3級 過去問/Q.221
古い順にいきます。
1769-70年
はじめは墨1色だった浮世絵も、やがて「錦絵」とよばれる多色摺りへ。
鈴木春信は「錦絵」の成立にもかかわり、みごとな中間色で表現しています。
《山しろや内はついと 萩》 東京国立博物館
1792-93年
微妙に表情を変える美人画を描き、この連作で歌麿は一躍人気絵師となります。
《浮気の相》
4級Q.89 も参考に!
1831-34年
《十便十宜図帖 十宜帖・宜暁》
1856-58年
《大はしあたけの夕立》
他には、一番初めに出た鈴木春信よりも前に、
菱川師宣(ひしかわもろのぶ/?-1697)がいます。
《見返り美人図》17世紀後半
浮世絵というと、一般的には版画ですが、これは肉筆の作品です。
4級Q.80 で取り上げています。
東洲斎写楽(とうしゅうさいしゃらく)もいます。
《三代目大谷鬼次の奴江戸兵衛》1794年
写楽は、歌舞伎役者の顔の特徴を、強調して描きました。
3級 過去問/Q.222
鈴木春信《中納言朝忠(文読み》
ひとつ前の問いでも出てきましたね。
鈴木春信がかかわったとされる「錦絵」の誕生は、18世紀後半です。
江戸の風流人たちが行っていた絵暦(カレンダー)交換会が盛んになり、豪華な多色摺版画が作られるようになりました。
春信はやまと絵を意識した、やわらかな色合いと、柳腰の美人たちの情景画で人気を博しました。
4級Q.88 も参考に!
3級 過去問/Q.223
《みかけハこハゐがとんだいゝ人だ》1847年頃
歌川国芳(うたがわくによし/1798-1861)は、北斎や広重の後、江戸末期に活躍しました。
初代、歌川豊国の弟子です。(創始者は歌川豊春)
役者絵・美人画の歌川国貞(くにさだ)や、所絵(風景画)の歌川広重とともに、幕末の浮世絵を牽引しました。
奇想天外な戯画や、世相を鋭く皮肉った風刺画を描き、江戸市民に強く支持されました。
歌川国貞《吉原時計 亥ノ刻》
歌川国貞《今源氏綿絵合 須磨十二》
4級Q.92でも取り上げています。
3級 過去問/Q.224
版元(はんもと)です。
浮世絵版画は、絵師と 彫師(ほりし)と 摺師(すりし)による共同作業です。その工程を統括したのが版元です。
版元はまず、絵の題材を決定して絵師を選定し、全体を監督しながら、版画を作成して販売します。
「蔦重」(つたじゅう)こと、蔦屋重三郎(つたやじゅうざぶろう/1750-97)は、代表的な版元でした。
蔦屋重三郎の発行人印
蔦屋重三郎は、歌麿や写楽の才能を発掘し、半身像や顔を大きく描いた「大首絵」(おおくびえ)を開発して描かせました。
喜多川歌麿
東洲斎写楽
【参考図書】
知る、わかる、みえる 美術検定3級問題[基本編 basic] 美術検定実行委員会編 株式会社美術出版社 2021
改訂版 西洋・日本美術史の基本 美術検定1・2・3級公式テキスト 美術検定実行委員会編 株式会社美術出版社 2019
続 西洋・日本美術史の基本 美術検定実行委員会編 株式会社美術出版社 2018
増補新装 カラー版日本美術史 辻惟雄監修 株式会社美術出版社 2020
芸術教養シリーズ2 飾りと遊びの豊かなかたち 日本の芸術史 造形篇II 栗本徳子編 株式会社幻冬舎 2013
この絵、誰の絵? 100の名作で西洋・日本美術入門 佐藤晃子著 株式会社美術出版社 2019