美術検定3級 過去問/Q.169~173(飛鳥・白鳳の美術)

法隆寺金堂に安置されている《釈迦三尊像》の様式はどの時代のものですか?
① 飛鳥時代
② 白鳳時代
③ 天平時代
④ 藤原時代
出典:美術検定実行委員会・編『美術検定3級問題集-知る、わかる、みえる』 (株)美術出版社 2021  p.90
釈迦三尊像 法隆寺金堂

《釈迦三尊像》 623(推古31)年 
銅造・鍍金(メッキ) 国宝

答え ① 飛鳥時代

6世紀の中頃百済(くだら)の聖明王(せいめいおう)によって、日本に仏教が伝えられます。

日本で仏像がつくられ始めたのは飛鳥時代で、ブロンズ鋳造か、木彫の2種類でした

この《釈迦三尊像》(しゃかさんぞんぞう)の制作者は、鞍作止利(くらつくりのとり)です。

左右対称のかっちりとした形態で、衣文線(えもんせん/衣の輪郭やひだを表す線)の抽象的な表現が特徴で、飛鳥時代の代表的な作例です。頭部と手は 少し大きめですね。

3級 過去問/Q.170

下図はQ.169の中尊ですが、このような飛鳥仏に特徴的な目の形を何というでしょう?
① 団栗形
② 銀杏形
③ 愛玉子形
④ 杏仁形
出典:美術検定実行委員会・編『美術検定3級問題集-知る、わかる、みえる』 (株)美術出版社 2021  p.90
釈迦三尊像

鞍作止利《釈迦三尊像》(中尊)
623(推古31)年 銅造・鍍金
像高86.4㎝ 法隆寺、金堂(奈良)  国宝

答え ④ 杏仁形

杏仁形(きょうにんぎょう・きょうにんけい)とは、「あんずの種のかたち」という意味で、上下のまぶたが弧を描き、アーモンドのような形になっている目を表現する言葉です。

飛鳥時代の仏像のほかに、中国や北魏時代の仏像にもしばしば見られます。

素朴で神秘的な微笑み(アルカイック・スマイル)も特徴です。

3級 過去問/Q.171

下図のような、片足を組み(半跏)片手を頬に触れて瞑想するようなポーズの仏像をなんといいますか?
① 半跏沈思像
② 半跏正坐像
③ 半跏思惟像
④ 半跏黙考像
出典:美術検定実行委員会・編『美術検定3級問題集-知る、わかる、みえる』 (株)美術出版社 2021  p.90
菩薩半跏像 中宮寺

《菩薩半跏像(伝如意輪観音)》 
7世紀後半(白鳳時代) 木造・彩色

像高126.1㎝ 中宮寺(奈良)  国宝

答え ③ 半跏思惟像(はんかしゆいぞう)

左足を下ろして座り、右ひじを右ひざについて、指先をほおに当てている像のことです。弥勒菩薩如来になるため、思いをこらしている姿だといわれています。

この形式はインドを起源として、中国や朝鮮半島を経て日本に伝来しました。
飛鳥時代から白鳳時代にかけて、盛んに造られています。

こちらは奈良・広隆寺《弥勒菩薩半跏像》です。アカマツ製で、表情も朝鮮半島の仏像を思わせるものです。

弥勒菩薩半跏像 広隆寺

《弥勒菩薩半跏像》 
像高123.3㎝ 赤松材の一木造
京都・広隆寺

前の問題に出てきた《釈迦三尊像》は、飛鳥時代前期の様式で、かっちりとした感がありました。

しかし、飛鳥時代後期~白鳳時代にかけては、ポーズにも動きが出て、柔らかい様式の仏像になっています。

スポンサーリンク

3級 過去問/Q.172

高松塚古墳に関する説明で、不適当なものはどれですか?
① 7世紀終わりから8世紀の初め頃に造られた
② 石槨の中には、星座、群像、青竜、白虎、玄武が描かれている
③ 壁画には、中国や高句麗の影響が考えられる
④ 1972年に発見され、現在、内部が一般公開されている
出典:美術検定実行委員会・編『美術検定3級問題集-知る、わかる、みえる』 (株)美術出版社 2021 p.90
高松塚古墳
Tsuyoshi chiba, CC BY-SA 4.0 , via Wikimedia Commons
https://commons.wikimedia.org/wiki/File:%E9%AB%98%E6%9D%BE%E5%A1%9A%E5%8F%A4%E5%A2%B3.jpg

