3級 過去問/Q.147
《無題》 1989年
「ミニマル・アート」は、1960~70年代にかけて、アメリカで展開した芸術傾向です。
「ミニマリズム」ともいいます。「ミニマル」は「最小の」という意味ですね。
感情表現や意味合いを含まず、最小限に切りつめられた表現です。
絵画や彫刻を、数学のように規則正しい形態に単純化して、同じ単位の繰り返しによって構成されるのが特徴です。
抽象表現主義と対極ですね。
このミニマル・アートを代表するのが、
版画家からやがて立体制作へと移り、評論家でもありました。
ジャッドは自分の作品を、それ以外の何かを象徴するものではないとして、「スペシフィック・オブジェクト(特殊な物体)」と呼びました。
すべての作品名を「無題」とする徹底ぶりです。
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3級 過去問/Q.148
フランク・ステラ《インドの女王》
1965年 ニューヨーク近代美術館
シェイプト・キャンヴァス(変形キャンバス)は、矩形や円形といったそれまでの一般的なキャンヴァスの形に対して、より自由な形を持ったものをさします。
1960年代にミニマリズムの技法として、フランク・ステラ(1936-)が初めて用いたといわれています。

ステラはマサチューセッツ州出身の画家・彫刻家。
細い縞模様(ストライプ)の作品を、正方形のキャンヴァスに描いていましたが、だんだんとストライプの形に合わせて、三角形や台形、星形などを使うようになります。円形と四角を組み合わせたものも!
もともとキャンヴァスは、四角という決まりもなく、ゴシックやルネサンス期に、すでに丸や楕円のベースに絵は描かれていました。
とはいえステラは、ミニマリズムのシンプルなモチーフと同様に、キャンヴァスもすっきりとそぎ落として反復させており、それまでとは大きく違った表現方法です。
フランク・ステラのその他の作品はこちら👇
もう一人、
一色に塗った、不規則な四角形のパネルを制作しています。
《Red-Orange Panel with Curve》1993年
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3級 過去問/Q.149
《ヴェガ200》 1968年

ヴィクトル・ヴァザルリ(1906-1997)は、ハンガリー出身で、フランスを中心に活動しました。
オプ・アート(オプティカル・アート)は、幾何学模様や波形の規則的な配列と、色彩の同時対比などによって、特殊な見え方となるよう計算された抽象絵画です。
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オプ・アートの先駆者といわれるのが、
《正方形賛歌:出現》 1959年
バウハウスに学び、卒業後バウハウスで教鞭をとりました。
色彩と形態の関係について研究を深めています。
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他には、
《大滝3》 1967年
波のような線が連続して並ぶと、うねるような動きと奥行きが!
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ヴァザルリもライリーも、アルバースの色彩理論を基礎にしています。
3級 過去問/Q.153
《Untitled (to Henri Matisse)》 1964年
1960年代に興ったミニマル・アートに属する作家の一人です。
蛍光管が放つ光そのものを作品として追求します。
「ライト・アート」とも呼ばれます。
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アートの表現も様々に進化していますね!
【参考図書】
知る、わかる、みえる 美術検定3級問題[基本編 basic] 美術検定実行委員会編 株式会社美術出版社 2021
改訂版 西洋・日本美術史の基本 美術検定1・2・3級公式テキスト 美術検定実行委員会編 株式会社美術出版社 2019
続 西洋・日本美術史の基本 美術検定実行委員会編 株式会社美術出版社 2018
芸術教養シリーズ7 欧米のモダニズムとその後の運動 近現代の芸術史 造形篇I 林洋子編 株式会社幻冬舎 2013