初期中世の美術

「福音書記者聖マタイ像』/『リンディスファーンの福音書』698~721年頃 大英図書館(ロンドン) British Library, CC0, https://commons.wikimedia.org/wiki/File:St._Matthew_-_Lindisfarne_Gospels_(710-721),_f.25v_-_BL_Cotton_MS_Nero_D_IV.jpg

476年の西ローマ帝国の滅亡からイタリア・ルネサンスまでの約1000年を「中世」と呼びます。そのうちの10世紀頃までの美術が「初期中世の美術」です。

西ローマ帝国が滅んだ後に、北方のゲルマン民族のフランク王国が、現在のイタリア、フランス、ドイツへと、勢力をのばし、領土を支配していきました。

ローマ美術とケルン、ゲルマン民族の伝統、ビザンティンが融合して、初期中世の美術が生まれます。

年代 5~10世紀
地域 ドイツ・フランス・アイルランド
キーワード ゲルマン民族・修道院・ゲルト美術・装飾写

ヒルデリーヒ1世の宝物

PD

480年頃
象嵌などによる貴金属工芸品
フランス国立図書館(パリ)

ゲルマン諸部族は、武具装身具などに豪華な装飾を施す金属工芸に秀でていました。

荘厳のキリスト/ペンモの祭壇

Welleschik, CC BY-SA 3.0 , https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Cividale_Ratchis1.JPG

737~744年

大理石
144×90×88㎝

大聖堂付属美術館
チヴィダーレ・フリウリ(イタリア

 

古代ギリシア・ローマ美術のような、人間像中心の芸術とは無縁だったゲルマン諸部族。彼らが表現したキリスト教の図像は、様式化された人間像で、浅い彫りに、規則的な形を繰り返した装飾的なものでした。

Wolfgang Sauber, CC BY-SA 3.0 , https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Cividale_Ratchisaltar_-_Glorie_Christi_1.jpg
I, Sailko, CC BY-SA 3.0 , https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Cividale,_museo_cristiano,_altare_del_duca_rachis_01.JPG

モノグラムXP 1/ケルズの書

PD

800年頃

キリストのモノグラム

複雑な装飾文様、装飾写本

「ケルズの書」は三大福音書写本のひとつ

トリニティ大学図書館(ダフリン)

6世紀ころから各地に修道院が建てられ始まると、聖書を写した本「装飾写本」がつくられるようになります。
アイルランドでは、組紐文様渦巻き文様など、ケルト独特の豪華な装飾文様が主体でした。

Ajay Suresh from New York, NY, USA, CC BY 2.0, https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Trinity_College_-_Book_of_Kells_(49540675332).jpg

十字架/リンディスファーンの書

PD

8世紀頃

H36×W25㎝

十字架を装飾したデザイン

「リンディスファーンの書」も三大福音書の1つ

大英図書館(ロンドン)

福音書記者聖マルコ像/アダの福音書

Emmelinebq, CC0

800年頃(カリング朝)

写本

トリーア市立図書館

 

色彩あふれる豪華な写本は、主に宮廷周辺の工房で作られました。

ペテロの足を洗うキリスト

PD

オットー三世の福音書

10世紀末頃

バイエルン州立図書館(ミュンヘン)