近代建築

パリ・オペラ座 大階段
パリ・オペラ座
SONG, CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons
https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Opera_Garnier_Grand_Escalier.jpg

近代建築

近代建築の特徴
・18〜19世紀、古代建築の研究が進み、古典的な様式をもとにした建築が盛んにつくられる
・19世紀中頃、鉄・ガラス・鉄筋コンクリートなど、大量生産可能な新素材が登場
・技術の発展で、構造と機能を重視した建築が可能に
・装飾を減らし、合理的で実用的な設計をめざす
・都市化・工業化により建築用途が多様化
・19世紀末〜20世紀初頭、新しい表現を求める動き(アール・ヌーヴォーなど)が起こる
・機能的で創造的なモダン建築へ発展

主な建築物/設計者
 エトワール凱旋門(フランス)/ジャン・シャルグラン
 クリスタル・パレス(イギリス)/ジョセフ・パクストン 
 パリ・オペラ座(フランス)/シャルル・ガルニエ 
 サグラダ・ファミリア
(スペイン)/アントニ・ガウディ
 地下鉄アベス駅入口(フランス)/エクトル・ギマール 
 ウィーン郵便貯金局(オーストリア)/オットー・ワーグナー

エトワール凱旋門

エトワール凱旋門
Lemaître, graveur, CC0, da Wikimedia Commons

1806-36年

エトワール凱旋門は、アンピール(エンパイア)様式を代表する記念建築です。この様式はナポレオンの遠征を背景に、パリからヨーロッパ各地、さらにはロシアまで広がった、新古典主義を基調とする壮麗でシンプルな様式です。

古代ギリシャ・ローマの厳格な構成を基本としながら、エジプトのモチーフなども取り入れられています。

エトワール凱旋門
Jiuguang Wang, CC BY-SA 2.0, via Wikimedia Commons
https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Arc_de_Triomphe,_Paris_21_October_2010.jpg
エトワール凱旋門 レリーフ
François Rude sculpteur; photographe: Alvesgaspar, CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons
https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Paris_July_2011-16a.jpg
ジャン・フランソワ・シャルグリン

ジャン・フランソワ・シャルグラン
Jean-François Chalgrin
1739年 – 1811年1月21日
フランス

フランスの新古典主義建築家。ルイ16世時代から活躍し、古代ローマ建築を理想とする厳格で均整のとれた様式を追求。

クリスタル・パレス(水晶宮)

クリスタル・パレス

1851年

1851年、ロンドンでの第1回万国博覧会の会場として建設されました。
ジョセフ・パクストンが設計。鉄骨とガラスを用いた、装飾のない巨大な建造物です。
規格化されたパーツを組み合わせて建てられ、大型化や機能性の追求といった後の建築に、大きな影響を与えました。

展示会終了後に移設されましたが、のちに火災で焼失しています。

クリスタル・パレス

1854年 移転後

ジョセフ・パクストン

ジョセフ・パクストン
Joseph Paxton
1803年8月3日 – 1865年6月8日
イギリス

造園家・建築家。温室建築の技術に優れ、鉄とガラスを用いた革新的な構造を生み出す。後に技術者・議員としても活躍。近代建築への道を拓く。

パリ・オペラ座(ガルニエ宮)

パリ・オペラ座 大階段
Thomas Claveirole, CC BY-SA 2.0, via Wikimedia Commons
https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Escalier_du_palais_Garnier.jpg

大階段 1861-75年 

Alexander Hoernigk, CC BY 3.0, via Wikimedia Commons

外観 

1875年に開館したパリ・オペラ座です。設計は、シャルル・ガルニエ
古代ギリシア・ローマ、中世、ルネサンスなど、過去の時代の様式を巧みに組み合わせてつくられた華麗な劇場建築です。特に華やかな大階段は、社交の場として重要な役割を果たしました。

シャルル・ガルニエ

シャルル・ガルニエ
Charles Garnier
1825年11月6日 – 1898年8月3日
フランス

豪華な装飾と華やかな空間演出に優れた19世紀フランスを代表する建築家。さまざまな公共建築の設計にも携わる。

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サグラダ・ファミリア

Enric, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons
https://commons.wikimedia.org/wiki/File:303_Bas%C3%ADlica_de_la_Sagrada_Fam%C3%ADlia,_fa%C3%A7ana_del_Naixement_i_estany_de_la_pl._Gaud%C3%AD_(cropped).jpg

