3級 過去問/Q.23
ピエロ・デッラ・フランチェスカ
《聖十字架の発見と検証》(部分)
1452-66頃 フレスコ
356x747㎝ サン・フランチェスコ教会(アレッツオ)
透視図法は、遠近法を表現する方法の1つ。
画面に消失点を設定して、そこに向かう複数の基本線と、それに直行する水平線に基づいて、建物や人物を配置します。
奥に向かって規則的に小さくなっていきます。
◇参考作品
ペルジーノ 《ペテロへの鍵の授与》
1481-82年 フレスコ
330×550㎝ システィーナ礼拝堂(ヴァチカン)
レオナルド・ダ・ヴィンチ《最後の晩餐》
1495-98年 テンペラ
420×910㎝ サンタ・マリア・デッレ・グラツィエ修道院(ミラノ)
もうひとつ、おさえておきたいのが「空気遠近法」です!
「空気遠近法」は、近くのものは濃くはっきりと、遠くのものは淡くぼかすように表現する技法です。
空気中の塵や大気によって、同じものも近くと遠くでは 見え方が違いますよね!
レオナルド・ダ・ヴィンチ《モナ・リザ》
1503-19年頃 油彩・板
77×53㎝ ルーブル美術館(パリ)
遠くの対象が青みを帯びて霞んでいます。
15世紀の画家たちは、三次元的空間を、二次元の画面に置き換える「遠近法」を熱心に研究しました。
他の答えも…
鳥瞰図法(ちょうかんずほう)は、字のごとく飛ぶ鳥の目から見たように、上空から斜めに見下ろしたように見える図です。俯瞰図と一緒ですね。
蛙の遠近法!?
えー そんなのあるのーと検索してみると…… ニーチェが唱えたもの?
正確ではありませんが、下から見上げるだけで、全体を俯瞰できない見方、一方的に絶対化したような見方のことをいうようです。
3級 過去問/Q.24
消失点を示す図
レオン・バッティスタ・アルベルティは、建築 法学 古典学 数学 科学 演劇 絵画 彫刻 音楽 運動…… 多方面に才能を発揮した天才です。
アルベルティの『絵画論』は、絵画を「幾何学を基礎とする学問」として、遠近法や画家に必要な教養を著したもので、絵画の新しい見方を提示しました。
絵画は遠近法と構成と物語の、3つの要素が調和したものと考え、絵画空間を秩序づけて、その調和を重んじています。
グリッドの柱を遠近法で示す図
『建築論』も著して、同時代や後世に大きな影響を与えています!
1541年版(初版は1450年)
アルベルティの代表作は、サンタ・マリア・ノヴェッラ聖堂のファサード※の設計です!
※ファサードとは建物の正面部分のこと。
フランス語の façade(face、顔)が語源です。
オシャレですね~
そしてルネサンス最初の建築家といわれるのが、フィリッポ・ブルネッレスキです。
透視図法を使った最初の人物とされています!
古代ローマの建築を研究し、サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂の大円蓋を完成させています。
中世時代のゴシック建築では、聖堂や教会を中心に、尖塔アーチやステンドグラスが発達しましたね。
ルネサンス期の建築は、絵画や彫刻と同様の芸術作品として造られ、建築家の個性や、理想的な比率や調和が重視されました✨
宮廷や個人の邸宅(パラッツォ)や、市役所など公共建築にも、個性ある建物が登場するようになりました♪
3級 過去問/Q.25
ウフィツィ美術館は、ルネサンス時代の芸術家たちを支えた、メディチ家のコレクションをもとにした美術館です。もとはトスカーナ公国の官庁でした。
「ウフィツィ」とは、イタリア語の Ufficio(英語でofficesオフィスにあたる語)に由来します。
設計はジョルジョ・ヴァザーリです。
ヴァザーリは、『ルネサンス画人伝』(美術家列伝)の著者!
ルネサンス初期に活躍したイタリア人芸術家と、その作家の特質についてまとめられた重要な資料です✨
サン・ピエトロ大聖堂と
ローマのヴァチカン市国ですね。
【参考図書】
知る、わかる、みえる 美術検定3級問題[基本編 basic] 美術検定実行委員会編 株式会社美術出版社 2021
改訂版 西洋・日本美術史の基本 美術検定1・2・3級公式テキスト 美術検定実行委員会編 株式会社美術出版社 2019
増補新装 カラー版 西洋美術史 高階秀爾監修 株式会社美術出版社 2021
芸術教養シリーズ5 古代から初期ルネサンスまで 西洋の芸術史 造形篇I 水野千依編 株式会社幻冬舎 2013