◆メソポタミアの美術・特徴
・メソポタミア地方(ティグリス川とユーフラテス川に囲まれた地域)
・エジプトとほぼ同時期に人類最初の文明が始まる
・シュメール人がメソポタミア文明の基礎を築く
・大きな平原の豊かな土地で常に侵略を受けた地域
・異なる国家の支配によってさまざまな美術が生まれる
・くさび形文字で記録を残す
・日干しレンガで家を建てる
・巨大神殿
・金属工芸
・レリーフ
◆年代
紀元前4000年頃 シュメール都市文明
紀元前2400年頃~紀元前2200年頃 アッカド
紀元前2000年頃 バビロニア王朝
紀元前2000年頃~紀元前612 アッシリア
紀元前625年~紀元前538年 新バビロニア
紀元前550年~紀元前330年 アカイメネス朝ペルシア
226年~651年 ササン朝ペルシア
ウルのスタンダード
紀元前2500年
H21.6xW49.5xD4.5㎝
木箱の副葬品
大英博物館所蔵
シュメールの古代遺跡「ウルの王墓」から出土。
貝殻を切って図像を表し、赤色石灰岩をちりばめ、ラピスラズリを地の部分に埋め込んでいます。最初期のモザイクと言われています。
両面に表されているのは「戦争」と「平和」で、下段から上段へむかって物語が展開しています。
スタンダード(旗章・軍旗)と呼ばれていますが、実際の用途は不明。
アッカド王の頭部
紀元前2350年頃
銅製の頭像
イラク国立博物館所蔵
アッカド王サルゴンがシュメール文化を征服し、メソポタミアにはじめて統一王朝を建てます。
支配者を賛美したものがつくられるようになります。
ナムラ・シンの石碑
紀元前2250年頃
高さ 約200㎝ ルーブル美術館
4代王ナラム・シーンの戦争の勝利を祝ったもの。
遠征時の様子で、中央のひときわ大きい王と、それに続く兵士たちが、山岳をバックに表現されています。
記念碑(モニュメント)としては世界最古!
ハンムラビ法典碑
紀元前1792~紀元前1750年
高さ 225㎝
アッカド王朝の後、メソポタミアは長い混乱の時期に入ります。
それを静めて統一させたのがバビロニア王朝です。その偉大な王ハンムラビがまとめた 人類最初の法律です。
上部に神と向き合う王の姿が浮彫りにされ、下部には楔形文字で、法典の全文が刻まれています。
196・197条に「目には目を、歯には歯を」!
家族や奴隷、農業や経済などについて、当時の司法と社会の実態を伝えています。
【参考図書】
改訂版 西洋・日本美術史の基本 美術検定1・2・3級公式テキスト 美術検定実行委員会編 株式会社美術出版社 2019
続 西洋・日本美術史の基本 美術検定実行委員会編 株式会社美術出版社 2018
増補新装 カラー版 西洋美術史 高階秀爾監修 株式会社美術出版社 2021
カラー版 1時間でわかる西洋美術史 (宝島社新書) 宮下規久朗著 株式会社宝島社 2018