
《出現》
1875年頃 油彩・キャンヴァス
142×103㎝ ギュスターヴ・モロー美術館(パリ)
ギュスターヴ・モロー(1826-1898)は、19世紀末フランスの画家。
「目に見えないものしか信じない」として、感情や精神を象徴的に描く「象徴主義」の先駆者です。
(象徴主義は印象派と並行して進展)
聖書や神話を題材に、抽象的な概念や、魅惑的で邪悪な女性像を描きました✨

自画像 1850年
当時、美しさで男を破滅へと導く悪女「ファム・ファタル(運命の女)」が、西洋の絵画や小説の題材として人気がありました♪
この作品は新約聖書で、父であるヘロデ王の誕生日に、踊りを披露した褒美として、洗礼者ヨハネの首を望んだ王女サロメ…… この話をベースに描かれています。
この頃フランスでは、首を切り落とす「ギロチン」が普及しつつあったようで…… 生首が登場する絵を残しているのは、その影響ではないかと考えられています。
モローって、マティスやルオーの先生でもありましたよ!

エドヴァルド・ムンク(1863-1944)は、19世紀末のノルウェーの画家。
早くに身内を次々と失ったムンク。不幸な体験が影をおとし、孤独や不安をテーマに作品を描き続けました。
暗い色調とうねるようなタッチが特徴ですね。

1894年撮影
耳をふさいでいるのは(叫んではいません)ムンク自身。
日没前に赤く染まった雲を見て「自然を貫く果てしない叫び」を恐れ、それを聞くまいと耳をふさいでいます。
この《叫び》は「生命のフリーズ」という連作のひとつです。
この絵のエネルギ―って、すごいですよね! 恐怖の感情がストレートに伝わります。
大胆な色彩とデフォルメされた形態、人の激しい感情や内面を、ストレートに強調した芸術運動を「表現主義」といいますが、ムンクはその生みの親と言われています。
負の感情に着目した点が独特です。
他の答えの作品も確認を♪
ムンクと同時期に活躍したドイツの画家で、死の静寂を漂わせる作品を描いています。

1900年
ギリシア生まれのイタリア人画家。
シュルレアリスムの先駆者として、大きな影響を与えました。
ごめんなさい。画像探せず。夜の宮殿を裸の女性が歩いている絵です。
似た作品がこちら👇
デ・キリコとデルヴォーは、共に20世紀の画家で、日常とは違う奇妙な風景を描いています。
【参考図書】
知る、わかる、みえる 美術検定4級問題[入門編 introduction] 美術検定実行委員会編 株式会社美術出版社
改訂版 西洋・日本美術史の基本 美術検定1・2・3級公式テキスト 美術検定実行委員会編 株式会社美術出版社 2019
続 西洋・日本美術史の基本 美術検定実行委員会編 株式会社美術出版社 2018
増補新装 カラー版 西洋美術史 高階秀爾監修 株式会社美術出版社 2021
この絵、誰の絵? 100の名作で西洋・日本美術入門 佐藤晃子著 株式会社美術出版社 2019
366日の西洋美術 (366日の教養シリーズ) 瀧澤秀保監修 株式会社三才ブックス 2019