムから古典回帰へ。

ジョルジュ・ブラック(1882-1963)

後にキュビスムへ。

3級 過去問/Q.116

下図の作者はだれですか?
① ピカソ
② マティス
③ ブラマンク
④ キルヒナー
出典:美術検定実行委員会・編『美術検定3級問題集-知る、わかる、みえる』 (株)美術出版社 2021  p.66

   《ダンスⅠ》(習作)
   1909年 油彩・キャンヴァス
   256×390㎜ ニューヨーク近代美術館

答え ② マティス

フォーヴィスムを代表するフランスの画家、マティスですね。

《ダンスⅠ》は、《音楽》と一緒に、モスクワの豪商シチューキンに注文されたものの習作です。

マティスは、色彩の純度を高めながら、秩序とバランスを追求します。

晩年は絵筆よりもハサミを使って、切り紙絵による作品を制作しました。

これって「かたつむり」なんですね!

【参考図書】
知る、わかる、みえる 美術検定3級問題[基本編 basic] 美術検定実行委員会編  株式会社美術出版社  2021
改訂版 西洋・日本美術史の基本 美術検定1・2・3級公式テキスト 美術検定実行委員会編  株式会社美術出版社  2019
芸術教養シリーズ7 欧米のモダニズムとその後の運動 近現代の芸術史 造形篇I 林洋子編  株式会社幻冬舎  2013

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