高松塚古墳(奈良県高市郡明日香村)

答え ④ 1972年に発見され、現在、内部が一般公開されている

現在は一般公開はされておりません。

1972年、奈良県高市郡明日香村で、極彩色の壁画が発見されます。

西壁女子群像 高松塚古墳
《女子群像》
高松塚古墳 白虎
《白虎》
高松塚古墳 青竜
《青竜》
高松塚古墳 壁画

壁画全景(複製) 関西大学博物館 高松塚古墳壁画再現展示室展示

調査や研究が進められましたが、2004年 内部に発生したカビなどによる壁画の損傷が指摘されます。
恒久保存に向けての解体修理作業が行われ、2020年3月に、13年間に及ぶ修理が完了しています。

3級 過去問/Q.173

伊勢神宮の社殿などは、式年遷宮といってある年数ごとに建て直しされる決まりになっています。それは何年ごとですか?
① 10年
② 20年
③ 30年
④ 40年
出典:美術検定実行委員会・編『美術検定3級問題集-知る、わかる、みえる』 (株)美術出版社 2021 p.92
伊勢神宮 式年遷宮

1953年(昭和28年) 第29回 内宮式年遷宮
(上が新殿舎 下が旧殿舎)

答え ② 20年

式年遷宮(しきねんせんぐう)は、20年ごと。

三重県伊勢市の伊勢神宮は、5世紀後半から6世紀後半に創祀(そうし)されたと考えられています。創祀(そうし)とは、神様を最初にまつることで、その神社の起こりのこと。

そして社殿を最初に建てた創建は、7世紀の終わり、680年頃です。

天照大御神をお祀りする「皇大神宮(内宮)」(こうたいじんぐう/ないくう)と、
伊勢神宮 内宮
No machine-readable author provided. N yotarou assumed (based on copyright claims)., CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons
https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Naiku_01.JPG
内宮
衣食住の守り神である「豊受大神宮(外宮)」(とようけだいじんぐう/げくう)の、2つの神宮からなっています。
伊勢神宮 外宮
N yotarou, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons
https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Geku_003.jpg

外宮

伊勢神宮 外宮旧社殿
Thirteen-fri, CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons
https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Ise_Shrine_Geku_(Old_shrine).jpg
2013年(平成25年)の式年遷宮による外宮旧社殿

現在20年ごと式年遷宮が行われ、建物・神宝・調度を造り改めています。

この制度は、持統天皇(在位690-697)の時に始められたと伝承されているので、もう1300年以上続いていることになります。

まったく同じに造られているわけではなく、今の伊勢神宮は、16世紀の後半に再建された形式を受け継いでいます。

最近では2013に、62回目遷宮が行われました。
建築様式は、正面に階段がある「神明造」(しんめいづくり)。高床式です。

ヒノキの素木造り(しらきづくり)で、基礎がなく地面に直接柱を立てる掘立柱(ほったてばしら)や、萱葺の屋根など、最も古い建築様式の1つです。

伊勢神宮のHPで、建築も詳しくわかります👇

【参考図書】
知る、わかる、みえる 美術検定3級問題[基本編 basic] 美術検定実行委員会編  株式会社美術出版社  2021
改訂版 西洋・日本美術史の基本 美術検定1・2・3級公式テキスト 美術検定実行委員会編  株式会社美術出版社  2019
続 西洋・日本美術史の基本 美術検定実行委員会編 株式会社美術出版社 2018
芸術教養シリーズ1 信仰、自然との関わりの中で 日本の芸術史 造形篇I 栗本徳子編  株式会社幻冬舎  2013

error: このコンテンツのコピーは禁止されています。