◆エジプトの美術・特徴
・エジプト文明は、ナイル川流域で栄えた文明。
・生きている人間のためではなく、王の魂が永遠に生き続けるためのもの
・3000年にわたり独特の文化を築く
・メソポタミア文明と同時期に栄える
・来世思想
・ピラミッド
・緻密な自然描写
・平面的表現
◆年代
原始~初期王朝時代 ~紀元前3100年頃
古王国時代 紀元前2700年頃~紀元前2200年頃
中王国時代 紀元前2123年~紀元前1595年
新王国時代 紀元前1567年~紀元前1085年
末期王国時代 紀元前664年~紀元前332年
ヘシラの肖像
紀元前2680年頃
永遠に王に仕えるために、壁画に描かれた人物は、その姿を完全にわかりやすく描かれました。
頭部をはっきり見せるために横顔
目は正面向き
両肩と胸も正面から
腕と足は横から
平たくねじれて見えても、エジプト人はわかりやすさを重視しました。
カフラー王坐像
紀元前2550年頃
ギーザ出土
エジプト考古学博物館蔵
古王国時代第4王朝のファラオ
(フク王の息子)
ギザの三大ピラミッドの1つ、第2ピラミッドを建造しました。
三大ピラミッド
紀元前2545年~紀元前2450年頃
手前から
メンカウラー王のピラミッド
高さ 65.5m(現在62m)・ 底辺 105m(一辺)
カフラー王のピラミッド
高さ 143.87m(現在は136m)・ 底辺 215.29m(一辺)
フク王のピラミッド
高さ 146.6m(現在は138.8m)・ 底辺 230m(一辺)
真ん中カフラー王のピラミッドは、高台につくられているため一番大きく見えます。
太陽神ラーの子といわれたエジプト王は、死んだ後も神々のもとで永遠に生き続けると信じられていました。
よって再び魂が戻るときのために、遺体をミイラとし、永遠に保つための墓として、ピラミッドをつくったといわれています。
しかし近年では異なる説も出ています。
カフラー王の第2ピラミッドとともに作られた大スフィンクス!
人間の頭部とライオンの身体を持ち、ファラオ(王)の偉大さを示すシンボルです。
全長73.5m 高さ20m 幅19m
一枚岩から彫り出された世界最大の像です♪
中王国時代
ハトシェプスト女王葬祭殿
ルクソール
古代エジプト唯一の女性のファラオである、ハトシェプスト(紀元前1479-紀元前1458年頃)が造営した葬祭殿。
公的な場では男装していたそう!
戦争を好まず、平和外交でエジプトを繁栄させました。
新王国時代
ツタンカーメン王の黄金のマスク
紀元前1355年頃
テーベ出土
ツタンカーメンは第18王朝(紀元前14世紀)の王。推定18~19歳。
王家の谷にある墓には、1922年にこの黄金のマスクと共に、多くの副葬品がほぼ完全な形で発見されました。
病死と言われていますが…
王妃ネフェルティティ胸像
紀元前1351年~紀元前1344年頃
アマルナ出土 彩色石灰岩彫刻
ツタンカーメンの義母ですね。
「ネフェルティティ」は、「美しい人の訪れ」という意味です。
彫刻家トトメスによる制作。
死者の書
紀元前1300年頃 エジプト博物館蔵
死者の魂が肉体を離れて死後の楽園へ向かうという、来世思想を描いた書。
頭部・手足は横に、胴体は正面から表し、重要人物は大きく描かれています。
この形態での人物表現は、古代エジプトに一貫しています。
【参考図書】
改訂版 西洋・日本美術史の基本 美術検定1・2・3級公式テキスト 美術検定実行委員会編 株式会社美術出版社 2019
続 西洋・日本美術史の基本 美術検定実行委員会編 株式会社美術出版社 2018
増補新装 カラー版 西洋美術史 高階秀爾監修 株式会社美術出版社 2021
カラー版 1時間でわかる西洋美術史 (宝島社新書) 宮下規久朗著 株式会社宝島社 2018