ロマン主義(ドイツ)

フリードリヒ 雲海の上の旅人
フリードリヒ《雲海の上の旅人》 1817年 ハンブルク美術館(ドイツ)

ロマン主義(ドイツ)

イギリスでは、ターナーが大気の揺らぎや、きらめきのある風景、発展を遂げる近代風景を描き、コンスタブルはありのままの自然を描こうとしました。

ドイツでも、多くの風景画が描かれますが、自然への異なる解釈がなされます。
宗教的文学的哲学的内容を重視する傾向が見られます。


主な作家
フリードリヒ 自然の中に超越的な存在を見いだした静謐な風景画
ルンゲ 自然の中から神性を感じるものを再構成

フリードリヒ

カスパー・ダーヴィト・フリードリヒ
Caspar David Friedrich
1774年9月5日~1840年5月7日

ドイツロマン主義を代表する画家
厳しくも崇高な自然を描く

《北極海の難破船》

フリードリヒ 北極海の難破船

1823-24年 油彩・キャンヴァス
96.7×126.9㎝ ハンブルク美術館(ドイツ)

50歳の頃の作品です。
凍った海と それに押しつぶされた船…
当時「風景の悲劇」を発見したと評されています。

《人生の諸階段》

フリードリヒ 人生の諸階段

1817年 油彩・キャンヴァス
72.5×94㎝ ハンブルク美術館(ドイツ)

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ルンゲ

ルンゲ

フィリップ・オットー・ルンゲ
Philipp Otto Runge
1777年7月23日~1810年12月2日
ドイツロマン主義を代表する画家の1人

風景を象徴として描く
初めて三次元の色彩の体系を作る

《朝》

ルンゲ 朝

1808年 油彩・キャンヴァス
109x85.5㎝ ハンブルク美術館(ドイツ)

《1日の四つの時》

エッチングによる連作
《朝》《昼》《夕》《夜》の4つで構成されてます♪

ルンゲ 朝

《朝》Morgen

ルンゲ 昼

《昼》Tag

《夕》Abend

《夜》Nacht

《色球体》

ルンゲ 色球体

ルンゲは、3次元の色彩の体系を作り出し芸術論に貢献しています!

球体の表面(上の2点)と、それらを水平・垂直に切り出した図(下の2点)です。

「色彩論」を書いたゲーテと、書簡のやり取りもあったようです♪


マンセル
カラーシステムに関する初めての本を書いたのが1905年
ルンゲはそれより100年も前です!

ドイツ文学においても、グリム兄弟に創作したものを提供したそう♪

多才ですね~✨

「色球体」に関する著書を出版した1810年に、33歳という若さで亡くなっています。

[参考図書]
改訂版 西洋・日本美術史の基本 美術検定1・2・3級公式テキスト 美術検定実行委員会編 株式会社美術出版社 2019
続 西洋・日本美術史の基本 美術検定実行委員会編 株式会社美術出版社 2018
増補新装 カラー版 西洋美術史 高階秀爾監修 株式会社美術出版社 2021
カラー版 1時間でわかる西洋美術史 (宝島社新書) 宮下規久朗著  宝島社 2018
366日の西洋美術 (366日の教養シリーズ) 瀧澤秀保監修 株式会社三才ブックス 2019
芸術教養シリーズ6 盛期ルネサンスから十九世紀末まで 西洋の芸術史 造形篇II 水野千依編 株式会社幻冬舎 2013

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