3級 過去問/Q.154
《Propellerfrau》1969年
ドイツの画家・写真家です。
旧ドイツ領のシュレージエン(現ポーランド)に生まれ、1953年(12歳)に旧西ドイツに渡り、デュッセルドルフ芸術アカデミーで絵画を学びました。
ポルケは、60年代アメリカのポップ・アートを継承して、ドットを用いたり、プリント布地の上に描いたり、色の変化する絵画など、いろいろな手法を開拓しています。
少し前に、ポップアートが出てきましたね。ハミルトンやアンディ・ウォーホルなど。
大衆文化や消費、マス・イメージをモチーフにした傾向は、ヨーロッパでも拡大し、国によって違う呼称で展開されました。
イギリスでは「ブリティッシュ・ポップ」
フランスやスイスでは 「ヌーヴォー・レアリスム」
ロシアでは「ソッツ・アート」
そしてドイツでは「資本主義リアリズム」
と呼ばれました。
ポルケの他の作品はこちらを👇
3級 過去問/Q.155
写真的絵画による表現の試行
《ドゥインガーの肖像》 1965年
リヒター(1932-)は、現役のアーティストで、「ドイツ最高峰の画家」と呼ばれています!
1932年旧東ドイツのドレスデン生まれ、同地の芸術アカデミーで絵画を学びます。
しかし社会主義体制に未来を見出せず、ベルリンの壁が建てられる直前に、西側のデュッセルドルフに移住し、デュッセルドルフ芸術アカデミーに入り直します。
新聞や雑誌の写真のイメージを精密に模写して、微妙にぼかした「フォト・ペインティング」や、モザイクのように色を並べた「カラー・チャート」、グレイ(灰色)だけの「グレイ・ペインティン」など、抽象や具象、たくさんの表現手段を用いて、様々な表現に取り組んでいます。
リヒターの他の作品はこちらを👇
3級 過去問/Q.156
《一つの、そして三つの椅子》 1965年
ジョセフ・コスース(1945-)のこの作品は、
実物の椅子と
写真の椅子と
辞書に書かれた「椅子」の項目の引用を
一緒に展示することで、物体と概念の両方を使って、「椅子」についての思考を提起しています。
ミニマリズム(最小限)の美術は、造形的な要素をギリギリまで単純化しましたね。コンセプチュアル・アートの作家たちは、そのミニマリズムをさらに推し進めて、絵画や彫刻という形態をとることなく、純粋に構想や考えそのものを伝えようと試みました。
私たちの思考って… シンプルなことを、とても器用に、複雑な処理をしていますよね。
ジョセフ・コスースの他のはこちらを👇
3級 過去問/Q.157
「アルテ・ポーヴェラ」は、イタリア語で「貧しい芸術」を意味します。
一般的な美術の画材を使わず、廃材や自然の石や木、布切れといった、日常にある素材を用いた作品を指します。
アルテ・ポーヴェラを代表する作家が、
《無題》 1968年
アルテ・ポーヴェラという言葉には、「捨てても惜しくはない日常的な事物」というニュアンスが込められています。
作家たちは、作品によって観る側の意識の変革をねらいました。
考えさせられますね。
【参考図書】
知る、わかる、みえる 美術検定3級問題[基本編 basic] 美術検定実行委員会編 株式会社美術出版社 2021
改訂版 西洋・日本美術史の基本 美術検定1・2・3級公式テキスト 美術検定実行委員会編 株式会社美術出版社 2019
続 西洋・日本美術史の基本 美術検定実行委員会編 株式会社美術出版社 2018
芸術教養シリーズ7 欧米のモダニズムとその後の運動 近現代の芸術史 造形篇I 林洋子編 株式会社幻冬舎 2013