美術検定3級 過去問/Q.5~9(原始・古代の美術2)

3級 過去問/Q.5

微笑した表情で知られる古代ギリシャの彫刻様式は?
① ヘレニズム
② ロマネスク
③ アルカイック
④ ビザンティン
出典:美術検定実行委員会・編『美術検定3級問題集-知る、わかる、みえる』 (株)美術出版社 2021  p.18
アルカイック・スマイル
Ricardo André Frantz (User:Tetraktys), CC BY-SA 3.0 , via Wikimedia Commons
https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/2/2c/0008MAN-KourosHead2.jpg

ク―ロス(ギリシア語で「青年」の意味)の頭部
アテネ国立考古学博物館

答え ③ アルカイック

「アルカイック」は「太古」「始原」の意味で、ギリシア語に由来します。

この時代の彫刻に見られる微笑みをアルカイック・スマイルと呼びます。

ギリシア美術」は、大きく4つの時代に分かれています。

 幾何学様式 紀元前10~7世紀初め
   ↓
 アルカイック様式 ~5世紀初め
   ↓
 クラシック様式 ~330年頃
   ↓
 ヘレニズム様式 紀元前323~31年


アルカイック
の時代は、彫刻もより自然に、黒絵式陶器などにも、生き生きとした表現が生まれます。

エクセキアス 黒絵式

エクセキアス作 紀元前540年頃

黒絵式とは、黒色で像のシルエットを描いて、線刻で細かな描写をし、彩色を施してから焼く技法。

大理石による大神殿の建造も、この頃からです!


このギリシア美術初めて生きている人間が描かれるようになります。

神は人と同じような姿で、同じような感情を持つと考えられて、理想的な人間の身体を描いて、神の姿を表現して、そこに完全な美しさと調和を求めました。

3級 過去問/Q.6

古代ギリシア、アテネのパルテノン神殿は、ドーリア式という柱頭様式に別の様式を融合して建築されましたが、その様式は?
① トスカーナ式
② イオニア式
③ バシリカ式
④ アイオリス式

出典:美術検定実行委員会・編『美術検定3級問題集-知る、わかる、みえる』 (株)美術出版社 2021  p.18

パルテノン神殿
Onkel Tuca!, CC BY-SA 3.0 , via Wikimedia Commons
https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/d/d2/Parthenon.JPG
答え ② イオニア式

パルテノン神殿の柱は、
外側はドーリア式で、内部がイオニア式です。

ドーリア式
一番古くて一番太い
柱頭に装飾はなし
パルテノン神殿 ドーリア式
イオニア式
紀元前6世紀半ばに誕生
細くて優美
渦巻き型の装飾
イオニア式

古代ギリシアでは、ドーリア式イオニア式、もうひとつコリント式3種類の柱様式があります!

コリント式
さらに細く
アカンサスの葉
モチーフにした装飾
コリント式

もう少し詳しくはこちらを 👇
ギリシアの美術 >パルテノン神殿

4級のQ.5でもとりあげましたが、ローマのコロッセウムは、この3種類の柱をすべて使っています♪

3級 過去問/Q.7

次の古代ギリシア彫刻のうち、作られた年代が最も新しいものは?
①《テネアのアポロン》
②《サモトラケのニケ》
③《デルフォイの御者》
④《クリティオスの少年》
出典:美術検定実行委員会・編『美術検定3級問題集-知る、わかる、みえる』 (株)美術出版社 2021  p.18
答え ②《サモトラケのニケ》
ヘレニズム期(BC323~31年)の《サモトラケのニケ》が一番新しいです。
サモトラケのニケ
紀元前200-190年頃 大理石
H328㎝ ルーブル美術館(パリ)
ヘレニズム期になると、それまでの理想美から、ありのままの人間性を重んじた激しく動きのある作品がうまれます。
 
 
Q.5でギリシア美術の4つの時代を確認しましたが、今一度作品とともに!
 

1. 幾何学様式 紀元前10~7世紀初め

   

2. アルカイック様式 ~5世紀初め

①《テネアのアポロン》

アテネのアポロン
Zde, CC BY-SA 3.0 , via Wikimedia Commons
https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/a/ae/Kouros_120413.jpg
Zde, CC BY-SA 3.0 , via Wikimedia Commonshttps://commons.wikimedia.org/wiki/File:Kouros_of_Tenea_560-550_BC,_Glyptothek_Munich_168_120292x.jpg
Zde, CC BY-SA 3.0 , via Wikimedia Commons
https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Kouros_of_Tenea_560-550_BC,_Glyptothek_Munich_168_120292x.jpg

アルカイック・スマイルですね。^^

   ↓

3.クラシック様式 ~330年頃

③《デルフォイの御者》

デルフォイの御者
RaminusFalcon, CC BY 3.0, via Wikimedia Commons

④《クリティオスの少年》

クリティオスの少年
Critius, CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons
https://commons.wikimedia.org/wiki/File:009MA_Kritios.jpg

そして

4. ヘレニズム様式 紀元前323~31年

  ②《サモトラケのニケ》 
ぎこちなさから自然で理想的な姿となり、そして激しい躍動感へと、彫刻の変化がわかりますね♪

3級 過去問/Q.8

Q.8
この彫像のテーマと時代様式の組み合わせは?
① 神官ラオコーンと息子たち-ヘレニズム
② 英雄ヘラクレスのヒュドラ退治-アルカイック
③ 神々と巨人族の戦い-クレタ
④ 海神ポセイドンと従者-クラシック
出典:美術検定実行委員会・編『美術検定3級問題集-知る、わかる、みえる』 (株)美術出版社 2021  p.18
ラオコーン
《ラオコーン》
大理石 BC40-20年頃  

ヴァティカン美術館
答え ① 神官ラオコーンと息子たち-ヘレニズム
こちらもヘレニズム様式です!
 
