3級 過去問/Q.19
14世紀頃になると、ヨーロッパでは都市の経済か活性化します。
技術や生産力の発展により、「人間」であることに自信や誇りを持つ「人文主義」という新しい精神が生まれます。
神が中心だった中世から、自然の美や人間性の回復へと、人々の価値観が変わっていき、創造力あふれる文化を残した古代ギリシア・ローマを再生しようとしました。
神話を題材とした作品も多く制作されるようになります。
ボッティチェリ 《ヴィーナスの誕生》
ルネサンスといえばこのヴィーナスですね!
裸体を前面に出した作品の登場です♪
3級 過去問/Q.20
15世紀前半の初期ルネサンスは、まさにフィレンツェの時代です。
中世ヨーロッパの都市国家の1つ フィレンツェ では、教会や組合に加えて富裕市民階級が台頭し始めます。その筆頭がフィレンツェの大銀行家一族、メディチ家です!
「祖国の父」と呼ばれたコジモ・ディ・メディチは、造営事業とともに文化に対しても積極的に支援し、それまで職人とされていた芸術家の地位向上にも貢献しました。
このメディチ家が15世紀に、フィレンツェの文化を開花させる原動力となります。
3級 過去問/Q.21
工房の職人は、親方のもとで共同・分担して制作に携わり、様々な技術を高めていきました。
ヴェロッキオ 《キリストの洗礼》
1470-72年頃 油彩・板
1470-72年頃 油彩・板
177×151㎝ ウフィツィ美術館(フィレンツェ)
この作品を描いたアンドレア・デル・ヴェロッキオは、ありのままの人体の美しさを表現した画家です。
専門は彫刻でしたが、絵画や版画、鋳造、金細工、機械工学、数学、音楽などの才能を持ち、教育家としても第一人者でした。
彼の工房ではレオナルド・ダ・ヴィンチや、ラファエロの師といわれるペルジーノも修業しています。
この作品の 左側の天使や背景を、レオナルドに描かせたといわれています!
3級 過去問/Q.22
《ダヴィデ》
1440年頃 ブロンズ
H158㎝ バルジェロ国立博物館(フィレンツェ)
1440年頃 ブロンズ
H158㎝ バルジェロ国立博物館(フィレンツェ)
ドナテッロは、古代の理想の復活を彫刻の分野で大胆に表現しました。
この《ダヴィデ》はメディチ家の依頼で制作されたもの!
古代彫刻の特徴であるコントラポストに、聖書の英雄の裸体表現という、大胆な試みに挑みました。コントラポストは、片足に体重をかけた動きのあるポーズでしたね♪
この作品は、旧約聖書の『サムエル記』に記された、ダヴィデとゴリアテ(ペリシテ軍最強の巨人兵)のエピソードをモチーフにした作品です。
イスラエル軍とペリシテ軍との戦争で、誰もが恐れたゴリアテとの一騎打ちに、まだ羊飼いのダヴィデが名乗りをあげます。そして投石器でゴリアテをみごと倒し、奪い取った剣でその首を落としてイスラエル軍を救います。
ダヴィデの特別な力と、善は悪に打ち勝つということを描写したエピソードです。
身につけているのは月桂樹で飾られた兜と、長靴と、ゴリアテから奪い取った剣のみで、倒したばかりのゴリアテの首を踏みつけています!
中世の彫刻は、建築と係るものが多かったですが、ルネサンス期には古代ギリシア・ローマ時代のように、独立した像が増えて記念碑的なものも増えていきます。
この作品は、2本足だけで立つ独立像として古代以後、最初のものです。
【参考図書】
知る、わかる、みえる 美術検定3級問題[基本編 basic] 美術検定実行委員会編 株式会社美術出版社 2021
改訂版 西洋・日本美術史の基本 美術検定1・2・3級公式テキスト 美術検定実行委員会編 株式会社美術出版社 2019
増補新装 カラー版 西洋美術史 高階秀爾監修 株式会社美術出版社 2021
芸術教養シリーズ5 古代から初期ルネサンスまで 西洋の芸術史 造形篇I 水野千依編 株式会社幻冬舎 2013