《快楽の園》/ヒエロニムス・ボス

ボス 快楽の園

1500年 油彩・板
220x389㎝ プラド美術館(マドリード)

16世紀前半にネーデルラントで活躍したヒエロニムス・ボスの代表作の1つ。北方ルネサンスの時代に、他の宗教画とはあきらかに違う怪奇的・幻想的な三連祭壇画を描いています。外翼には旧約聖書「創世記」の、天地創造の場面がモノクロで描かれ、その扉を開くと、この三連の絵が現れます。左翼には「エデンの園」、中央に「快楽の園」、右翼に「地獄」が描かれ、左から中央、右へと物語が展開しています。

◆左翼「エデンの園」

神がアダムとイヴを引き合わせている楽園。牧歌的で美しい風景です。
正しい男女の結びつきの在り方をしめしています。

ボス 快楽の園 左 扉
ボス 快楽の園 左
ボス 快楽の園 アダムとイブ
ボス 快楽の園 左

◆中央「快楽の園」

愛と性の喜びを交わす500人もの裸の男女。快楽に溺れる人間の煩悩の世界が描かれています。謎めいた行為や異様な姿の動植物についての意味は不明のまま。通常、祭壇画の中央には、聖母子などが描かれるものですが、宗教的主題を特異な世界へと展開しています。

ボス 快楽の園 中央
ボス 快楽の園 中央 詳細
ボス 快楽の園 中央 詳細
ボス 快楽の園 中央 詳細
ボス 快楽の園 中央 詳細
ボス 快楽の園 中央 詳細
ボス 快楽の園 詳細 中央
ボス 快楽の園 中央 詳細
ボス 快楽の園 中央 詳細

◆右翼「地獄」

不気味な火災や、奇怪な怪物たち。欲望にとらわれた結果として落ちる地獄の光景です。
左翼と対比的に描かれています。

ボス 快楽の園 右 扉
ボス 快楽の園 右 詳細
虚栄の罪を犯した女が、鏡の中の自分をみて気絶
ボス 快楽の園 右 詳細
ボス自身の自画像と言われています
ボス 快楽の園 右 詳細
ボス 快楽の園 右 詳細

◆外翼「天地創造」

閉じた状態では、天地創造3日目の地球の様子が描かれています。
大地と海と植物の創造時。人間はまだ誕生していません。

ボス 快楽の園 天地創造
ボス 快楽の園 外翼 神

左上には小さく神が描かれ、上部に記されているのは「主が仰せられると そのようになり 命じられると それは立つ」という旧約聖書の言葉。

ヒエロニムス・ボス

ヒエロニムス・ボス
Hieronymus Bosch
1450年頃-1516年8月9日

ルネサンス期ネーデルラントの画家。
宗教的な主題に、特殊で謎めいた表現を組み合わせて、幻想的な世界を描いています。

ボス 快楽の園 プラド美術館
プラド美術館
Francisco Anzola, CC BY 2.0 ,
https://commons.wikimedia.org/wiki/File:The_Garden_of_Earthly_Delights_(2).jpg

【参考図書】
瀧澤秀保監修『366日の西洋美術』株式会社三才ブックス 2019年
水野千依り編『盛期ルネサンスから十九世紀末まで』株式会社幻冬舎 2013年
永井龍之介監修『知識ゼロからの名画入門』株式会社幻冬舎 2016年
【参考URL】
Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%BF%AB%E6%A5%BD%E3%81%AE%E5%9C%92  2021年7月15日閲覧