エジプトの美術

エジプトの美術 死者の書

エジプトの美術・特徴

エジプト文明は、ナイル川流域で栄えた文明。
・生きている人間のためではなく、王の魂が永遠に生き続けるためのもの
3000年にわたり独特の文化を築く
・メソポタミア文明と同時期に栄える
来世思想
・ピラミッド
緻密な自然描写
・平面的表現

年代
原始~初期王朝時代
 ~紀元前3100年頃
古王国時代 紀元前2700年頃~紀元前2200年頃
中王国時代 紀元前2123年~紀元前1595年
新王国時代 紀元前1567年~紀元前1085年
末期王国時代 紀元前664年~紀元前332年 

ヘシラの肖像

ヘシラの肖像
ヘシラ
Djehouty, CC BY-SA 4.0 , https://commons.wikimedia.org/wiki/File:%C3%84gyptisches_Museum_Kairo_2019-11-09_Hesire_06.jpg

紀元前2680年頃

永遠に王に仕えるために、壁画に描かれた人物は、その姿を完全にわかりやすく描かれました。

 頭部をはっきり見せるために横顔
 目正面向き
 両肩正面から
 腕から

平たくねじれて見えても、エジプト人はわかりやすさを重視しました。

カフラー王坐像

カフラー王
Jon Bodsworth, Copyrighted free use, via Wikimedia Commons

紀元前2550年頃
ギーザ出土 
エジプト考古学博物館蔵


古王国時代第4王朝のファラオ
(フク王の息子)

ギザの三大ピラミッドの1つ、第2ピラミッドを建造しました。

三大ピラミッド

三大ピラミッド
Ricardo Liberato, CC BY-SA 2.0 , https://commons.wikimedia.org/wiki/File:All_Gizah_Pyramids.jpg

紀元前2545年~紀元前2450年頃

手前から
メンカウラー王のピラミッド
 高さ 65.5m(現在62m)・ 底辺 105m(一辺)
カフラー王のピラミッド
 高さ 143.87m(現在は136m)・ 底辺 215.29m(一辺)
フク王のピラミッド
 高さ 146.6m(現在は138.8m)・ 底辺 230m(一辺)

真ん中カフラー王のピラミッドは、高台につくられているため一番大きく見えます。

三大ピラミッド 配置図
Wikiwikiyarou origined by MesserWoland, CC BY 3.0 , https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Giza_pyramid_complex_japanese_(map).svg

太陽神ラーの子といわれたエジプト王は、死んだ後も神々のもとで永遠に生き続けると信じられていました。

よって再び魂が戻るときのために、遺体をミイラとし、永遠に保つための墓として、ピラミッドをつくったといわれています。

しかし近年では異なる説も出ています。

スフィンクス
https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/d/d3/Great_Sphinx_of_Giza_May_2015.JPG
MusikAnimal, CC BY-SA 3.0 , via Wikimedia Commons

カフラー王の第2ピラミッドとともに作られた大スフィンクス

人間の頭部とライオンの身体を持ち、ファラオ(王)の偉大さを示すシンボルです。

全長73.5m 高さ20m 幅19m
一枚岩から彫り出された世界最大の像です♪

中王国時代

ハトシェプスト女王葬祭殿

ハトシェプスト女王葬祭殿

ルクソール

古代エジプト唯一の女性のファラオである、ハトシェプスト(紀元前1479-紀元前1458年頃)が造営した葬祭殿。

ハトシェプスト女王葬祭殿
『オシリス神列像』 Neithsabes, CC BY-SA 3.0 , https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Deir_el_Bahari_080410.jpg

公的な場では男装していたそう!
戦争を好まず、平和外交でエジプトを繁栄させました。

新王国時代

ツタンカーメン王の黄金のマスク

ツタンカーメン
Roland Unger, CC BY-SA 3.0 , https://commons.wikimedia.org/wiki/File:CairoEgMuseumTaaMaskMostlyPhotographed.jpg
ツタンカーメン 背面 
マスク背面 Tarekheikal, CC BY-SA 4.0 , https://commons.wikimedia.org/wiki/File:King_Tut_Mask_front_and_back_(cropped).jpg

紀元前1355年頃
テーベ出土

ツタンカーメンは第18王朝(紀元前14世紀)の王。推定18~19歳。

王家の谷にある墓には、1922年にこの黄金のマスクと共に、多くの副葬品がほぼ完全な形で発見されました。

病死と言われていますが…

王妃ネフェルティティ胸像

ネフェルティティ 胸像
Philip Pikart, CC BY-SA 3.0 , https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Nofretete_Neues_Museum.jpg

紀元前1351年~紀元前1344年頃
アマルナ出土  彩色石灰岩彫刻

ツタンカーメンの義母ですね。
「ネフェルティティ」は、「美しい人の訪れ」という意味です。

彫刻家トトメスによる制作。

死者の書

死者の書

紀元前1300年頃 エジプト博物館蔵

死者の魂が肉体を離れて死後の楽園へ向かうという、来世思想を描いた書。
頭部・手足に、胴体正面から表し、重要人物大きく描かれています。
この形態での人物表現は、古代エジプトに一貫しています。

【参考図書】
改訂版 西洋・日本美術史の基本 美術検定1・2・3級公式テキスト 美術検定実行委員会編  株式会社美術出版社  2019
続 西洋・日本美術史の基本  美術検定実行委員会編 株式会社美術出版社  2018
増補新装 カラー版 西洋美術史  高階秀爾監修 株式会社美術出版社  2021
カラー版 1時間でわかる西洋美術史 (宝島社新書)  宮下規久朗著  株式会社宝島社  2018

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