1882年-

サグラダ・ファミリア
Julian Lupyan, CC0, via Wikimedia Commons
Canaan, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons
https://commons.wikimedia.org/wiki/File:SF_-_%C3%81rbol_de_la_Vida.jpg

アントニ・ガウディが設計したサグラダ・ファミリアは、1882年から建設が続くカトリック教会です。ガウディはアール・ヌーヴォーを基盤としつつ、自然を思わせる有機的な曲線や、独自の構造技法を取り入れました。現代まで多くの建築家が継承し、未完成のまま建設が進められているバルセロナの象徴的な建築です。

ガウディ

アントニ・ガウディ
Antoni Gaudí
1852年6月25日 – 1926年6月10日
スペイン

建築家。自然の形態から着想を得た有機的なデザインを追求。30代の頃から才能を大きく花開かせ、サグラダ・ファミリアを中心に、グエル公園やアパートメント建築など、バルセロナに象徴的な作品群を残す。

地下鉄アベス駅入口

地下鉄アベス駅
Arthur Weidmann, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons
https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Edicule_Abbesses_1.jpg

地下鉄アベス駅入口
1899-1904年

地下鉄アベス駅
Arthur Weidmann, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons
https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Edicule_Abbesses_3.jpg
地下鉄アベス駅
Chabe01, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons
https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Acc%C3%A8s_Station_M%C3%A9tro_Abbesses_Place_Abbesses_-_Paris_XVIII_(FR75)_-_2022-01-29_-_7.jpg

設計はエクトル・ギマール。パリの地下鉄の駅の入口です。
植物をモチーフにした有機的デザイン。アール・ヌーヴォーを代表するデザインです。
街の公共インフラに芸術性を持ち込みました。

アール・ヌーヴォー(新しい芸術)は、パリの美術商(通称サミュエル・ビング)の店の名前に由来。19世紀末、フランスを中心に広まった新しい装飾美術の傾向。有機的フォルムやジャポニスムの影響などが特徴。

エクトル・ギマール
Hector Guimard
1867年3月10日 – 1942年5月20日
フランス

アール・ヌーヴォー様式を代表する建築家・デザイナー。植物的な曲線や鉄・ガラスを駆使した装飾を特徴とする。建築・家具・装飾品までをトータルに手がけ、「スタイル・ギマール」と称された独自の表現を打ち立てる。

ウィーン郵便貯金局

C. Cossa, CC BY-SA 3.0 AT, via Wikimedia Commons
https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Wagner_cossa.jpg

メインホール
1906年

ウィーン郵便貯金局
C.Stadler/Bwag, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons
https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Wien_-_%C3%96sterreichische_Postsparkasse,_Georg-Coch-Platz.JPG

外観

ウィーン郵便貯金局 吹き抜け
Geolina163, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons
https://commons.wikimedia.org/wiki/File:PSK_Treppenhaus_8.jpg

階段 吹き抜け

ワーグナーが設計したウィーンの郵便貯金局です。構造を見せるデザインと採光が特徴の合理的建築です。装飾をおさえて機能性を重視した、初期モダニズムを代表する作品です。

ワーグナー

オットー・ワーグナー
Otto Wagner
1841年7月13日 – 1918年4月11日
オーストリア

建築家。鉄やガラスなど新素材を積極的に取り入れ、装飾よりも機能や構造を重視したデザインを推進。ウィーン分離派を率いて近代建築への転換を導いた、モダニズムの先駆者。

【参考図書】
改訂版 西洋・日本美術史の基本 美術検定1・2・3級公式テキスト 美術検定実行委員会編 株式会社美術出版社 2019
続 西洋・日本美術史の基本 美術検定実行委員会編 株式会社美術出版社 2018
増補新装 カラー版 西洋美術史 高階秀爾監修 株式会社美術出版社 2021
カラー版 1時間でわかる西洋美術史 (宝島社新書) 宮下規久朗著  宝島社 2018
366日の西洋美術 (366日の教養シリーズ) 瀧澤秀保監修 株式会社三才ブックス 2019
芸術教養シリーズ6 盛期ルネサンスから十九世紀末まで 西洋の芸術史 造形篇II 水野千依編 株式会社幻冬舎 2013

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