3級 過去問/Q.137
ガラス・パヴィリオン(グラスハウス) 1914年
ブルーノ・タウト(1880-1938)は、ドイツの建築家。
ドイツ工作連盟(DWB)は、1907年ミュンヘンで結成された総合デザイン集団です。工場で大量生産される製品に適した「インダストリアル・デザイン」の必要性を課題に、設立されました。
1914年、最初の連盟展で、近代建築の方向性を示します。
タウトはガラスのパヴィリオンを、
グロピウスは工場と事務所のモデル建築を、
ヴァン・デ・ヴェルデが劇場を建てます。
時代は「規格化」の方向へと確実に向かっていくことになります。
ベーレンス 展覧会ポスター 1914年
19世紀末には、鉄筋コンクリートが考案され、板ガラスが普及します。
20世紀には、それらが一般的に使われるようになり、建築構造が根本的に変わります。鉄骨が屋根を支えるので、総ガラス張りや壁面に、自由な造形性を持たせることが可能になりました。
建築は単独の「芸術品」から、都市や地域と密接にかかわる「環境の一部」になっていきました。
タウトは53歳の時、ナチスの迫害から逃れ、日本インターナショナル建築会からの招きを受け、日本に3年半滞在しています!
3級 過去問/Q.138
ドイツ表現主義のところで、青騎士の創立メンバーとして出てきましたね。
カンディンスキー《On White Ⅱ》1923年
カンディンスキーは、著書で抽象画を理論化したことで「抽象絵画の創始者」といわれています。
第一次世界大戦勃発以来、ロシアへ帰国していましたが、総合芸術教育に興味があったためドイツへ戻り、1922年、56歳の時から、バウハウスで先生となります。
バウハウスは、1919年にドイツで設立された、美術・デザイン・建築などの総合的な学校です。新しい秩序を求め、徹底的な工業実習や、簿記や見積もりなどの実務も教えました。
そして芸術理論を教えていたのが、
カンディンスキー(絵画)の他に、
イッテン(色彩学)
クレー(絵画)
シュレンマー(総合芸術)
モホイ=ナジ(写真・タイポグラフィ)などです。
3級 過去問/Q.139
デッサウ校
バウハウスは、3人の校長によって先導されます。
いずれも建築家です。
本格的な建築課程を設置します。
「Less is more.」(より少ないことは より豊かなこと)
「God is in the detail」(神は細部に宿る) などでも有名な建築家です。
バウハウスは何度か移転しますが、1933年ナチスによって廃校に…
しかしミースらはアメリカへ亡命します。教育法はアメリカで受け継がれ、現代の建築・デザイン他、あらゆる分野に影響を与えています。
ミースは、ル・コルビュジェと、フランク・ロイド・ライトと共に、20世紀建築の三大巨匠です!
3級 過去問/Q.140
フランク・ロイド・ライト(1867-1959)は、アメリカの建築家。
建物の水平性を強調し、室内の壁を取り除いて、空間を有機的に連続させる「プレーリー・ハウス」を生み出します。
アメリカの住宅建築に、新しい展開をもたらしました。
日本でも、弟子の遠藤新らと旧帝国ホテルや、山邑家住宅などの設計に携わりました。
旧帝国ホテルの正面玄関部は、博物館明治村(愛知)に移築されています。
【参考図書】
知る、わかる、みえる 美術検定3級問題[基本編 basic] 美術検定実行委員会編 株式会社美術出版社 2021
改訂版 西洋・日本美術史の基本 美術検定1・2・3級公式テキスト 美術検定実行委員会編 株式会社美術出版社 2019
続 西洋・日本美術史の基本 美術検定実行委員会編 株式会社美術出版社 2018
芸術教養シリーズ7 欧米のモダニズムとその後の運動 近現代の芸術史 造形篇I 林洋子編 株式会社幻冬舎 2013