ドミティラ(ローマ)のカタコンベ
カタコンベは、キリスト教徒が死者の埋葬のために、地中に張り巡らした地下墓所。
2世紀末から4世紀後半にかけて、地中海沿岸のほぼ全域に造られました。
重要なものはローマ周辺に集中しています。
サン カリスト(ローマ)のカタコンベ
サン・ジェンナーロ(ナポリ)のカタコンベ
信者たちは死後の魂の救済を願い、天井や壁の漆喰の上に絵を描きました。
フレスコ画ですね。
《イエスと十二使徒》
ドミティラのカタコンベ
3級 過去問/Q.11
《ユスティニアヌス帝と廷臣たち》(聖堂内陣側壁)
547-548年 モザイク
サン・ヴィターレ聖堂(ラヴェンナ)
そしてこのモザイク画があるサン・ヴィターレ聖堂は、ビザンティン建築の代表的な聖堂です。
3級 過去問/Q.12
440年頃 ガッラ・プラチディア廟堂(ラヴェンナ)
初期キリスト教の教会堂のドームや壁面は、しばしば豪華なモザイクで装飾されています。
この中央の 青年は「キリスト」、羊は「信者」を意味します。
これは『新約聖書』で、イエスが「私は善き羊飼いである」と語ったことによります。
300年頃 ヴァティカン美術館
そしてこの時代、モザイクに描かれた人物は、背が高く目が大きめです。
一つ前の問題に出てきたサン・ヴィターレ聖堂のユスティニアヌス帝王のモザイクなど、その特徴がよくわかりますね。
堂々とした姿は、精神的な強さと、人間の理想像を示しています。
弾圧を避けて地下にカタコンベを造り、その壁や天井にキリストモチーフの絵を描いて、死後の魂の救済を願ったんですね。
3世紀後半 プリシッラのカタコンペ(ローマ)
3級 過去問/Q.13
12世紀初め テンペラ・板
トレチャコフ美術館(モスクワ)
イコノクラスムとは、そのイコンを破壊する運動のこと!
ギリシア語で「肖像」を意味する「エイコン」と「破壊」を意味する「クラオー」に由来します。
3級 過去問/Q.14
1425-27年 テンペラ・板
141.5×114㎝ トレチャコフ美術館(モスクワ)
【参考図書】
知る、わかる、みえる 美術検定3級問題[基本編 basic] 美術検定実行委員会編 株式会社美術出版社 2021
改訂版 西洋・日本美術史の基本 美術検定1・2・3級公式テキスト 美術検定実行委員会編 株式会社美術出版社 2019
増補新装 カラー版 西洋美術史 高階秀爾監修 株式会社美術出版社 2021
芸術教養シリーズ5 古代から初期ルネサンスまで 西洋の芸術史 造形篇I 水野千依編 株式会社幻冬舎 2013