美術検定3級 過去問/Q.165~168(縄文・弥生・古墳時代の美術)

このような特徴の土器はなんと呼ばれていますか?
① 丸底深鉢
② 火焔型土器
③ 渦巻文土器
④ 台付異形土器
出典:美術検定実行委員会・編『美術検定3級問題集-知る、わかる、みえる』 (株)美術出版社 2021  p.88
火炎型土器

BC3000-BC2000(縄文時代中期)
H32.5㎝ 新潟県長岡市馬高遺跡出土
長岡市立科学博物館(新潟) 重要文化財

答え ② 火焔型土器

紀元前1万5000年頃から紀元前300年頃におよぶ約1万数千年間が、縄文時代です。(時期については諸説あり)

紀元前1万年前には、食料を煮炊きする道具として、土器が作られるようになります。
土器の多くに縄目の文様がみられることから、この時代を縄文時代といいます。
他には貝殻木の棒なども、文様を付ける道具として使われました。

火焔型土器」は、縄文時代中頃のものと考えられています。
呪術的な不気味さがあって、火炎を思わせる上方へ立ちのぼるような造形です。

この頃は、装飾性が豊かな土器がつくられました。

3級 過去問/Q.166

以下の時代と作例の組み合わせとして、正しいものはどれですか?
① 縄文時代  -《チブサン古墳石屋形》
② 弥生時代  -《袈裟襷文銅鐸》
③ 飛鳥時代  -《竹原古墳壁画》
④ 天平時代  -《伝仁徳天皇陵》
出典:美術検定実行委員会・編『美術検定3級問題集-知る、わかる、みえる』 (株)美術出版社 2021  p.88
答え ② 弥生時代  -《袈裟襷文銅鐸》

「袈裟襷文銅鐸」(けさだすきもんどうたく)です。

袈裟襷文とは、文様が僧侶の袈裟に似ているところから付けられた名称です。
縦線と横線からなり、銅鐸の代表的な文様です。

縄文時代の後、西暦300年頃まで弥生時代です。

大陸から、稲作と共に青銅器がもたらされました。
青銅器には、銅鐸(どうたく)、銅鏡銅剣などがあり、いずれも豊作を祈願する祭り儀式に用いたと考えられています。

銅鐸はつり鐘のような形で、紀元前200年頃から、近畿・東海地方で作られ始めました。
表面には幾何学的な文様や、動物狩猟農耕の様子などが描かれています。

絵画銅鉾 兵庫出土

《絵画銅鉾》
BC100-100  兵庫出土

弥生土器は、とてもシンプル実用的になりました。

弥生土器

100~300年頃 
大田区久が原出土 重要文化財

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3級 過去問/Q.167

古墳時代後期になると、北朝鮮から、窯を用いて焼成する土器の製法が伝えられました。これをなんといいますか?
① 須恵器
② 土師器
③ 縄文式土器
④ 弥生式土器
出典:美術検定実行委員会・編『美術検定3級問題集-知る、わかる、みえる』 (株)美術出版社 2021 p.88

《鳥飾りの蓋付き壺》

答え ① 須恵器(すえき)

5世紀の中頃、朝鮮半島からの渡来工人によって「須恵器」の製法が伝えられました。

それまでの土器は、低温の野焼きだったため、あまり強度がありませんでした。
しかし「須恵器」は、窯を用いて、高温で焼成していたため硬質です。

すっきりとしたデザイン
のものが多いのも特徴です。
古墳の副葬品や、儀式用に使われたと考えられ、平安時代まで作られました。

3級 過去問/Q.168

下図の壁画が描かれたのはいつの時代ですか?
① 縄文時代
② 弥生時代
③ 古墳時代
④ 飛鳥時代
出典:美術検定実行委員会・編『美術検定3級問題集-知る、わかる、みえる』 (株)美術出版社 2021 p.88
竹原古墳壁画

《竹原古墳壁画》(後室奥壁) 6世紀後半(古墳時代後期)
H約150×幅約200㎝ 宮若市教育委員会(福岡) 国指定史跡

答え ③ 古墳時代

3世紀から8世紀初頭にかけて、巨大な古墳が各地で造られるようになりました。

古墳は、その地域の首長が、その力を民衆に示すために築いたもので、その主長の遺体とともに、人や動物、家や家具などをかたどった様々な埴輪や鏡、玉や剣などの副葬品が納められました。

大和政権が誕生した近畿地方には、多くの前方後円墳が造られています。

そして九州では、壁面に絵や文様が施された「装飾古墳」が造られました。
渦巻きや幾何学模様、狩猟の様子などを、赤や緑、黒といった顔料で絵を施しています。

5世紀後半に、九州の有明海沿岸で造られはじめ、初期はほとんどが九州北部に集中しています。

代表的なものが、上の画像の「竹原古墳」(福岡)で、横穴式石室の後室奥壁に描かれています。
図像についてはいくつかの解釈があるようですが、龍のいる水辺に馬を連れていき駿馬を得るという、中国の「龍媒伝説」からの影響が指摘されています。

外観や、中の様子がわかる動画がありますよ👇

もうひとつ、代表的な古墳が、熊本の「チブサン古墳」です。
円や三角形、菱形などの幾何学文が、強い色調で描かれています。

これらの装飾は、死者の魂を慰めたり魔除けのために描かれたと考えられています。

【参考図書】
知る、わかる、みえる 美術検定3級問題[基本編 basic] 美術検定実行委員会編  株式会社美術出版社  2021
改訂版 西洋・日本美術史の基本 美術検定1・2・3級公式テキスト 美術検定実行委員会編  株式会社美術出版社  2019
続 西洋・日本美術史の基本 美術検定実行委員会編 株式会社美術出版社 2018
芸術教養シリーズ1 信仰、自然との関わりの中で 日本の芸術史 造形篇I 栗本徳子編  株式会社幻冬舎  2013

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