美術検定3級 過去問/Q.275~281(色彩)

赤・青・緑は何の三原色でしょう?
① 光
② 絵具
③ 印刷インク
④ 染料
出典:美術検定実行委員会・編『美術検定3級問題集-知る、わかる、みえる』 (株)美術出版社 2021  p.138
光の三原色
答え ① 光

「光の三原色」です。
  赤 Red
  緑 Green
  青 Blue

それぞれのアルファベット綴りの頭文字から「RGB」と呼ばれます。

PCの画面や、テレビなどの映像に表れる色は、この3色の組み合わせから成り立っています。電飾の看板やライトなどもですね。

こちら光の方は、色が混ざるごとに明るさを増していくので、加法混色加算混合)といいます。

3色を同量ずつ混ぜると色の光になり、どの色も光っていない状態がです。

3級 過去問/Q.276

絵具の三原色の正しい組み合わせは、次のうちどれですか?
① 赤・黒・黄
② 青・黒・黄
③ 赤・青・黄
④ 白・青・黄
出典:美術検定実行委員会・編『美術検定3級問題集-知る、わかる、みえる』 (株)美術出版社 2021  p.138
答え ③ 赤・青・黄

こちらは「色(絵具)の三原色」です。 
  赤(マゼンタ)
  青(シアン)
  黄(イエロー)

色の三原色

光が当たって反射して見える色で、本やチラシなど印刷物がこちらですね。

原色とは、混色によって作ることができない色のこと。

逆にこの3色(または2色)を、適当な割合で混ぜ合わせることで、様々な色をつくることができます。

すべて混ぜるとになりますが、正確には暗い灰色です。よって印刷では、黒のインクを別に使います。

3級 過去問/Q.277

絵具は色光と異なり、混色するともとの色より鈍くなりますが、それを何と呼ぶでしょう?
① 減算混合
② 割算混合
③ 掛算混合
④ 加算混合
出典:美術検定実行委員会・編『美術検定3級問題集-知る、わかる、みえる』 (株)美術出版社 2021  p.138
答え ① 減算混合

絵具インクは、色を混ぜるほど色が暗くなっていきます。これを「減算混合(減法混色)」といいます。

パレットの上で、絵具をいろいろとまぜていくと、どんどんにぶい色になっていった体験が、誰しもきっとありますよね!

2つ前の問題に出てきましたが、の方は「加算混合(加法混色)」でした。色が混ざるごとに明るさを増していきます。

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3級 過去問/Q.278

色は、色相、明度、彩度によって区別されます。赤や黄といった色味を色相、明るさの度合いを明度といいますが、彩度とはなんでしょう?
① 色の鮮やかさ
② 混色の度合い
③ 色の温度差
④ 顔料の種類
出典:美術検定実行委員会・編『美術検定3級問題集-知る、わかる、みえる』 (株)美術出版社 2021  p.138
答え ① 色の鮮やかさ

色は、色相・明度・彩度の3つの属性で区別されます。

色相」 赤味や黄味といった色味の違いのこと

明度」 明るさの度合いのこと
 明度が高い = 明るい色・白に近づく
 明度が低い = 暗い色・黒に近づく

彩度」 色の鮮やかさのこと
 彩度が高い = 鮮やかな色
 彩度が低い = 落ち着いた色
それぞれの色の中で、最も彩度が高い(最も鮮やかな)色が「純色」です。

また、色は大きく分けると、3要素を持つ有彩色と、明度のみで変化する無彩色に分かれます。

3級 過去問/Q.279

補色の説明として、正しいものはどれですか?
① 肌色や空色などのこと
② 暖色と寒色のこと
③ 有彩色と無彩色のこと
④ 色相環で対称の位置に置かれた反対色
出典:美術検定実行委員会・編『美術検定3級問題集-知る、わかる、みえる』 (株)美術出版社 2021  p.140
答え ④ 色相環で対称の位置に置かれた反対色
色相環 補色

いわゆる反対色のことですね。

色相環は、図のように主な色相(赤・青・黄・緑・紫など)を、円状に等間隔で並べて、中間色を配置したものです。

補色」は、その色相環で対称の位置に置かれた反対色

補色関係にある2つの色を、一定の割合で混ぜ合わせると、無彩色(光の場合は白・色材の場合は灰色)に近い色になります。

補色を並べた配色は、コントラストが強く、絵画やデザインでは、鮮やかさを強調するため、効果的に使われることもあります。

補色
Ellywa, CC BY-SA 4.0 , via Wikimedia Commons
https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/a/a3/Contrast_of_complementary_colors.svg

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3級 過去問/Q.280

色彩の中で、青や緑のように遠ざかるように感じる色は何と呼ばれますか?
① 基準色
② 後退色
③ 保護色
④ 平準色
出典:美術検定実行委員会・編『美術検定3級問題集-知る、わかる、みえる』 (株)美術出版社 2021  p.140
答え ② 後退色

色は見る人の奥行き感に影響を与えます。

などの寒色は、遠く、引っ込んで見えることから後退色と呼ばれます。

逆に、などの暖色は、実際の距離よりも近く、飛び出して見えることから進出色と呼ばれます。

👇こちらのサイトでサッと確認できますよ。

このような特徴は、古くから絵画の遠近法に応用されています。
現代では、標識などの視覚伝達デザインや、空間デザインの分野で、効果的に使われています。

3級 過去問/Q.281

15~16世紀のヨーロッパでは風景を描く際に、空気遠近法と色彩配置で距離感を表現していました。以下のうち、近景→中景→遠景を表す色の組み合わせはどれですか?
① 黄色→緑→白
② 青→茶色→白
③ 緑→黄色→青
④ 茶色→緑→青
出典:美術検定実行委員会・編『美術検定3級問題集-知る、わかる、みえる』 (株)美術出版社 2021  p.140
答え ④ 茶色
聖十字架の発見 ヤン・ファン・エイク

《聖十字架の発見》
ヤン・ファン・エイク 『トリノ=ミラノ時祷書』

などの寒色は、遠く引っ込んで見える「後退色」でしたね。

 近景の地面の
 中景の草木の
 遠景の空の

はただ空というだけでなく、遠くの物体が、大気と光の作用で霞んで色を失い青みを帯びて見えるという、経験的な知識も応用しています。

ヤン・ファン・エイク作とされる『トリノ=ミラノ時祷書』(1420頃)は、こうした遠景表現の最も早い例の1つです。

減算混合」の復習になりますが、絵具を混ぜると、たくさんの色ができる一方、濁って暗くなるという特性がありましたね。

👇こちらはスーラの代表作《グランド・ジャット島の日曜の午後》

スーラ《グランド・ジャット島の日曜の午後》(

これは点描法で描かれた作品です。
チューブから出したままの純色を、そのまま小さな色の点の集まりで描いています。(Q.95で取り上げました。)

離れて見た時に、目の中で色が重なって、濁りのない明るい混色の効果が得られるよう、科学的にアプローチしています。カラー印刷と同じ原理ですね。

それにや、黄色など、補色強い対比の効果なども取り込んでいます。

スーラはこの作品の制作に2年かけています!

【参考図書】
知る、わかる、みえる 美術検定3級問題[基本編 basic] 美術検定実行委員会編  株式会社美術出版社  2021
改訂版 西洋・日本美術史の基本 美術検定1・2・3級公式テキスト 美術検定実行委員会編  株式会社美術出版社  2019

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