盛期ルネサンスの後のイタリア、1530年頃、奇抜さや技巧を凝らした様式「マニエリスム」が登場します。
細長く伸ばされた人物や、入り組んだポーズ、冷たく鮮やかな色彩などが特徴。それまでの完成されたルネサンス的調和や均衡を崩して、独特な表現を追求しています。社会的にも宗教的にも不安定な時代に、不安感漂う緊張感のある作品が描かれました。
「マニエリスム」は、「様式」や「手法」を意味するイタリア語の「マニエラ」が語源。今日使われているマンネリズム(マンネリ)も、ここから派生した言葉です。
やがてフランスやプラハやウィーンと、欧州各地へ広がり、各地の宮廷を中心に広まりました。
明暗や遠近を強調した動的な構成は、バロック様式へと繋がります。
時代 16世紀~17世紀初め
キーワード 人体のねじれ・冷たく鮮やかな色・遠近法の誇張・明暗のコントラスト・寓意画・螺旋構図