テーマはトロイア戦争物語の一場面。
大蛇に襲われる激しい身振りや、苦悩の表情など劇的な表現です。
ラオコーン 苦悩の表情
ラオコーン 詳細
Vassil, CC0, attraverso Wikimedia Commons
素材は大理石。すごいですね~
 

この作品《ラオコーン》は、《サモトラケのニケ》《ミロのヴィーナス》と並ぶ、ヘレニズム様式を代表する作品の1つです。

その発掘に立ち会ったミケランジェロ
大きな影響を与えたことでも知られています!
 
このギリシア美術は、やがてローマを経て地中海やアラビア半島にも受け継がれ、ヨーロッパ文化を大きく発展させます。

3級 過去問/Q.9

Q.9
次の時代区のうち最も新しいのはどれ?
①アッシリア美術
②シュメール美術
③エジプト新王国美術
④アカイメネス朝美術
出典:美術検定実行委員会・編『美術検定3級問題集-知る、わかる、みえる』 (株)美術出版社 2021  p.18
答え ④アカイメネス朝美術
メソポタミア文明アカイメネス朝がいちばん新しい時代区分です。
 
メソポタミア地方(現イラン共和国)は、アカイメネス朝ペルシアによって紀元前550年に統一されました。
 
かつてシュメール人アッカド人による文明が栄えた地域です。
メソポタミア、エジプト他さまざまな地域の美術が総合的に採り入れられました。
 
 
メソポタミア文明の時代の流れを確認しておきます。
1. シュメール都市文明 BC4000頃
 神殿や墳墓などの大建築
 大理石や金箔、ラピスラズリ
 貝殻の装身具、調度品
ウルのスタンダード
Denis Bourez from France, CC BY 2.0 , via Wikimedia Commons
《ウルのスタンダード》
 21.6x49.5㎝ 大英博物館
 
敵を打ち負かす「戦争の場面」と、
反対側には王と家臣が宴会を楽しむ「平和の場面」
   
2. アッカド BC2400頃-BC2200頃
   
3. バビロニア王朝 BC2000頃
   
4. アッシリア BC2000-BC612頃
 王の権威と勇猛さを誇示した宮殿建築
 精巧な象牙細工
人頭有翼牡牛像
《人頭有翼牡牛像》 紀元前713~707年頃
  宮殿などの入り口を守る像。
   ↓
5. 新バビロニア BC625-BC538
   ↓
6. アカイメネス朝ペルシア BC550-BC330
 分立していたオリエント世界を統一
    精緻な金属工芸
翼のあるヤギ

《翼のあるヤギ》  BC4世紀

   ↓
7. ササン朝ペルシア 226-651
 
支配者の移り変わりで、美術も形を変えて 受け継がれていきます✨

エジプト文明の方も確認を!

1. 古王国 BC2700頃-BC2200頃
  ↓
2. 中王国 BC2123-BC1595
  ↓
3. 新王国 BC1567-BC1085
  文明が最も栄えた時代です。
Philip Pikart, CC BY-SA 3.0 , via Wikimedia Commonshttps://commons.wikimedia.org/wiki/File:Nofretete_Neues_Museum.jpg
Philip Pikart, CC BY-SA 3.0 , via Wikimedia Commons
https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Nofretete_Neues_Museum.jpg

《ネフェルティティの胸像  
紀元前1351~紀元前1344年頃 アマルナ出土
ツタンカーメンの義母ですね!

メンナの墓
Ovedc, CC BY-SA 4.0 , via Wikimedia Commons
https://commons.wikimedia.org/wiki/File:By_ovedc_-_Tomb_of_Menna_-_06.jpg
メンナの墓 農耕図
Ovedc, CC BY-SA 4.0 , via Wikimedia Commons
https://commons.wikimedia.org/wiki/File:By_ovedc_-_Tomb_of_Menna_-_17.jpg

《メンナの墓  農耕図》  
紀元前1350
年頃 テーベ

エジプト文明は500年くらいずつの流れなので、まだわかりやすいですが、メソポタミアの方はさまざまで、頭に入りにくいですね。





【参考図書】
知る、わかる、みえる 美術検定3級問題[基本編 basic] 美術検定実行委員会編  株式会社美術出版社  2021
改訂版 西洋・日本美術史の基本 美術検定1・2・3級公式テキスト 美術検定実行委員会編  株式会社美術出版社  2019
増補新装 カラー版 西洋美術史  高階秀爾監修 株式会社美術出版社  2021
芸術教養シリーズ5 古代から初期ルネサンスまで 西洋の芸術史 造形篇I  水野千依編  株式会社幻冬舎  2013

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