美術検定3級 過去問/Q.52~55(マニエリスム)

マニエリスム様式に関する記述のうち正しいものは?
①「型どおりで新鮮味がないこと」を意味する言葉が語源
② 16世紀のフランスで興り、やがてヨーロッパ中に影響を及ぼした
③ 調和と均整を重んじた画面構成や人体表現が特徴
④ ミケランジェロの後期の作品は、その先駆といわれている
出典:美術検定実行委員会・編『美術検定3級問題集-知る、わかる、みえる』 (株)美術出版社 2021  p.38
ミケランジェロ 勝利の女神

《勝利の天才》
1532-34年 大理石
H261㎝ ヴェッキオ宮殿(フィレンツェ)

答え ➃ ミケランジェロの後期の作品は、その先駆といわれている

マニエリスムは、盛期ルネサンスの後、イタリアで展開した美術様式です。
16世紀の初めから17世紀初頭にかけて、ヨーロッパの宮廷を中心に広まりました。

様式・手法」を意味する「マニエラ」が語源です。
現在使われている「マンネリズム(マンネリ)」も、ここから派生した言葉です。

完成された盛期ルネサンス美術の「調和」をあえて崩し、技法をこらして人口的な美を追求しています。

細長く伸ばされた人体や、大胆な構図鮮やかな色彩などが特徴で、明暗遠近を強調した動きのある構成は、バロック様式へと繋がる要素です。

上の彫刻も、下も、ミケランジェロ後期の作品です。

ミケランジェロ メディチ家礼拝堂 
shakko, CC BY-SA 3.0 , via Wikimedia Commons
https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Tomb_of_Giuliano_de%27_Medici_(casting_in_Pushkin_museum)_by_shakko_04.jpg

ミケランジェロ
《昼》
大理石 メディチ家礼拝堂(フィレンツェ)

ひねりを加えた身体表現は、ミケランジェロ独特で「蛇状曲線体」と呼ばれ、古典的比例さえ超える「優美」だと評価されていました。

またこの時代、王侯貴族学者などのインテリ層に知的な作品を求められ、寓意画が多く描かれました。

3級 過去問/Q.53

人物の表情やデフォルメされた体つきなどが、不安をかきたてるような《十字架降下》を描いたマニエリスムの画家は?
① パルミジャニーノ
② ピエロ・ディ・コモジ
③ ポントルモ
④ ティントレット
出典:美術検定実行委員会・編『美術検定3級問題集-知る、わかる、みえる』 (株)美術出版社 2021  p.38
ポントルモ 十字架降降下

《十字架降下》
1525-28年頃  テンペラ
313×192㎝ サンタ・フェリチタ聖堂 カッポーニ礼拝堂(フィレンツェ)

答え ③ ポントルモ

描いたのは、ヤコポ・ダ・ポントルモ(1494-1557)。 

ポントルモ

鮮やか冷たい色使や、重量感のない謎めいた人物、曖昧な空間表現が特徴です。

盛期ルネサンス美術を模範としつつ、異なる独自の表現を模索しました。

こちらは、ポントルモと同じ工房で修業した、ロッソ・フィオレンティーノ(1494-1540)の《十字架降下》

ロッソ

ヴァザーリによるロッソ

ロッソ・フィオレンティーノ 十字架降下

《十字架降架》
1521年 油彩・木
375×196㎝ ヴォルテラ美術館

3級 過去問/Q.54

この作品の作者は?
① ミケランジェロ
② ジャンボローニャ
③ パンディネッリ
④ アンマナーティ
出典:美術検定実行委員会・編『美術検定3級問題集-知る、わかる、みえる』 (株)美術出版社 2021  p.38
ジャンボローニャ サビニの女の略奪 

《サビニの女の略奪》
1579-83年 大理石
H410㎝ ロッジア・ディ・ランツィ(フィレンツェ)

答え ② ジャンボローニャ

マニエリスムの彫刻家、ジャンボローニャ(1526-1608)。

ジャンボローニャ

フランドルの生まれですが、ローマで古代彫刻ミケランジェロを研究。その後フィレンツェで活動しています。

この彫刻は、大理石の塊から彫り出されたもの!

どの角度から見ても、3人がらせん状につらなっており、ミケランジェロねじれによる情念の表現が受け継がれています。

3級 過去問/Q.55

スペインで活動したマニエリスムの画家、エル・グレコの出身地は?
① イタリア
② ギリシア
③ フランス
④ モロッコ
出典:美術検定実行委員会・編『美術検定3級問題集-知る、わかる、みえる』 (株)美術出版社 2021  p.38
エル・グレコ ラオコーン

エル・グレコ 《ラオコーン》
1610-14 油彩・キャンヴァス
142×193㎝ ナショナルギャラリー(ロンドン)

答え ② ギリシア

エル・グレコ(1541-1614)は、「ギリシア人」を意味するあだ名で、本名はドメニコス・テオトコブーロスです。

エル・グレコ 自画像

《男の肖像》おそらく自画像
1595~1600年頃 油彩・キャンヴァス
52.7×46.7㎝ 
メトロポリタン美術館(NY)

クレタ島で生まれ、イタリアでティツィアーノから色彩を学びます。16世紀後半からスペインのトレドへ。

独特の縦に引き伸ばされた人体描写と、動きのあるタッチを用いて、神秘的な宗教画を描いています。

こちらは10頭身!

エル・グレコ 無原罪のお宿り

《無原罪のお宿り》
1608-13年 油彩・キャンヴァス
348×174.5㎝ サンタ・クルス美術館(スペイン)

【参考図書】
知る、わかる、みえる 美術検定3級問題[基本編 basic] 美術検定実行委員会編  株式会社美術出版社  2021
改訂版 西洋・日本美術史の基本 美術検定1・2・3級公式テキスト 美術検定実行委員会編  株式会社美術出版社  2019
増補新装 カラー版 西洋美術史  高階秀爾監修 株式会社美術出版社  2021
この絵、誰の絵? 100の名作で西洋・日本美術入門  佐藤晃子著  株式会社美術出版社  2019

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