3級 過去問/Q.225
《色絵藤花文茶壺》(いろえふじばなもんちゃつぼ)
野々村仁清(ののむらにんせい/生没年不詳)は、京焼色絵陶器の完成者と言われています。
茶人・金森宗和(かなもりそうわ)の指導で、京都・仁和寺(にんなじ)の門前に窯を開きました。
器物という立体的画面を活かして、金彩・銀彩を交え、色彩豊かに絵画的装飾です。
《色絵若松図茶壺》文化庁 重要文化財
《銹絵山水図水指》 東京国立博物館
また「銹絵」(さびえ)と呼ばれる、水墨画のような絵をつけた茶器も焼いています。
そして、国宝 《色絵雉香炉》(いろえきじこうろ/石川県立美術館)などに見られる彫塑的表現まで、造形力でも評価されています。
《色絵雉香炉》の作品はこちらで確認を👇
仁清窯や御室焼(おむろやき)と呼ばれて、公家や寺社、上層町衆に好まれました。
3級 過去問/Q.226
紅型
「紅型」(びんがた)は、沖縄を代表する伝統的な染色技法のひとつです。
日本と中国の、技法の相互交流によって発展し、上級官僚の衣服として、18世紀頃に隆盛を極めました。
模様部分を染めてから、そこに糊伏せ(防染の工程)をして、地色を染める複雑な工程を経て作られます。
型染の江戸小紋とともに、繰り返される文様の面白さを生み出す技法です。
琉球びんがた事業協同組合さんのサイトで、「紅型」をくわしく見ることができます。👇
ちなみに友禅は、絵画のように自由に絵柄を表現します。
《白縮緬地鷹衝立模様友禅染絞縫小袖》
(しろちりめんじ たかついたてもよう ゆうぜんぞめ しぼりぬい こそで)
18世紀 東京国立博物館
3級 過去問/Q.227
尾形光琳《八橋蒔絵螺鈿硯箱》
18世紀 木製漆塗 27.3x19.7xH14.2㎝
東京国立博物館 国宝
蒔絵(まきえ)は、漆工芸技法のひとつで、漆器の表面に漆で絵や文様を描いて、乾かないうちに金属粉を蒔いて定着させる技法です。
漆の木の樹液を原料にした漆は、塗料としてだけではなく、その粘着性をいかして多様な装飾技法に用いられました。
他には、鮑貝(あわび)や夜行貝の輝く真珠層を、形に切って貼り付ける螺鈿(らでん)や、
金属の薄板を貼り付ける平文(ひょうもん)、彫りを入れて色漆を埋め込む蒟醤(きんま)などがあります。
【参考図書】
知る、わかる、みえる 美術検定3級問題[基本編 basic] 美術検定実行委員会編 株式会社美術出版社 2021
改訂版 西洋・日本美術史の基本 美術検定1・2・3級公式テキスト 美術検定実行委員会編 株式会社美術出版社 2019
続 西洋・日本美術史の基本 美術検定実行委員会編 株式会社美術出版社 2018
増補新装 カラー版日本美術史 辻惟雄監修 株式会社美術出版社 2020
芸術教養シリーズ2 飾りと遊びの豊かなかたち 日本の芸術史 造形篇II 栗本徳子編 株式会社幻冬舎 2013
この絵、誰の絵? 100の名作で西洋・日本美術入門 佐藤晃子著 株式会社美術出版社 2019