3級 過去問/Q.103
ロセッティ《受胎告知》
1849-50年 油彩・キャンヴァス
73×42㎝ テート・プリテン(ロンドン)
描いたのは、
ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティ(1828-82)
《自画像》
1847年 鉛筆・白チョーク・紙
21×17㎝ ナショナル・ポートレート・ギャラリー(ロンドン)
19世紀中ごろ、フランスで印象派が誕生する少し前、イギリスでは「ラファエル前派」と呼ばれる前衛芸術運動が興ります。
ラファエロ以後の西洋絵画を退廃として認めず、初期ルネサンスや、フランドル美術など、ラファエロ以前のもに回帰しようとしたグループです。
アカデミーの型にはまった規則から解放されて、自由に描くことを求めました。
素朴な信仰心や、美しいものへの純粋な思いを、伝説や文学に託して描いています。
その他の代表作
《ベアタ・ベアトリクス》
1863年 油彩・キャンヴァス
86×66㎝ テート・ブリテン(ロンドン)
《レディ・リリス》
1866年 油彩・キャンヴァス
98×85㎝ デラウェア美術館(アメリカ)
3級 過去問/Q.104
ミレイ 《オフィーリア》
1851-52年 油彩・キャンヴァス
76×112㎝ テート・プリテン(ロンドン)
描いたのは、
ジョン・エヴァレット・ミレイ(1829-1896)
ナショナル・ポートレート・ギャラリー(ロンドン)
ミレイもラファエル前派、イギリスの画家です。
この作品、シェークスピアの『ハムレット』の登場人物オフィーリアが、父親をハムレットに殺されて発狂し、川で溺死する場面を描いたもの。
明るい色彩と細密描写で、見たままを忠実に描くのもラファエル前派の特徴のひとつです。
4級Q.42でも似た問題が出ています!
3級 過去問/Q.105
《出現》
1875年頃 油彩・キャンヴァス
142×103㎝ ギュスターヴ・モロー美術館(パリ)
象徴主義の代表格でもあるフランスの画家、
ギュスターヴ・モロー
《自画像》
1850年 油彩・キャンヴァス
41×32㎝ ギュスターヴ・モロー美術館(パリ)
神話や中世の伝説をモチーフに、神秘的な世界を表現しています。
象徴主義では、見慣れた光景や身近なものの中に、ある特別の意味を持たせたり、目に見えない世界を表現しています。
フランスの文学界から広まり、夢や幻想、愛や死などの神秘的なテーマが特徴です。
モローはエコール・デ・ボザール(フランスの国立美術学校)の教授でもあり、教え子の中にマティスやルオーがいました。
《出現》については、4級Q.53でも!
他、ギリシャ神話を題材に、独特の幻想的な世界です。
《オイディプスとスフィンクス》
1864年 油彩・キャンヴァス
206×105㎝ メトロポリタン美術館(NY)
《オルフェウス(オルフェウスの首を抱くトラキアの娘)》 1865年 油彩・キャンヴァス
154×99.5㎝ オルセー美術館(パリ)
3級 過去問/Q.110
《出現》
1875年頃 油彩・キャンヴァス
142×103㎝ ギュスターヴ・モロー美術館(パリ)
ノルウェーの画家。
19世紀末~20世紀初頭にドイツで活躍し、ドイツ美術界に大きな影響を与えました。
生・死・愛・憂愁・恐怖などの、内面の世界を劇的に表現しました。
ムンクも象徴主義に分類されます。
《叫び》については、4級Q.54で確認を!
他、象徴主義を代表する作家に、
《キュクロプス》
1914年頃 油彩・キャンヴァス
64×51㎝ クレラー・ミュラー美術館(オランダ)
《死の島》第3バージョン
1883年 油彩・キャンヴァス
80×150㎝ 旧国立美術館(ベルリン)
《仮面の中の自画像》
1899年 油彩・キャンヴァス
117×82㎝ 旧国立美術館(ベルリン)
《スフィンクスの愛撫》
1896年 油彩・キャンヴァス
50×150㎝ ベルギー王立美術館(ブリュッセル)
世紀末、人々は急速な近代化を受け入れながらも、とまどいや不安を感じていました。
この象徴主義はヨーロッパ各地で、同時多発的に起こっています。
【参考図書】
知る、わかる、みえる 美術検定3級問題[基本編 basic] 美術検定実行委員会編 株式会社美術出版社 2021
改訂版 西洋・日本美術史の基本 美術検定1・2・3級公式テキスト 美術検定実行委員会編 株式会社美術出版社 2019
この絵、誰の絵? 100の名作で西洋・日本美術入門 佐藤晃子著 株式会社美術出版社 2019
ルネサンスから十九世紀末まで 西洋の芸術史 造形篇II 水野千依編 株式会社幻冬舎 2013